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2章 ヒーロー活劇を望む復讐者
時計草 13
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一方で清音は緊張の糸が切れたのだろう。猫を降ろして、角によると血の鉄と果実の甘臭さに酔ったのか吐き出していた。
「で、頼りになるナイトはどうしたわけ?見殺し?」
瑠璃が清音に言う。吐き気に苦しめながら清音は反論する。
「まだ生きてるわ」
「なら、未遂ね」
「違う!」
「いいから、2人とも静かに」
怒鳴る清音にカンダタは焦りを覚え、抑えた声量で尚且つ強かな口調で警告する。
「どおおおおこおおおだあああ!うら、うらあああぎりもおおお!」
カンダタが警告を出さずとも植物人間の怒声でいやでも3人は黙る。彼女はまだカンダタたちを見つけていないらしい。
「刀は?落ちていたはずよ」
瑠璃は小声でカンダタに問いかける。確かにケイがいたのなら刀があったはずだが、清音を優先に行動していたので、そこまでの余裕はなかった。
「あの状況だったんだ。探すのも無理だ」
「その役立たず無視すれば良かったじゃない」
「瑠璃、さっき君は清音を人殺しだと非難した。なのに、それと同等の発言は許すのか?」
「何よ、嘆いて喚くだけの人なんて死んでも構いわよ。それにゲロ臭いわ」
これには清音も思うところがあるらしく、顔を俯かせる。
瑠璃が教室のカーテンをほんの少し開けて、桜尾 すみれに気付れないように体育館の中を見渡す。その間に清音を励まそうかと考えるが、乏しい頭では元気付ける言葉が浮かばない。そもそも彼女には嫌われているのだ。何を言っても彼の言葉は届かないだろう。
「刀があったわ」
その窓からは体育館がよく見えるらしい。瑠璃は月光で白く反射する刀を発見する。
「離れたところにあるわね」
「俺が行く」
「1人で?頼りにならないくせに、よく言えるたわね」
「白鋏があれば」
「すぐ返してくれるんじゃなかった?」
「ま、待って。その刀でどうする気なの?」
どんどんと話を進めていく中で清音が慌てだす。カンダタたちの会話でその真意を掴んでいた。
「わかりきってることわざわざ聞かないでくれる?」
「だって、それって瑠璃たちがすみれ先輩を」
「その先輩は放送室で遺体の四肢・内臓を散らかしていたわよ」
「そんな!じゃあ、あれは!」
「カンダタと同じよ。利用され殺された挙句蝶男のおもちゃになったのよ。あたしたちはその1つを壊すだけ。人殺しよりも罪は軽いわ」
「その理屈が通るって本気で考えているの?瑠璃がやろうとしているのは」
「なら、あの先輩と一緒に死ぬ?彼女はあなたのことを何とも思っていないみたいよ?」
「それは、それが問題じゃないでしょ」
「あなたの良い子ちゃんぶりにはつくづく呆れる。あたしはね、義理のために命の糧を消費するつもりはないの」
声を張り上げないよう祈りながらカンダタは2人の潜めた会話を聞いていた。
清音の愚かさにも瑠璃の冷血さにもカンダタの言い分はあった。しかし、口には出さず、論争を見守るしかない。なぜなら、これは生者の問題なのだ。死の領域に立つカンダタでは彼女たちの間に割って入る事は許されない。
「目を背けたいなら屋外階段から出ていけばいい。役に立っていないから見捨てたからとか意味のない罪悪感に苦しまなくてもいいのよ。あたしはあなたがいなくなっただけでも大助かりだから」
清音の結論は出ず、瑠璃は既に覚悟を決めていた。彼女が答えを出すまで待ってあげたいが、そこまで悠長にしていられない。
「行こうか」
カンダタは静かに告げる。
「で、頼りになるナイトはどうしたわけ?見殺し?」
瑠璃が清音に言う。吐き気に苦しめながら清音は反論する。
「まだ生きてるわ」
「なら、未遂ね」
「違う!」
「いいから、2人とも静かに」
怒鳴る清音にカンダタは焦りを覚え、抑えた声量で尚且つ強かな口調で警告する。
「どおおおおこおおおだあああ!うら、うらあああぎりもおおお!」
カンダタが警告を出さずとも植物人間の怒声でいやでも3人は黙る。彼女はまだカンダタたちを見つけていないらしい。
「刀は?落ちていたはずよ」
瑠璃は小声でカンダタに問いかける。確かにケイがいたのなら刀があったはずだが、清音を優先に行動していたので、そこまでの余裕はなかった。
「あの状況だったんだ。探すのも無理だ」
「その役立たず無視すれば良かったじゃない」
「瑠璃、さっき君は清音を人殺しだと非難した。なのに、それと同等の発言は許すのか?」
「何よ、嘆いて喚くだけの人なんて死んでも構いわよ。それにゲロ臭いわ」
これには清音も思うところがあるらしく、顔を俯かせる。
瑠璃が教室のカーテンをほんの少し開けて、桜尾 すみれに気付れないように体育館の中を見渡す。その間に清音を励まそうかと考えるが、乏しい頭では元気付ける言葉が浮かばない。そもそも彼女には嫌われているのだ。何を言っても彼の言葉は届かないだろう。
「刀があったわ」
その窓からは体育館がよく見えるらしい。瑠璃は月光で白く反射する刀を発見する。
「離れたところにあるわね」
「俺が行く」
「1人で?頼りにならないくせに、よく言えるたわね」
「白鋏があれば」
「すぐ返してくれるんじゃなかった?」
「ま、待って。その刀でどうする気なの?」
どんどんと話を進めていく中で清音が慌てだす。カンダタたちの会話でその真意を掴んでいた。
「わかりきってることわざわざ聞かないでくれる?」
「だって、それって瑠璃たちがすみれ先輩を」
「その先輩は放送室で遺体の四肢・内臓を散らかしていたわよ」
「そんな!じゃあ、あれは!」
「カンダタと同じよ。利用され殺された挙句蝶男のおもちゃになったのよ。あたしたちはその1つを壊すだけ。人殺しよりも罪は軽いわ」
「その理屈が通るって本気で考えているの?瑠璃がやろうとしているのは」
「なら、あの先輩と一緒に死ぬ?彼女はあなたのことを何とも思っていないみたいよ?」
「それは、それが問題じゃないでしょ」
「あなたの良い子ちゃんぶりにはつくづく呆れる。あたしはね、義理のために命の糧を消費するつもりはないの」
声を張り上げないよう祈りながらカンダタは2人の潜めた会話を聞いていた。
清音の愚かさにも瑠璃の冷血さにもカンダタの言い分はあった。しかし、口には出さず、論争を見守るしかない。なぜなら、これは生者の問題なのだ。死の領域に立つカンダタでは彼女たちの間に割って入る事は許されない。
「目を背けたいなら屋外階段から出ていけばいい。役に立っていないから見捨てたからとか意味のない罪悪感に苦しまなくてもいいのよ。あたしはあなたがいなくなっただけでも大助かりだから」
清音の結論は出ず、瑠璃は既に覚悟を決めていた。彼女が答えを出すまで待ってあげたいが、そこまで悠長にしていられない。
「行こうか」
カンダタは静かに告げる。
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