虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
268 / 3,140
DIY、巡礼のち無双

小金持ち

しおりを挟む


「やぁ、お疲れ様だね」

 里に戻ると、里長が入り口で待っていた。
 そして、その隣には──

「よぉ、久しぶりだな」

「……ど、どうも」

 兄あれば弟あり。
 修練を終えたばかりなのか、一汗かいたエルフらしくないエルフが立っている。

「そうかそうか! お前もいっしょに鍛錬がしたいのか。ならばよし、今からさっそく始めようか」

「いえ、何も言ってませんよ。というより、これからやることがありますので」

「なんだよ畜生。そこは、思いっ切り黙って流される展開だろうが」

 里長(弟)にイジメられそうになるが、俺はハッキリとNOが言える系の日本人だ。 

 嫌なことは嫌、そう言っておく。
 ……こっちなら、それでどうこうしようとしても逃げられるからな。

「それよりも里長、約束のフレイムディアを持ってきました。途中でスリュに聞きましたが、良い素材らしいですね」

「分かっているさ。他の者たちに配る分以外は、君へ優先的に売ることを約束しよう」

「ありがとうございます」

 金取るのかよ……とはツッコまない。
 今ではかなりの小金持ちなので、金銭に関する問題はほぼ無いのだ。



「さて、フレイムディアの討伐、改めておめでとう。さすが銃と言うべきだろうか」

「スリャングスの銃に対する適性が高いんですよ。販売する予定はありませんが、たしかに凄いですよね」

「君がそれを売りだせば、巨万の富を得ることも可能だろうけど……」

「戦争に関わる死の商人だけには、絶対になりたくありません。理想を抱いて死ぬ方が、私としては本望です」

 何より……死んでも蘇るしな。

「そうかい。なら、エルフと敵対する種族には情報が洩れないようにしてほしいね。こうやって部分部分で使用している、この時点で情報漏洩は間違いないだろう」

「……そうですね、そうなったら仕方有りません。争う人たちが両方とも私の知り合いの場合はともかく、知人が狙われた場合は全力で助力に出ることも検討しておきます」

 九龍帝国に対する、いわゆる応対法みたいなやり方でいいだろうか?

 最後に俺の益があるような終わらせ方をすれば、一時的にだが干渉ができる。
 相手がそれに逆上し、俺を殺そうとしても封殺することはできない。

 ──そして、その異能がプレイヤーの権能だとでも勝手に伝わるだろう。

「君の助力か。どこまで過激な争うことになるのか……」

「ちょっ、私は死の商人はやらないと言ったではないですか。あくまで落としどころを見つける、そのお手伝いをするだけですよ」

 情報をこの後少し交わし、俺は再び別の場所に移動した。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

処理中です...