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2章 ヒーロー活劇を望む復讐者
望まぬ再会 6
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俯いたままの清音があたしを睨んですみれが眉を顰める。
3人の間に重い沈黙が落ちる。あたしから言う必要は無い。すみれはあたしの発言で引いているようで清音は怒りで震える。
「紅茶が入ったよ」
笑顔で沈黙を破った長野は3人にティーカップを置いていく。空気が読めないというより、わざとね。
「さて、瑠璃は初めてだからね。最初は岡本さんから聞こうか」
「すぐ済むって言っていたわよね?」
同じ文句を再び吐く。この流れはカウンセリングそのものじゃない。
「暗くなる前に帰ってもらえば問題はないよ。大丈夫、熊は出ないからさ」
教師がいう台詞じゃないわね。早く帰ってもらう為に部活まで休止させているのに。
2人はこの点についてなんとも思っていないの?
向かいの2人は何事もなく紅茶をすすり、指定された清音は姿勢を正して自分の話をする。
「今朝亡くなられた子、私をいじめていた子なんです」
本当に何も持っていないのね。普通に話を始めたわ。
あたしは不信になりながらも紅茶を飲む。温かい紅茶の甘みが口内で広がった。
「どうして、私がいじめられるんだろうって思って。彼女なんか死んでしまえって思ってしまったんです。そしたら、本当に」
涙混じりの話になってきて心優しい清音は言葉と嗚咽で喉を詰まらせる。あたしは湯気の立つ紅茶を見つめていた。
「あなたのせいじゃない」
すみれが清音の背中をさする。
「茶番ね」
長野を睨みながら言う。剣幕なあたしに対して彼は笑みを返すだけだった。
あたしの一言は冷水そのもので、水を打たれた清音とすみれは涙さえ止まっていた。
「現実に人間ドラマはいらないのよ。不幸を願った人が地獄に落ちた。ハッピーエンドじゃない。悲しむふりも同情するふりもやめて、笑えばいい。何を躊躇うの」
「本気で言ってるの?死んだのよ?」
清音から涙はなくなってきた。代わりに不謹慎なあたしに怒りの色が混じる。
「好都合じゃない。これから言いたいこと言えるわよ。彼女の墓石の前で罵詈雑言を繰り返せば良い」
「さっきから何なの!」
あたしの発言に堪忍袋が耐えきれなくなったのはすみれだった。人を小馬鹿にした微笑と声色が効果を示した。
「何よ、あたしが彼女の本心を代弁したのよ」
「私、そんなこと」
すみれに続いて清音でも反応する。自信の持てない清音の声は折れ易い程に細い。なら、その枝を折ってあげましょうか。
「嫌がらせを受け続けたのに?そこまで広大な心じゃないでしょう?それとも感情が欠如しているのかしら?」
「笹塚さん、カウンセリングを受けに来たの?敵を作りにきたの?」
清音はわざとらしくあたしの苗字を強く誇張する。それがあたしを怒らせるワードだと把握していた。
「望んで来たんじゃないわ。それにあたしの心は病んでいないもの。あなたたちとは違ってね」
「あんたこそ!よく回る舌は直してもらったらどうなの!」
声を張り上げて立ち上がるすみれ。これには長野も黙っているわけにはいかない。
「君たち、熱くならないように。これはカウンセリングだ」
宥めるように長野が手の平を上げてすみれを座らせるように促す。
「あたしがいると空気が悪いみたいね」
自分の鞄を肩に下げて立ち上がる。
「まだ終わっていない。座りなさい」
帰ろうとするあたしを留まらせたい長野は命令にも似た口調で言う。
「5分経ったので」
長野の止める声も2人の冷ややかな目もティーカップに残した紅茶もあたしの気を引かすものにならなかった。教室のドアを開けて3人の耳に残響させるように力強く閉める。
3人の間に重い沈黙が落ちる。あたしから言う必要は無い。すみれはあたしの発言で引いているようで清音は怒りで震える。
「紅茶が入ったよ」
笑顔で沈黙を破った長野は3人にティーカップを置いていく。空気が読めないというより、わざとね。
「さて、瑠璃は初めてだからね。最初は岡本さんから聞こうか」
「すぐ済むって言っていたわよね?」
同じ文句を再び吐く。この流れはカウンセリングそのものじゃない。
「暗くなる前に帰ってもらえば問題はないよ。大丈夫、熊は出ないからさ」
教師がいう台詞じゃないわね。早く帰ってもらう為に部活まで休止させているのに。
2人はこの点についてなんとも思っていないの?
向かいの2人は何事もなく紅茶をすすり、指定された清音は姿勢を正して自分の話をする。
「今朝亡くなられた子、私をいじめていた子なんです」
本当に何も持っていないのね。普通に話を始めたわ。
あたしは不信になりながらも紅茶を飲む。温かい紅茶の甘みが口内で広がった。
「どうして、私がいじめられるんだろうって思って。彼女なんか死んでしまえって思ってしまったんです。そしたら、本当に」
涙混じりの話になってきて心優しい清音は言葉と嗚咽で喉を詰まらせる。あたしは湯気の立つ紅茶を見つめていた。
「あなたのせいじゃない」
すみれが清音の背中をさする。
「茶番ね」
長野を睨みながら言う。剣幕なあたしに対して彼は笑みを返すだけだった。
あたしの一言は冷水そのもので、水を打たれた清音とすみれは涙さえ止まっていた。
「現実に人間ドラマはいらないのよ。不幸を願った人が地獄に落ちた。ハッピーエンドじゃない。悲しむふりも同情するふりもやめて、笑えばいい。何を躊躇うの」
「本気で言ってるの?死んだのよ?」
清音から涙はなくなってきた。代わりに不謹慎なあたしに怒りの色が混じる。
「好都合じゃない。これから言いたいこと言えるわよ。彼女の墓石の前で罵詈雑言を繰り返せば良い」
「さっきから何なの!」
あたしの発言に堪忍袋が耐えきれなくなったのはすみれだった。人を小馬鹿にした微笑と声色が効果を示した。
「何よ、あたしが彼女の本心を代弁したのよ」
「私、そんなこと」
すみれに続いて清音でも反応する。自信の持てない清音の声は折れ易い程に細い。なら、その枝を折ってあげましょうか。
「嫌がらせを受け続けたのに?そこまで広大な心じゃないでしょう?それとも感情が欠如しているのかしら?」
「笹塚さん、カウンセリングを受けに来たの?敵を作りにきたの?」
清音はわざとらしくあたしの苗字を強く誇張する。それがあたしを怒らせるワードだと把握していた。
「望んで来たんじゃないわ。それにあたしの心は病んでいないもの。あなたたちとは違ってね」
「あんたこそ!よく回る舌は直してもらったらどうなの!」
声を張り上げて立ち上がるすみれ。これには長野も黙っているわけにはいかない。
「君たち、熱くならないように。これはカウンセリングだ」
宥めるように長野が手の平を上げてすみれを座らせるように促す。
「あたしがいると空気が悪いみたいね」
自分の鞄を肩に下げて立ち上がる。
「まだ終わっていない。座りなさい」
帰ろうとするあたしを留まらせたい長野は命令にも似た口調で言う。
「5分経ったので」
長野の止める声も2人の冷ややかな目もティーカップに残した紅茶もあたしの気を引かすものにならなかった。教室のドアを開けて3人の耳に残響させるように力強く閉める。
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