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初夜
初夜(4)
しおりを挟む彼にもっと気持ちよくなってもらいたい気持ちと淫らな気分に後押しされ、体を屈めて先端のつるりとした膨らみに舌を這わす。
先走りの苦みは不快ではなかった。
なんとなくいけそうな、根拠のない自信が湧いて来て、大きく口を開けて先端を頬張った。
ラインハルトの太股に力が入ったのがわかる。
ユリウスの口では歯を当てずに先端を含むのがやっとで、懸命に舌を這わし、根元を両手で扱く。
香油のぬめりをまとった指が、窄まりを割り、奥へと侵入してくる。痛みはないが、異物感はあって、反射的にぎゅっと締めつけてしまう。構うことなく、奥まで挿入された指は、すぐに腹側に曲げられ、ユリウスの弱いところを弄び始めた。
「もてあそぶ」という言葉のままに、円を描くように捏ねられ、突かれる。それだけで内腿が震え、会陰が熱くしこりだし、自身の勃ち上がった性器が先端の小孔に雫を滲ませるのがわかる。
「っ、……ふぁ……、アっ……」
「ユーリ。口が止まってるぞ。お前が自分でしたいと言ったんだろ」
急かすというより、揶揄うような口調だった。
「そんなっ、されたら……、うまくできなっ……」
上げていた顔を再び俯かせ、目の前の雄に舌を這わせようとするけど、それどころじゃなくなる。
指が二本、三本と増やされ、感じて、喘ぐことしかできなくなった。
いいかげん射精を堪えきれなくなった頃――指が一気に引き抜かれた。
「んっ…、ぁあッ……!」
背筋が弓なりに反り、半開きの口から甲高い嬌声が洩れる。
「ユーリ。挿れるのは、座った状態でもいいか? 寝てやると、我慢できなくて激しく動いてしまいそうだ」
ふふっ、と笑みをこぼす。
抱きしめていいか? キスしていいか?
そんなふうに何でも、ユリウスの希望を確認してくれる彼が、心から愛おしかった。
「向かい合わせがいいです」
ユリウスはラインハルトの上で身体の向きを変え、ベッドに膝をついて腰を浮かせた。
後ろ手に剛直を握り、ぐしょ濡れになって綻んでいる窄まりに先端を当てる。ゆっくりと押し開かれた瞬間は、裂かれるような痛みを感じた。
「痛いなら、無理するな」
痛みで萎えた性器をゆるゆると擦られると、緊張が和らいで張り出した先端が一番狭い縁を通過し、少しだけ楽になった。両側から支えられ、少しずつ腰を落としていく。
濡れたオメガの肉壁が淫らに蠢き、アルファの雄を貪欲に奥へ奥へと誘う。
最後は自重で一気に根元まで飲み込み、尻に濡れた下生えが触れた瞬間、強烈な痺れが背筋を駆け巡った。
「ぁぁあっ……!」
窄まりを目一杯押し広げ、下腹部をみっちりと埋め尽くす存在に、ぽろぽろと涙が零れる。
苦しいほどの圧迫感なのに、ずっと待ち侘びていたものを与えられたような、不思議な満足感があった。
肉壁がせわしなく蠢き、中の雄を締めつけるのがわかる。それだけでも達しそうなほどに気持ちいい。
つながったままぎゅうぎゅうに抱きしめられ、あやすように額や頬を辿った唇が、また深く口付けてくる。
甘ったるく舌を絡ませながら、胸の突起を軽く抓られ、性器を優しく撫でられる。上も下も愛しい人の熱で満たされるのは、胸が震えるほどに幸せな甘苦だった。
発情期中ほどではないが、かすかに甘い香りが漂う。それに混ざる官能的な雄の香りは、アルファのフェロモンだろう。
両側から腰骨を掴んで、結合を馴染ませるように腰を回される。上下に軽く揺すられ、ユリウスは彼の首にしがみついた。
「ユーリ、動けるか? 自分で動いたほうが辛くないはずだ」
耳元で囁かれ、ユリウスは頷いた。
ラインハルトが両側から腰を支え、ユリウスの体を持ち上げる。
ずぶずぶと出て行ってはまた隘路を満たされる。その形をユリウスの身体に刻み込むようなゆったりとした動きが、徐々に小刻みな上下運動へと変わっていく。
熟れた粘膜をみっちりと満たされ、官能のしこりを熱く太い楔で擦り上げられるのは、気がおかしくなりそうなほどに気持ちがよかった。
時折り焦れたようにラインハルトが腰を突き上げ、深く繋がったままの腰を前後に揺すられる。そのたびにユリウスは肩甲骨を浮き上がらせ、身体を上下左右に揺らめかせた。
「ぁンッ、……ふっ、ぁ…………ライニ様…………ぁっ、ァアアッ!」
最後は自分が動いているのか、突き上げられているのか、力が入っているのか抜けているのかもわからなくなった。
怖いほどの快感だけが、全身を駆け巡っている。
激しく突かれるままにガクガクと体が痙攣する。
細く鋭く高みに押し上げられた意識が、弾ける感覚があった。
限界まで達した快楽が、細い管をせり上がって来る。律動に押し出されるように、ぱっくりと開いた孔から白濁を迸らせた。
「……くっ」
ラインハルトが腰の動きを止め、小さく呻く。
射精の余韻で収縮した肉壁がナカの雄を食いしめるのを、自分ではどうすることもできなかった。
最奥まで貫いた剛直が、ドクンと脈打ち、ひときわ嵩を増した次の瞬間――……、深部に重だるい熱液が広がっていくのを感じた。
多幸感と恍惚とが同時に押し寄せてきて。
あたたかな涙となって溢れた。
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