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3章 死神が誘う遊園地
夢みる幸福 20
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光弥が瑠璃と別れた後、連れてこられたのは首の仕事場だった。
書斎部屋と小部屋が組み合わされていた。
書斎部屋は広く、光弥の背丈を越える本棚がいくつも並ぶ。小部屋には管のついた機械・PCと人を寝かせるだけの台座があった。マットレスや掛け布団もないので人を休ませるものではないのだろう。
部屋の奥に更に小さな部屋があった。興味本位で行ってみるとそこは鋼鉄の金庫室だった。黒光りする扉が光弥を映す。
「そちらには侵入禁止です」
振り返れば和装の少女がいた。音もなく現れた少女に光弥は内心驚いていた。
「えっと、翡翠?」
「私は翠玉です」
ピシャリと指摘された。この双子の塊人は見た目がそっくりで見分けがつかない。
「あそこには何があるんだ?黄金?」
「私に答える権限はありません」
翠玉は無機質で硬い声色で返す。そこら辺にいるキャストのように精度が低いわけではない。光弥に対して心理的な壁を作っている。
「もうすぐお父様が来ます。それまでお待ち下さい」
翠玉が告げると腕に抱えていた書類を書斎のデスクで纏めている。
「光弥はハザマ側の者なんですよね?」
会話を切り出したのは翠玉だった。
「光弥さんとしてはどちらにつくのですか?」
脈絡のない質問に戸惑う。翠玉は続ける。
「私から見た光弥はハザマの弥の命に動かず、瑠璃さんたちにも非協力的。それでいて自身の好奇心には忠実で、媚を売るように協力的になる」
「媚を売ったつもりはないけど」
的を得ているような翠玉の見解に歯切れの悪い否定をする。
現世での暮らしは自由に動き回れて楽しかった。色んな娯楽を知り、自由に歩き回れた。だからといって父親からの指示を蔑ろにもできずにいた。
「あまりきついことを言うな」
翠玉への対応に困っていたところに首がやってきた。救われた思いをしながら、翠玉から視線を逸らす。
首は光弥を横切り、翠玉から纏まった書類を受け取る。
「お父様、管理室の翡翠から報告です。夢園のシステムに不具合が発生。パレードとキャストが活動停止しました」
「そうか。翡翠はまだ管理室だな?」
「はい」
「管理室で原因の究明を優先するよう伝えてくれ」
翠玉が頷き、瞬きをする。
「翡翠から電令が届きました。承知とのとこです」
「ありがとう。私は光弥と話す。そこで待機しているように」
そう言うと首は光弥に向き直った。
「待たせたね」
「テレパシー?」
先ほどのやりとりから推測をたてる。答え合わせをしたくて首に問う。
「そうだ。あの双子の間だけ行われている」
当たった。嬉しくて、心の中でガッツポーズをとる。
「すごいな。どうやって作ったんだ?」
テレパシー、サイコパスといった超能力は机上の空論で実在はできていない。それの存在が確認できているのは白糸と白鋏だけである。
「君になら教えてあげてもいい。それよりも兄弟の話だ」
話が切り替わった途端、光弥の上がっていた口角が噤んだ。
光弥としては知りたいような知りたくないような話だ。
「親父が俺の他に息子を作っていたって話?法螺話じゃないの?」
乾いた唇を舐め、笑顔を取り繕う。
親父は感情に惑わされず、必要なものを取り入れ不必要なものを処分できる。光弥の上に3人の兄がいたとしても不必要だから処分されただけだ。それだけのことだと言い聞かせる。
書斎部屋と小部屋が組み合わされていた。
書斎部屋は広く、光弥の背丈を越える本棚がいくつも並ぶ。小部屋には管のついた機械・PCと人を寝かせるだけの台座があった。マットレスや掛け布団もないので人を休ませるものではないのだろう。
部屋の奥に更に小さな部屋があった。興味本位で行ってみるとそこは鋼鉄の金庫室だった。黒光りする扉が光弥を映す。
「そちらには侵入禁止です」
振り返れば和装の少女がいた。音もなく現れた少女に光弥は内心驚いていた。
「えっと、翡翠?」
「私は翠玉です」
ピシャリと指摘された。この双子の塊人は見た目がそっくりで見分けがつかない。
「あそこには何があるんだ?黄金?」
「私に答える権限はありません」
翠玉は無機質で硬い声色で返す。そこら辺にいるキャストのように精度が低いわけではない。光弥に対して心理的な壁を作っている。
「もうすぐお父様が来ます。それまでお待ち下さい」
翠玉が告げると腕に抱えていた書類を書斎のデスクで纏めている。
「光弥はハザマ側の者なんですよね?」
会話を切り出したのは翠玉だった。
「光弥さんとしてはどちらにつくのですか?」
脈絡のない質問に戸惑う。翠玉は続ける。
「私から見た光弥はハザマの弥の命に動かず、瑠璃さんたちにも非協力的。それでいて自身の好奇心には忠実で、媚を売るように協力的になる」
「媚を売ったつもりはないけど」
的を得ているような翠玉の見解に歯切れの悪い否定をする。
現世での暮らしは自由に動き回れて楽しかった。色んな娯楽を知り、自由に歩き回れた。だからといって父親からの指示を蔑ろにもできずにいた。
「あまりきついことを言うな」
翠玉への対応に困っていたところに首がやってきた。救われた思いをしながら、翠玉から視線を逸らす。
首は光弥を横切り、翠玉から纏まった書類を受け取る。
「お父様、管理室の翡翠から報告です。夢園のシステムに不具合が発生。パレードとキャストが活動停止しました」
「そうか。翡翠はまだ管理室だな?」
「はい」
「管理室で原因の究明を優先するよう伝えてくれ」
翠玉が頷き、瞬きをする。
「翡翠から電令が届きました。承知とのとこです」
「ありがとう。私は光弥と話す。そこで待機しているように」
そう言うと首は光弥に向き直った。
「待たせたね」
「テレパシー?」
先ほどのやりとりから推測をたてる。答え合わせをしたくて首に問う。
「そうだ。あの双子の間だけ行われている」
当たった。嬉しくて、心の中でガッツポーズをとる。
「すごいな。どうやって作ったんだ?」
テレパシー、サイコパスといった超能力は机上の空論で実在はできていない。それの存在が確認できているのは白糸と白鋏だけである。
「君になら教えてあげてもいい。それよりも兄弟の話だ」
話が切り替わった途端、光弥の上がっていた口角が噤んだ。
光弥としては知りたいような知りたくないような話だ。
「親父が俺の他に息子を作っていたって話?法螺話じゃないの?」
乾いた唇を舐め、笑顔を取り繕う。
親父は感情に惑わされず、必要なものを取り入れ不必要なものを処分できる。光弥の上に3人の兄がいたとしても不必要だから処分されただけだ。それだけのことだと言い聞かせる。
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