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3章 死神が誘う遊園地
十如十廻之白御魂 2
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ケイはエントランスを走り抜けるとホテル前に居座るバグに向かう。
バグは2人の人間を大きな歯で砕き、人の血と肉と骨が口内の唾液によって一つになっていく。口を閉じて食べないものだから赤く汚れている。
食べ方も汚く、食欲旺盛だ。バグは片手の棍棒を振り回し、次の追い込み漁に行こうとした鬼を潰す。棍棒と地面にへばりついた血肉を指で拭う。
あの鬼どもは次々に餌を連れてくるだろう。5mの怪物が相手では人を守る戦いはできない。そこまで余裕はない。
玄関を通り過ぎ、刀を構えて踏み切った。
バグはこちらに背を向けている。狙うのは項だ。空中で刀を振りかぶる。
突然バグが振り返り、くりくりとした可愛い瞳と目が合う。直後、棍棒がケイを襲う。
棍棒と腕力によって弾かれた、地面に転がった。
体勢を直す。バグがこちらに意識を向けたのは一瞬で、すぐに逸らした。奴は食欲を優先するらしい。バグな目先には鬼から逃げる人間がいた。ピンクの手で人間を掴む。
ケイは駆け出し、人間が口に運ばれる前に腕に飛び乗る。
人差し指と中指を切断する。魔の手から落ちた人間は痛みに悶え地面に転がる。バグに掴まれた時、両腕と助骨が砕かれたらしい。
ケイは腕を伝い、肩まで登りきると首を突いて貫通させる。指を切断されても喉を貫いてもバグは止まらず、怯みもしかった。
棍棒を持った手で自身の頭ごと潰そうと振り下ろす。ケイは刀を引き抜き、バグの足元に着地する。
降り下された動作に今更キャンセルはできない。棍棒はバグの頭を潰した。
ケイは悶える人間を抱えてバグから距離を置き、様子を伺う。膝から崩れ落ちないかと期待していたが、仁王立ちになったまま動かない。
手汗が滲む。そのまま終わってくれと祈っているとバグの口から耳を劈く雄叫びが響いた。
そして、頭のない胴体が身を屈めると俊敏な動作で跳ねる。バグの足がこちらを踏みつけようと落ちてきた。
巨体がジャンプして着地すると大きな振動が管理室まで伝わり、私は身を竦める。
「苦戦中?」
パネルから目を外せない光弥が聞いてくる。
「ケイが死んだかも」
「塊人の場合は消滅って表現するんだよ」
言い間違いの修正なんてどうでもいい。私はケイの安否を知りたい。
モニターは土埃が舞っていてケイの様子を映してくれない。
「まあ、ケイが消滅してもこっちには来ないよ」
パネルを高速で打つ光弥はのんびりとした口調であった。彼の無神経さが私を逆撫でさせる。
だけど、怒鳴る余裕もない。両手を握り、ケイの無事をひたすら願う。
「よっし!できた!この短時間で!やっぱ俺すごい!」
苦戦の末、勝負が決まったように光弥は両手の拳を高く突き上げ、立ち上がった。
「よかったな、帰れるぞ」
そう言って私に見せたのはPC画面。写っていたのはパーセンテージの表示と「現世情報帰還中」という今一、理解し難い文字。
「帰れるって、今?ケイは?」
「一先ずは現世の魂だけだ。瑠璃以外のな」
「私だけ?こんな時に?」
「喜べよ。助かるんだから」
「できるわけないじゃない!」
ケイやカンダタさん、他の人たちを置いて私だけ帰るだなんて。それで喜べたなんて。
泣き叫びそうになった。
「そんなこと言ってもな。 ほら、消えかけてる」
光弥は私の足元に目を落とす。私も下を向くと自分の両足が半透明なっていた。
「何これ!」
「だから、帰還中なんだって」
めんどくさいなと光弥は一言で説明を終わらせる。
バグは2人の人間を大きな歯で砕き、人の血と肉と骨が口内の唾液によって一つになっていく。口を閉じて食べないものだから赤く汚れている。
食べ方も汚く、食欲旺盛だ。バグは片手の棍棒を振り回し、次の追い込み漁に行こうとした鬼を潰す。棍棒と地面にへばりついた血肉を指で拭う。
あの鬼どもは次々に餌を連れてくるだろう。5mの怪物が相手では人を守る戦いはできない。そこまで余裕はない。
玄関を通り過ぎ、刀を構えて踏み切った。
バグはこちらに背を向けている。狙うのは項だ。空中で刀を振りかぶる。
突然バグが振り返り、くりくりとした可愛い瞳と目が合う。直後、棍棒がケイを襲う。
棍棒と腕力によって弾かれた、地面に転がった。
体勢を直す。バグがこちらに意識を向けたのは一瞬で、すぐに逸らした。奴は食欲を優先するらしい。バグな目先には鬼から逃げる人間がいた。ピンクの手で人間を掴む。
ケイは駆け出し、人間が口に運ばれる前に腕に飛び乗る。
人差し指と中指を切断する。魔の手から落ちた人間は痛みに悶え地面に転がる。バグに掴まれた時、両腕と助骨が砕かれたらしい。
ケイは腕を伝い、肩まで登りきると首を突いて貫通させる。指を切断されても喉を貫いてもバグは止まらず、怯みもしかった。
棍棒を持った手で自身の頭ごと潰そうと振り下ろす。ケイは刀を引き抜き、バグの足元に着地する。
降り下された動作に今更キャンセルはできない。棍棒はバグの頭を潰した。
ケイは悶える人間を抱えてバグから距離を置き、様子を伺う。膝から崩れ落ちないかと期待していたが、仁王立ちになったまま動かない。
手汗が滲む。そのまま終わってくれと祈っているとバグの口から耳を劈く雄叫びが響いた。
そして、頭のない胴体が身を屈めると俊敏な動作で跳ねる。バグの足がこちらを踏みつけようと落ちてきた。
巨体がジャンプして着地すると大きな振動が管理室まで伝わり、私は身を竦める。
「苦戦中?」
パネルから目を外せない光弥が聞いてくる。
「ケイが死んだかも」
「塊人の場合は消滅って表現するんだよ」
言い間違いの修正なんてどうでもいい。私はケイの安否を知りたい。
モニターは土埃が舞っていてケイの様子を映してくれない。
「まあ、ケイが消滅してもこっちには来ないよ」
パネルを高速で打つ光弥はのんびりとした口調であった。彼の無神経さが私を逆撫でさせる。
だけど、怒鳴る余裕もない。両手を握り、ケイの無事をひたすら願う。
「よっし!できた!この短時間で!やっぱ俺すごい!」
苦戦の末、勝負が決まったように光弥は両手の拳を高く突き上げ、立ち上がった。
「よかったな、帰れるぞ」
そう言って私に見せたのはPC画面。写っていたのはパーセンテージの表示と「現世情報帰還中」という今一、理解し難い文字。
「帰れるって、今?ケイは?」
「一先ずは現世の魂だけだ。瑠璃以外のな」
「私だけ?こんな時に?」
「喜べよ。助かるんだから」
「できるわけないじゃない!」
ケイやカンダタさん、他の人たちを置いて私だけ帰るだなんて。それで喜べたなんて。
泣き叫びそうになった。
「そんなこと言ってもな。 ほら、消えかけてる」
光弥は私の足元に目を落とす。私も下を向くと自分の両足が半透明なっていた。
「何これ!」
「だから、帰還中なんだって」
めんどくさいなと光弥は一言で説明を終わらせる。
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