見捨てられたのは私

梅雨の人

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「はぁ、…仕方ないな。それで?新婚旅行に行くのか?」 

「ああ、やっと休みがまとめて取れることになったからな。って、お前は新婚家庭にそうやって頻繁に図々しく来やがって…。何気に会話にまで入ってくるなよな。」 

「小さなことは気にするなよ。可愛い義弟くんよ。」 

「ふふふっ、やっぱり東吾様とお兄様は本当に仲がよろしいのですね。二人が仲が良くて私もとてもうれしいです。」 

「…」 

「だってさ、東吾。小雪に喜んでもらえてよかったな。で、新婚旅行はどこに行くんだ?」 

「新井月の湖畔に別荘を購入したからそこに行く。小雪とゆっくり過ごすためだけに購入したんだ。」 

「義弟よ、よくやった。あの一帯は閑静で眺めもいいからな。」 

「ああ、部屋には内湯と露天風呂が付いてるんだ。湖畔が目の前に広がってて、近くで乗馬もできるんだ。小雪を乗せて遠乗りに行くのもいいな。それで、温泉の質が良いらしくて肌がつるつるになるらしい。ああ、小雪の肌はもう既に潤ってつるつるだけど小雪が気に入ってくれると嬉しい。それに改装したばかりだから俺たちの部屋は小雪好みの落ち着いた雰囲気にしといたからな。ああ、小雪の好みに合ってるか考えると今更不安になってきた…」 

「東吾様…」 

「おいおい、小雪小雪ってお前は箍が外れっぱなしだな。それに今更お前が不安になるなんてらしくないな。」 

「仕方ないだろ、やっと小雪と夫婦になれたんだ。幸せすぎて不安にもなるだろ?」 

「東吾様…ありがとうございます。とても楽しみです。それに東吾様のお気持ちがとてもうれしい…」 

「そうか小雪?そうか!ああ、よかった!気持ちが重すぎて少し引かれたかと思っていたが、小雪がそう思ってくれて俺も嬉しい!」 

「あほかお前は…俺はドン引きさせてもらったがなあ…まあ、小雪が幸せそうにしているから許してやる。」 

「ああ、本当に楽しみだな、小雪。」 

「ええ、東吾様。」 

「おいおい、俺の話を聞いているのか?」 

「聞いてるさ、なあ、小雪。」 

「ええ、東吾様。ふふふっ」 

やってられねえ、とぼやいてらっしゃたお兄様がお帰りになられたのはそのすぐ後のことでございました。
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