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3章 死神が誘う遊園地
夢みる幸福 3
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「見て!猫がいる!」
誰かがケイを指差す。振り返った途端、シャッターの光がケイを照らした。まずい。
「早く夢から覚めろ。俺は瑠璃の所に行く」
「覚める?」
「清音は寝ている。起きて夢園から抜けろ」
「そんなこと言われても困る。今だって夢って言う感覚ないもの」
「わからないのか?」
当然だと言わんばかりに何度も頷く。
ケイは夢というものを知らない。負傷した身体を回復させるために睡眠は必要になる。思考・行動を停止させ、エネルギーを治療に使っているのだ。夢も思考の一つとして認識しているケイは自我を持った時から夢を見たことがない。
清音の洗脳を解けば、夢から覚醒するだろうと思い込んでいた。
夢から脱出できないのであれば、清音を連れて行くしかないのか?共に行動すればより危険になるのでは?
長居はできないというのに長考してしまう。見上げれば黒猫に縋る清音の怯えた視線。何が最善なのか分からなくなってくる。
「おめでとうございます!」
予測もなく現れたのはキャストだった。
「たくさんの放浪者様の中からスペシャルゲストとして当選されました!」
理解できない現状に清音も困惑する。
周囲の人々は清音とケイを注目し、同じ格好したキャストが集まってくる。逃げられないと悟る。
「さぁ!パレードへご案内します!」
拍手喝采に囲まれ、キャストの声が明確に聞こえた。
キャストはケイたちを案内すると公言しながら、その対応は拘束と変わりなかった。多くのキャストに包囲され、パレードの鮮やかなカーの檻に収容される。
「あれ?平気なの?」
「魂を分解する装置だ」
清音が天井にあるものを凝視する。檻の天井には無機質な素材でできたミミズの群れが蠢いている。
「おそらく、まだ襲ってこないだろう」
確実とは言い切れない。断言しないケイの発言に清音は眉を垂らす。今にも泣きそうな顔をしている。
清音は絶対的な安心を求めている。賑やかな園内とは裏腹に檻は暗く陰湿だ。そこで虚偽の安心を告げたとしても安全にはならない。虚偽は虚偽でしかないのだ。
だというのに、キヨネの今にも泣きそうな表情で見られると何か言ってやらねばと急いてしまう。
「清音はまだその段階にないと考えている」
園内を周って見て感じたものに憶測を加えたものを清音に話す。不安が紛れるのではないのかと思い至った。
「夢園に訪れた者は洗脳され、現世に帰される」
放浪者の魂をエネルギー源にしていることはパレードを見かけたときに知った。これだけ膨大な世界だ。消費量も多いだろう。消費されるエネルギーは補充しなければならない。
「洗脳された者はあの薬を広めるように仕込まれている」
思い返せば、清音を誘った勧誘女も洗脳された者に当てはまる。洗脳し、薬をばら撒く。ウイルスを持った病原体と同じだ。
夢園のゲートを潜った者には居心地が良くなる場所を提供した。社会で挫折したOLには輝いていた高校時代を、夫を亡くした妻にはそれに似せた人形を、満たされない承認欲求にはコメントとハートを。
「洗脳にも限界がある。きっかけがあれば解けてしまうからだ」
そうなった場合、魂のプログラムを施す。そして、頃合いになったところでエネルギーとして分解される。
「清音はまだ分解されない」
語気を強めて言い切る。そして、これは憶測であり、確証を得た結論ではないと気付き、すぐさま、「おそらく」とつけ加えた。
清音の顔をを伺うと眉を垂らして泣きそうな目をしている。
「私は、これからどうなるの?」
それこそが清音が解消させたい不安だった。それはケイにもわからない。
誰かがケイを指差す。振り返った途端、シャッターの光がケイを照らした。まずい。
「早く夢から覚めろ。俺は瑠璃の所に行く」
「覚める?」
「清音は寝ている。起きて夢園から抜けろ」
「そんなこと言われても困る。今だって夢って言う感覚ないもの」
「わからないのか?」
当然だと言わんばかりに何度も頷く。
ケイは夢というものを知らない。負傷した身体を回復させるために睡眠は必要になる。思考・行動を停止させ、エネルギーを治療に使っているのだ。夢も思考の一つとして認識しているケイは自我を持った時から夢を見たことがない。
清音の洗脳を解けば、夢から覚醒するだろうと思い込んでいた。
夢から脱出できないのであれば、清音を連れて行くしかないのか?共に行動すればより危険になるのでは?
長居はできないというのに長考してしまう。見上げれば黒猫に縋る清音の怯えた視線。何が最善なのか分からなくなってくる。
「おめでとうございます!」
予測もなく現れたのはキャストだった。
「たくさんの放浪者様の中からスペシャルゲストとして当選されました!」
理解できない現状に清音も困惑する。
周囲の人々は清音とケイを注目し、同じ格好したキャストが集まってくる。逃げられないと悟る。
「さぁ!パレードへご案内します!」
拍手喝采に囲まれ、キャストの声が明確に聞こえた。
キャストはケイたちを案内すると公言しながら、その対応は拘束と変わりなかった。多くのキャストに包囲され、パレードの鮮やかなカーの檻に収容される。
「あれ?平気なの?」
「魂を分解する装置だ」
清音が天井にあるものを凝視する。檻の天井には無機質な素材でできたミミズの群れが蠢いている。
「おそらく、まだ襲ってこないだろう」
確実とは言い切れない。断言しないケイの発言に清音は眉を垂らす。今にも泣きそうな顔をしている。
清音は絶対的な安心を求めている。賑やかな園内とは裏腹に檻は暗く陰湿だ。そこで虚偽の安心を告げたとしても安全にはならない。虚偽は虚偽でしかないのだ。
だというのに、キヨネの今にも泣きそうな表情で見られると何か言ってやらねばと急いてしまう。
「清音はまだその段階にないと考えている」
園内を周って見て感じたものに憶測を加えたものを清音に話す。不安が紛れるのではないのかと思い至った。
「夢園に訪れた者は洗脳され、現世に帰される」
放浪者の魂をエネルギー源にしていることはパレードを見かけたときに知った。これだけ膨大な世界だ。消費量も多いだろう。消費されるエネルギーは補充しなければならない。
「洗脳された者はあの薬を広めるように仕込まれている」
思い返せば、清音を誘った勧誘女も洗脳された者に当てはまる。洗脳し、薬をばら撒く。ウイルスを持った病原体と同じだ。
夢園のゲートを潜った者には居心地が良くなる場所を提供した。社会で挫折したOLには輝いていた高校時代を、夫を亡くした妻にはそれに似せた人形を、満たされない承認欲求にはコメントとハートを。
「洗脳にも限界がある。きっかけがあれば解けてしまうからだ」
そうなった場合、魂のプログラムを施す。そして、頃合いになったところでエネルギーとして分解される。
「清音はまだ分解されない」
語気を強めて言い切る。そして、これは憶測であり、確証を得た結論ではないと気付き、すぐさま、「おそらく」とつけ加えた。
清音の顔をを伺うと眉を垂らして泣きそうな目をしている。
「私は、これからどうなるの?」
それこそが清音が解消させたい不安だった。それはケイにもわからない。
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