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4章 闇底で交わす小指
狂う計画 4
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余計な荷物が増えたところで、こちら側に赴く準備をする。
といっても準備は簡単なものだった。
光弥の指示に従い、リビングのカーテンを締め切って、テーブルを隅に移動させる。
「これだけでいいの?」
「充分だよ」
テーブルがあった場所にあたしたちは輪を作って座る。光弥が持ってきた箱から線香と香炉を出す。
香炉を輪の中心に置き、ライターで線香を灯すと香炉に刺す。新しく線香を出すと一人一本ずつ配った。
「これを食べるんだ」
配り終えた後に言った。
「線香を食べるの?」
質問を投げたのは清音で、彼女は配られた線香を怪しげに見つめる。
光弥の説明だと、この線香は香食という名で、現世からあちら側へと移動するにはこれを食べる必要があるらしい。
「食べれないならそれでもいいわよ」
線香を食べるのには抵抗がある。
そんな清音を尻目にかけて、あたしは配られた香食を噛む。
その食感を例えるならプリッツやポッキーなどの焼き菓子。線香特有の香りがして、土の味がする。美味しくない。
顰めつつもポリポリと香食を食べていく。ケイ、光弥があたしに続いて抵抗があった清音も倣って香食を口に運ぶ。
カンダタはあたしの後ろでそれらの様子を見守っていた。
あたしとカンダタは白糸で繋がっているから香食を食べなくても必要ないらしい。
輪の中心に置いた香炉から香りが立ち、それはあたしたちを眠へと誘う。
「心の準備はいいか?」
引き返すなら今のうちだとカンダタが確認をとる。あたしは確認するまでもないと強く頷く。
緊張はいない。あたしに寄り添うハクが心強い。
眠りに誘われて、あたしは静かに目を閉じた。
正座をして瞑っていたのに、目蓋を開けると横たわっていた。
しかも床が固い。長時間、眠っていたわけでもないのに身体が痛なっている。
あたしはうつ伏せになっていた身体を起こした。
薄暗い部屋だった。灯りは壁に設置されている燭台だけ。
「目が覚めたか?」
見上げるとカンダタがこちらを見下げている。
「どのくらい寝てた?」
「そんなに経っていない」
見渡せば同じようにうつ伏せで寝ている清音が起きるところだった。
ケイは猫から人の姿へと変わっている。光弥は部屋のドアに駆け寄って聞き耳をたていた。
「様子がおかしい」
「何が?」
「静かすぎる」
光弥の言う変異は気になる。けれど、あたしは計画を実行させる。
「まずは父親を呼び出すわよ」
不安な面持ちになりながらも光弥はドアノブを回す。
あたしたちは一歩退がった。
ドアが開かれると目が痛くなるほどの白い光が薄暗い部屋に差した。
「ギャアッギャアッ」
隣のハクが光に向かって吠える。
光を見据えても、影になった光弥しか認識できない。光弥が両手を上げた。
そのポーズのまま後ろに退がる。
光の中から別の影が現れ、鈍色の刃が光に反射した。その切っ先は光弥に向けられ、無言の圧をかけてくる。
影は2人と増えて、帯刀した塊人があたしたちに刃を向ける。
「あたしたちがハザマに訪れるのを知っていたみたいね」
あたしは冷静に言った。呑気そうに見えるだろうけれど、これでも焦っている。
あたしたちの計画は一歩目から狂ったのだから。
光の中からもう一人、塊人が現れた。背に黒い翼を生やした女性。天鳥だ。
「捕らえなさい」
天鳥が冷徹に命令し、あたしたちはなす術もなく、牢に閉じ込められた。
といっても準備は簡単なものだった。
光弥の指示に従い、リビングのカーテンを締め切って、テーブルを隅に移動させる。
「これだけでいいの?」
「充分だよ」
テーブルがあった場所にあたしたちは輪を作って座る。光弥が持ってきた箱から線香と香炉を出す。
香炉を輪の中心に置き、ライターで線香を灯すと香炉に刺す。新しく線香を出すと一人一本ずつ配った。
「これを食べるんだ」
配り終えた後に言った。
「線香を食べるの?」
質問を投げたのは清音で、彼女は配られた線香を怪しげに見つめる。
光弥の説明だと、この線香は香食という名で、現世からあちら側へと移動するにはこれを食べる必要があるらしい。
「食べれないならそれでもいいわよ」
線香を食べるのには抵抗がある。
そんな清音を尻目にかけて、あたしは配られた香食を噛む。
その食感を例えるならプリッツやポッキーなどの焼き菓子。線香特有の香りがして、土の味がする。美味しくない。
顰めつつもポリポリと香食を食べていく。ケイ、光弥があたしに続いて抵抗があった清音も倣って香食を口に運ぶ。
カンダタはあたしの後ろでそれらの様子を見守っていた。
あたしとカンダタは白糸で繋がっているから香食を食べなくても必要ないらしい。
輪の中心に置いた香炉から香りが立ち、それはあたしたちを眠へと誘う。
「心の準備はいいか?」
引き返すなら今のうちだとカンダタが確認をとる。あたしは確認するまでもないと強く頷く。
緊張はいない。あたしに寄り添うハクが心強い。
眠りに誘われて、あたしは静かに目を閉じた。
正座をして瞑っていたのに、目蓋を開けると横たわっていた。
しかも床が固い。長時間、眠っていたわけでもないのに身体が痛なっている。
あたしはうつ伏せになっていた身体を起こした。
薄暗い部屋だった。灯りは壁に設置されている燭台だけ。
「目が覚めたか?」
見上げるとカンダタがこちらを見下げている。
「どのくらい寝てた?」
「そんなに経っていない」
見渡せば同じようにうつ伏せで寝ている清音が起きるところだった。
ケイは猫から人の姿へと変わっている。光弥は部屋のドアに駆け寄って聞き耳をたていた。
「様子がおかしい」
「何が?」
「静かすぎる」
光弥の言う変異は気になる。けれど、あたしは計画を実行させる。
「まずは父親を呼び出すわよ」
不安な面持ちになりながらも光弥はドアノブを回す。
あたしたちは一歩退がった。
ドアが開かれると目が痛くなるほどの白い光が薄暗い部屋に差した。
「ギャアッギャアッ」
隣のハクが光に向かって吠える。
光を見据えても、影になった光弥しか認識できない。光弥が両手を上げた。
そのポーズのまま後ろに退がる。
光の中から別の影が現れ、鈍色の刃が光に反射した。その切っ先は光弥に向けられ、無言の圧をかけてくる。
影は2人と増えて、帯刀した塊人があたしたちに刃を向ける。
「あたしたちがハザマに訪れるのを知っていたみたいね」
あたしは冷静に言った。呑気そうに見えるだろうけれど、これでも焦っている。
あたしたちの計画は一歩目から狂ったのだから。
光の中からもう一人、塊人が現れた。背に黒い翼を生やした女性。天鳥だ。
「捕らえなさい」
天鳥が冷徹に命令し、あたしたちはなす術もなく、牢に閉じ込められた。
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