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3章 死神が誘う遊園地
十如十廻之白御魂 12
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一連の流れを傍観していた光弥はPCから手を離し、後退さる。このまま留まっているとケイに斬り捨てられそうだ。
「続けろ」
昌次郎が冷徹な一言を発する。光弥は昌次郎に対する忠義を持ち合わせてはいない。しかし、彼の手に持て余す十手がその場に留まらせた。あの十手が核爆弾に見えるのだ。
諦めて手をキーボードに戻す。平気だ。ケイは負傷していて鬼は残り3体。昌次郎は瑠璃のプログラムを優先させるつもりなので光弥たちに手を出させないはずだ。
平気だともう一度言い聞かせる。穴の空いたケイの黒い顔がこちらを睨んでいるようで手が震える。
2体の鬼がケイに向かう。残り1体は光弥のもと、と言うよりは瑠璃のもとに置いた。鬼はケイをターゲットにしている。
鬼がケイに集中しているうちに光弥が隠したノートパソコンを奪えればいい。 寝台の下に隠すところを清音は見ていた。なんの為にあるのかわからない。けど、光弥にとっては暴かれら不味いものだろう。
清音は寝台に手を伸ばそうとする。その前に瑠璃の護衛として待機していた鬼が阻み、あっさりと鬼の手に捕まる。
ケイは2体の鬼に対応しており、私のもとに行けそうにない。
「全く困ったものだ」
昌次郎が困惑して呟く。
「俺としては賑やかでいいと思うよ」
対して光弥は軽口を叩いているくらいには余裕があった。隠されたノートパソコンには一切触れず、事態が収束しそうになったからだ。
「やっぱりさ、その猫処分した方がいいんじゃない?」
寧ろ、なぜここまで生かしているの不思議だと光弥は内心呟いた。
「やはり、そう思うか。しかしなぁ」
昌次郎は考え込む。なにかを迷っているらしいが、しばらくすると長考も面倒だと結論づける。
「その猫を外に放り出せ。バグの餌にしてしまえ。蝶男の計画など知ったことか」
昌次郎の命令に鬼は従う。その時にはもう鬼は残り1体と数を減らし、ケイもまた満身創痍といった風貌であった。
清音がケイの名を叫ぶ間もなく、1体の鬼はボロボロのケイを咥えて天井穴から外に出る。
地下から外に出た鬼はケイを放り投げる。バグは口を開けて餌が落ちるのを待った。
ケイが想起させていたのは雨の日のゴミ捨て置き場。怪我を負うのは珍しくない。眠っていれば傷はなくなる。ただ、冷たい雨の中、腕に抱かれたのは初めてだった。腕の中で揺れる温度が心地よかった。
清音のところに戻らなければ。
眠りの底に落ちかけていた意識は一気に覚醒する。
ゴミ捨て置き場の記憶が蘇ると刀を握る力が強まった。
伸びてくる舌がケイを絡め取ろうとしている。宙で身体を回転させる。円を描いた刀の閃光が舌を両断した。野太く生々しいものが崩れ、ケイはその上に足をつく。
バグは痛がるように悶え、怒りに満ちたと声をあげる。感情のままに腕を振り回してはその動きに合わせて翻す。
戻らなければと焦る一方でケイの視界にはもう1体のバグに目がいっていた。
追い込み漁はまだ続いていた。今まさに3人が舌に巻かれている。清音の元に急がないと。だが、それは彼らを見捨てる理由に足りるのだろうか。
両腕あったとしてもこの有様なのだ。あれも助けこれも助けとはいかない。ケイの身体は1つしかない。
「続けろ」
昌次郎が冷徹な一言を発する。光弥は昌次郎に対する忠義を持ち合わせてはいない。しかし、彼の手に持て余す十手がその場に留まらせた。あの十手が核爆弾に見えるのだ。
諦めて手をキーボードに戻す。平気だ。ケイは負傷していて鬼は残り3体。昌次郎は瑠璃のプログラムを優先させるつもりなので光弥たちに手を出させないはずだ。
平気だともう一度言い聞かせる。穴の空いたケイの黒い顔がこちらを睨んでいるようで手が震える。
2体の鬼がケイに向かう。残り1体は光弥のもと、と言うよりは瑠璃のもとに置いた。鬼はケイをターゲットにしている。
鬼がケイに集中しているうちに光弥が隠したノートパソコンを奪えればいい。 寝台の下に隠すところを清音は見ていた。なんの為にあるのかわからない。けど、光弥にとっては暴かれら不味いものだろう。
清音は寝台に手を伸ばそうとする。その前に瑠璃の護衛として待機していた鬼が阻み、あっさりと鬼の手に捕まる。
ケイは2体の鬼に対応しており、私のもとに行けそうにない。
「全く困ったものだ」
昌次郎が困惑して呟く。
「俺としては賑やかでいいと思うよ」
対して光弥は軽口を叩いているくらいには余裕があった。隠されたノートパソコンには一切触れず、事態が収束しそうになったからだ。
「やっぱりさ、その猫処分した方がいいんじゃない?」
寧ろ、なぜここまで生かしているの不思議だと光弥は内心呟いた。
「やはり、そう思うか。しかしなぁ」
昌次郎は考え込む。なにかを迷っているらしいが、しばらくすると長考も面倒だと結論づける。
「その猫を外に放り出せ。バグの餌にしてしまえ。蝶男の計画など知ったことか」
昌次郎の命令に鬼は従う。その時にはもう鬼は残り1体と数を減らし、ケイもまた満身創痍といった風貌であった。
清音がケイの名を叫ぶ間もなく、1体の鬼はボロボロのケイを咥えて天井穴から外に出る。
地下から外に出た鬼はケイを放り投げる。バグは口を開けて餌が落ちるのを待った。
ケイが想起させていたのは雨の日のゴミ捨て置き場。怪我を負うのは珍しくない。眠っていれば傷はなくなる。ただ、冷たい雨の中、腕に抱かれたのは初めてだった。腕の中で揺れる温度が心地よかった。
清音のところに戻らなければ。
眠りの底に落ちかけていた意識は一気に覚醒する。
ゴミ捨て置き場の記憶が蘇ると刀を握る力が強まった。
伸びてくる舌がケイを絡め取ろうとしている。宙で身体を回転させる。円を描いた刀の閃光が舌を両断した。野太く生々しいものが崩れ、ケイはその上に足をつく。
バグは痛がるように悶え、怒りに満ちたと声をあげる。感情のままに腕を振り回してはその動きに合わせて翻す。
戻らなければと焦る一方でケイの視界にはもう1体のバグに目がいっていた。
追い込み漁はまだ続いていた。今まさに3人が舌に巻かれている。清音の元に急がないと。だが、それは彼らを見捨てる理由に足りるのだろうか。
両腕あったとしてもこの有様なのだ。あれも助けこれも助けとはいかない。ケイの身体は1つしかない。
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