40 / 147
36
しおりを挟む
コンコンッコンコンッ
「ん…?なんだこんな朝早くに…。入れ。」
扉をノックする音で私の意識も覚醒しましたが目の前に亮真様のたくましい胸板が広がっておりまして動揺した私は情けないことに寝たふりをすることに致しました。
亮真様はずっと私を抱きしめたまま眠ってくださっていたのでしょう。全身が亮真様の匂いと体温に包まれております。
「旦那様…申し訳ございません。お客様がおいでになっておりまして旦那様にどうしてもお会いしたいとおっしゃっておりますもので。」
「こんな早くに…?と、なんだもう9時か。…。で?誰だ?」
「琴葉さまでございます。」
「義姉さんが?なんだろう…わかった。すぐに行くと知らせてくれ。」
「…亮真さん?まだ寝ていたの?」
「琴葉様!」
「あら?小雪さんと一緒に寝ていたのね…。」
「悪いが義姉さん。小雪はまだ寝ているんだ。こんなところにまで来ないでくれ。とにかく下の階で待っていてくれ。」
「琴葉様、行きましょう。」
使用人が琴葉義姉様を連れて部屋を静かに出て行きました。
「はぁっ」
大きなため息をついた亮真様は体を起こされたようです。
これからお義姉様にお会いするのでしょう。
琴葉お義姉様も、亮真様にお会いするためとはいえまだお休みになられている部屋にまで訪ねていらっしゃるだなんて…
チュッ
頬に柔らかな感触を感じたところで亮真様は静かに私から離れて部屋を出て行かれました。
朝から、いえ、昨晩から色々と驚きの連続でございます。 胸の中のもやもやが一気にうるさい鼓動で上書きされてしまいました。
再び静かになったのを確認して私も起きることに致しました。亮真様が色々と気にかけてくださったおかげでそろそろ足のほうも元通りになってきたのではないかと思っております。
「奥様、足のほうもだいぶ良くなってきているのでしょうね。とはいえ無理な動きは禁物ですので、たとえ御不浄に行くとは言えどうぞ私どもを遠慮なく呼んでくださいませ。」
「ありがとう。それで…今亮真様は?」
「旦那様は…食堂で朝食を召し上がっております。その…琴葉様が少し強引に朝食を一緒にとお誘いになられたご様子でして。旦那様は奥様と朝食をご一緒になさりたいのでお断りをしていたみたいですけれども。」
「そう。わかったわ。教えてくれてどうもありがとう。」
「奥様は朝食はいかがなされますか?」
「そうね…今日は部屋で頂こうかしら。膳の上げ下げが大変になってしまうと思うのだけれどもいいかしら?
「もちろんですとも、お任せくださいませ奥様。」
わざわざ窓際にテーブルと椅子を移動して色とりどりの食事が並べられていきます。
「ん…?なんだこんな朝早くに…。入れ。」
扉をノックする音で私の意識も覚醒しましたが目の前に亮真様のたくましい胸板が広がっておりまして動揺した私は情けないことに寝たふりをすることに致しました。
亮真様はずっと私を抱きしめたまま眠ってくださっていたのでしょう。全身が亮真様の匂いと体温に包まれております。
「旦那様…申し訳ございません。お客様がおいでになっておりまして旦那様にどうしてもお会いしたいとおっしゃっておりますもので。」
「こんな早くに…?と、なんだもう9時か。…。で?誰だ?」
「琴葉さまでございます。」
「義姉さんが?なんだろう…わかった。すぐに行くと知らせてくれ。」
「…亮真さん?まだ寝ていたの?」
「琴葉様!」
「あら?小雪さんと一緒に寝ていたのね…。」
「悪いが義姉さん。小雪はまだ寝ているんだ。こんなところにまで来ないでくれ。とにかく下の階で待っていてくれ。」
「琴葉様、行きましょう。」
使用人が琴葉義姉様を連れて部屋を静かに出て行きました。
「はぁっ」
大きなため息をついた亮真様は体を起こされたようです。
これからお義姉様にお会いするのでしょう。
琴葉お義姉様も、亮真様にお会いするためとはいえまだお休みになられている部屋にまで訪ねていらっしゃるだなんて…
チュッ
頬に柔らかな感触を感じたところで亮真様は静かに私から離れて部屋を出て行かれました。
朝から、いえ、昨晩から色々と驚きの連続でございます。 胸の中のもやもやが一気にうるさい鼓動で上書きされてしまいました。
再び静かになったのを確認して私も起きることに致しました。亮真様が色々と気にかけてくださったおかげでそろそろ足のほうも元通りになってきたのではないかと思っております。
「奥様、足のほうもだいぶ良くなってきているのでしょうね。とはいえ無理な動きは禁物ですので、たとえ御不浄に行くとは言えどうぞ私どもを遠慮なく呼んでくださいませ。」
「ありがとう。それで…今亮真様は?」
「旦那様は…食堂で朝食を召し上がっております。その…琴葉様が少し強引に朝食を一緒にとお誘いになられたご様子でして。旦那様は奥様と朝食をご一緒になさりたいのでお断りをしていたみたいですけれども。」
「そう。わかったわ。教えてくれてどうもありがとう。」
「奥様は朝食はいかがなされますか?」
「そうね…今日は部屋で頂こうかしら。膳の上げ下げが大変になってしまうと思うのだけれどもいいかしら?
「もちろんですとも、お任せくださいませ奥様。」
わざわざ窓際にテーブルと椅子を移動して色とりどりの食事が並べられていきます。
2,023
あなたにおすすめの小説
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる