79 / 83
初夜
初夜(4)
しおりを挟む彼にもっと気持ちよくなってもらいたい気持ちと淫らな気分に後押しされ、体を屈めて先端のつるりとした膨らみに舌を這わす。
先走りの苦みは不快ではなかった。
なんとなくいけそうな、根拠のない自信が湧いて来て、大きく口を開けて先端を頬張った。
ラインハルトの太股に力が入ったのがわかる。
ユリウスの口では歯を当てずに先端を含むのがやっとで、懸命に舌を這わし、根元を両手で扱く。
香油のぬめりをまとった指が、窄まりを割り、奥へと侵入してくる。痛みはないが、異物感はあって、反射的にぎゅっと締めつけてしまう。構うことなく、奥まで挿入された指は、すぐに腹側に曲げられ、ユリウスの弱いところを弄び始めた。
「もてあそぶ」という言葉のままに、円を描くように捏ねられ、突かれる。それだけで内腿が震え、会陰が熱くしこりだし、自身の勃ち上がった性器が先端の小孔に雫を滲ませるのがわかる。
「っ、……ふぁ……、アっ……」
「ユーリ。口が止まってるぞ。お前が自分でしたいと言ったんだろ」
急かすというより、揶揄うような口調だった。
「そんなっ、されたら……、うまくできなっ……」
上げていた顔を再び俯かせ、目の前の雄に舌を這わせようとするけど、それどころじゃなくなる。
指が二本、三本と増やされ、感じて、喘ぐことしかできなくなった。
いいかげん射精を堪えきれなくなった頃――指が一気に引き抜かれた。
「んっ…、ぁあッ……!」
背筋が弓なりに反り、半開きの口から甲高い嬌声が洩れる。
「ユーリ。挿れるのは、座った状態でもいいか? 寝てやると、我慢できなくて激しく動いてしまいそうだ」
ふふっ、と笑みをこぼす。
抱きしめていいか? キスしていいか?
そんなふうに何でも、ユリウスの希望を確認してくれる彼が、心から愛おしかった。
「向かい合わせがいいです」
ユリウスはラインハルトの上で身体の向きを変え、ベッドに膝をついて腰を浮かせた。
後ろ手に剛直を握り、ぐしょ濡れになって綻んでいる窄まりに先端を当てる。ゆっくりと押し開かれた瞬間は、裂かれるような痛みを感じた。
「痛いなら、無理するな」
痛みで萎えた性器をゆるゆると擦られると、緊張が和らいで張り出した先端が一番狭い縁を通過し、少しだけ楽になった。両側から支えられ、少しずつ腰を落としていく。
濡れたオメガの肉壁が淫らに蠢き、アルファの雄を貪欲に奥へ奥へと誘う。
最後は自重で一気に根元まで飲み込み、尻に濡れた下生えが触れた瞬間、強烈な痺れが背筋を駆け巡った。
「ぁぁあっ……!」
窄まりを目一杯押し広げ、下腹部をみっちりと埋め尽くす存在に、ぽろぽろと涙が零れる。
苦しいほどの圧迫感なのに、ずっと待ち侘びていたものを与えられたような、不思議な満足感があった。
肉壁がせわしなく蠢き、中の雄を締めつけるのがわかる。それだけでも達しそうなほどに気持ちいい。
つながったままぎゅうぎゅうに抱きしめられ、あやすように額や頬を辿った唇が、また深く口付けてくる。
甘ったるく舌を絡ませながら、胸の突起を軽く抓られ、性器を優しく撫でられる。上も下も愛しい人の熱で満たされるのは、胸が震えるほどに幸せな甘苦だった。
発情期中ほどではないが、かすかに甘い香りが漂う。それに混ざる官能的な雄の香りは、アルファのフェロモンだろう。
両側から腰骨を掴んで、結合を馴染ませるように腰を回される。上下に軽く揺すられ、ユリウスは彼の首にしがみついた。
「ユーリ、動けるか? 自分で動いたほうが辛くないはずだ」
耳元で囁かれ、ユリウスは頷いた。
ラインハルトが両側から腰を支え、ユリウスの体を持ち上げる。
ずぶずぶと出て行ってはまた隘路を満たされる。その形をユリウスの身体に刻み込むようなゆったりとした動きが、徐々に小刻みな上下運動へと変わっていく。
熟れた粘膜をみっちりと満たされ、官能のしこりを熱く太い楔で擦り上げられるのは、気がおかしくなりそうなほどに気持ちがよかった。
時折り焦れたようにラインハルトが腰を突き上げ、深く繋がったままの腰を前後に揺すられる。そのたびにユリウスは肩甲骨を浮き上がらせ、身体を上下左右に揺らめかせた。
「ぁンッ、……ふっ、ぁ…………ライニ様…………ぁっ、ァアアッ!」
最後は自分が動いているのか、突き上げられているのか、力が入っているのか抜けているのかもわからなくなった。
怖いほどの快感だけが、全身を駆け巡っている。
激しく突かれるままにガクガクと体が痙攣する。
細く鋭く高みに押し上げられた意識が、弾ける感覚があった。
限界まで達した快楽が、細い管をせり上がって来る。律動に押し出されるように、ぱっくりと開いた孔から白濁を迸らせた。
「……くっ」
ラインハルトが腰の動きを止め、小さく呻く。
射精の余韻で収縮した肉壁がナカの雄を食いしめるのを、自分ではどうすることもできなかった。
最奥まで貫いた剛直が、ドクンと脈打ち、ひときわ嵩を増した次の瞬間――……、深部に重だるい熱液が広がっていくのを感じた。
多幸感と恍惚とが同時に押し寄せてきて。
あたたかな涙となって溢れた。
867
あなたにおすすめの小説
溺愛アルファの完璧なる巣作り
夕凪
BL
【本編完結済】(番外編SSを追加中です)
ユリウスはその日、騎士団の任務のために赴いた異国の山中で、死にかけの子どもを拾った。
抱き上げて、すぐに気づいた。
これは僕のオメガだ、と。
ユリウスはその子どもを大事に大事に世話した。
やがてようやく死の淵から脱した子どもは、ユリウスの下で成長していくが、その子にはある特殊な事情があって……。
こんなに愛してるのにすれ違うことなんてある?というほどに溺愛するアルファと、愛されていることに気づかない薄幸オメガのお話。(になる予定)
※この作品は完全なるフィクションです。登場する人物名や国名、団体名、宗教等はすべて架空のものであり、実在のものと一切の関係はありません。
話の内容上、宗教的な描写も登場するかと思いますが、繰り返しますがフィクションです。特定の宗教に対して批判や肯定をしているわけではありません。
クラウス×エミールのスピンオフあります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/504363362/542779091
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
釣った魚、逃した魚
円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。
王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。
王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。
護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。
騎士×神子 攻目線
一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。
どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。
ムーンライト様でもアップしています。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる