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3章 死神が誘う遊園地
ミラーハウス 2
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カンダタが説かなくとも瑠璃はわかっている。
背後には未知のミラーハウス。彼女1人で脱出できるような構造にはなっていない。白鋏があれば話は別だが、先刻失ったばかりだ。1人より2人で行動した方がお互いの為になるのだ。
「腕だして」
不服そうに白糸を取り出す。細く尖った針穴から白い糸が垂れ下がる。カンダタは折れて痛む腕を差し出す。すると、瑠璃は力強く引き寄せた。
折れた腕に激痛が走り、呻いた声を上げる。
「改めて見ると酷いわね」
あのキャストは笑顔を貼り付けておいてその腕力は遠慮がなかった。山折りにされた前腕の骨は皮膚を破らず、内側に留まっている。
「で、これはどうすれば治るわけ?」
医者ではないので骨折した骨の接ぎ方はわからない。カンダタが熟知している知識と言えば骨折した箇所に添え木をすることだけである。頭を振るしかない。
「ま、魂は生体より単純らしいから適当にやればいいわね」
呟いてからすぐに瑠璃が何をしようとしているのか予想できてしまった。
その行為を止めようとした途端、折れて盛り上がった頂点に手を添える。それだけでも声を張り上げてしまう電撃が走る。
容赦のない瑠璃の手は山折された皮膚、肉、骨に全身の体重をかけて無理矢理平らにさせた。強い電撃を受ける。彼女は意外と力強く、容赦がない。
電撃の余波で汗が湧き、腹の底から湧き上がりそうな悲鳴をなんとか飲み込む。
「文句はなしよ」
詫び入れる様子もなく、白糸の針をカンダタの皮膚にあて骨の奥まで刺す。瑠璃は医療技術の欠片も持ち合わせていない。だと言うのに、迷いはなく、素人の治療はカンダタに苦痛を強いる。
もちろん、文句はある。だが、口を開ければ情けない悲鳴が上がりそうで、怒りと苦痛を噛み殺して喉に留まらせていた。
カンダタは瑠璃を睨めつけていた。
それを無視して一糸目、二糸目と白糸で接げてていく。裁縫の途中、別の電撃がカンダタを襲う。項の痛みだ。
「それ、カンダタが怒った時に反応してるわね」
綽々と針を進める瑠璃が言い出す。それとは恐らく、項の痛みだろう。痛みと怒りが繋がっているのか理解できず、眉を顰め、痛みに耐える。
「気付いていなかったの?」
そういうことを言われてもこれに関しては自覚がなかった。
「無条件で痛むものかと考えていたけれど、日増しに怒りも反応するようになってる」
裁縫の作業が終わり、手を離す。折れて乱雑に扱われていた腕は痛みの余波は残すものの通常の状態に戻った。拳を握り、開いても支障はない。
「怒っていた?」
腕を摩りながら聞き返す。項の痛み、つまりカンダタの内に寄生する黒蝶が苛立ち、不快、憎悪といったものに反応していると言うのが瑠璃の見解だった。
「偽善に上塗りしすぎて自分の感情もわからなくなったの?呆れたわね。そんなんだから何も決められなくなるのよ」
嫌味が含んだ瑠璃の呆れに戸惑う。カンダタはそういった感情に覚えがない。
「似たようなことを言っていたな」
瑠璃が睡眠に陥る際、同じようなことを言っていた。彼女らしく痛いところ突く。
「痴呆持ちの古臭い人には何度も言っておかないとね」
背後には未知のミラーハウス。彼女1人で脱出できるような構造にはなっていない。白鋏があれば話は別だが、先刻失ったばかりだ。1人より2人で行動した方がお互いの為になるのだ。
「腕だして」
不服そうに白糸を取り出す。細く尖った針穴から白い糸が垂れ下がる。カンダタは折れて痛む腕を差し出す。すると、瑠璃は力強く引き寄せた。
折れた腕に激痛が走り、呻いた声を上げる。
「改めて見ると酷いわね」
あのキャストは笑顔を貼り付けておいてその腕力は遠慮がなかった。山折りにされた前腕の骨は皮膚を破らず、内側に留まっている。
「で、これはどうすれば治るわけ?」
医者ではないので骨折した骨の接ぎ方はわからない。カンダタが熟知している知識と言えば骨折した箇所に添え木をすることだけである。頭を振るしかない。
「ま、魂は生体より単純らしいから適当にやればいいわね」
呟いてからすぐに瑠璃が何をしようとしているのか予想できてしまった。
その行為を止めようとした途端、折れて盛り上がった頂点に手を添える。それだけでも声を張り上げてしまう電撃が走る。
容赦のない瑠璃の手は山折された皮膚、肉、骨に全身の体重をかけて無理矢理平らにさせた。強い電撃を受ける。彼女は意外と力強く、容赦がない。
電撃の余波で汗が湧き、腹の底から湧き上がりそうな悲鳴をなんとか飲み込む。
「文句はなしよ」
詫び入れる様子もなく、白糸の針をカンダタの皮膚にあて骨の奥まで刺す。瑠璃は医療技術の欠片も持ち合わせていない。だと言うのに、迷いはなく、素人の治療はカンダタに苦痛を強いる。
もちろん、文句はある。だが、口を開ければ情けない悲鳴が上がりそうで、怒りと苦痛を噛み殺して喉に留まらせていた。
カンダタは瑠璃を睨めつけていた。
それを無視して一糸目、二糸目と白糸で接げてていく。裁縫の途中、別の電撃がカンダタを襲う。項の痛みだ。
「それ、カンダタが怒った時に反応してるわね」
綽々と針を進める瑠璃が言い出す。それとは恐らく、項の痛みだろう。痛みと怒りが繋がっているのか理解できず、眉を顰め、痛みに耐える。
「気付いていなかったの?」
そういうことを言われてもこれに関しては自覚がなかった。
「無条件で痛むものかと考えていたけれど、日増しに怒りも反応するようになってる」
裁縫の作業が終わり、手を離す。折れて乱雑に扱われていた腕は痛みの余波は残すものの通常の状態に戻った。拳を握り、開いても支障はない。
「怒っていた?」
腕を摩りながら聞き返す。項の痛み、つまりカンダタの内に寄生する黒蝶が苛立ち、不快、憎悪といったものに反応していると言うのが瑠璃の見解だった。
「偽善に上塗りしすぎて自分の感情もわからなくなったの?呆れたわね。そんなんだから何も決められなくなるのよ」
嫌味が含んだ瑠璃の呆れに戸惑う。カンダタはそういった感情に覚えがない。
「似たようなことを言っていたな」
瑠璃が睡眠に陥る際、同じようなことを言っていた。彼女らしく痛いところ突く。
「痴呆持ちの古臭い人には何度も言っておかないとね」
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