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7章 赤い珠が映す空想未来
恋する鬼 7
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昼は彼の横で眠れたものの夜のほうが眠れなくなった。
夜になると体調が変化してまた悪夢の中にいるようだった。
汗の雫を拭いてあげると頬がぴくりと動いた。なんとなく、その寝顔が可愛いと思えてしまう。
熱も上がって汗の量も増えた。冷たい水が必要だった。
たらいのぬるくなった水を交換しようと立ち上がると彼が布団から手を伸ばして私の手を掴んだ。
目蓋の合間からうっすらと赤い瞳が見えていたが、私を見ていないみたいだった。
「ひとりにしないで」
息苦しそうに呟いた。
私を母親だと勘違いしているようだった。
彼はまだ夢の中だ。発言は否定せず諭すように話す。
「水を交換しに行くだけだからすぐに戻るわ。安心して」
彼は納得できず、嫌だと首を振った。掴む手は強くなって緩めようとしない。
「いつも」
乾いた唇から息苦しそうな言葉で私に言う。声があまりにも小さいから口元まで耳を寄せて、一音も逃さないと耳を澄ませる。
「いつも、みたいに抱きしめて」
昨晩までの記憶が残っているのか、私は嬉しくなった。
「仕方ないわね」
そう言ってもまんざらではなく、昨晩と同じように彼を抱きしめた。
外では雨が降っている。昼間から続いている雨だ。吐息は二つ、雨音は大きい。静寂のような音が静かに流れる。
なのに静寂を否定するような音が鳴る。彼からの心音だ。身体を密着させているからよく聞こえる。
この音が好きだと理由もなくそう思った。
悪夢にうなされていた彼もいつの間にか安らかに眠った。
この音が好きだと理由もなくそう思った。
悪夢にうなされていた彼もいつの間にか安らかに眠った。
朝になると雨も収まり、厚い曇天はどこかへ消えて日差しが草についた雨玉をきらきらと照らした。
まだ眠っている彼の為に食事の準備をしようと台所に立った。
ひと通り終えてから自身の身だしなみを思い出して、着替えをする。
彼の代わりの服も必要になる。この三日間、少しずつ彼の黒衣を直していた。刀傷も治ってきたしそろそろ着させてもいいかもしれない。
黒衣を持ち、寝ている彼の元へと戻った。
囲炉裏の彼は起きていた。上半身を敷布団から起き上がらせて戸惑う赤い瞳と目があった。
「やっと起きたのね」
彼が起きている。悪夢にうなされていない。現実をしっかり認識している。私を見ている。
満開の笑みが私の顔に広がった。
迷子のように戸惑う彼の目線が私の手元に映った。私が持っているのが気になるようだった。
「汚れてたから直したのよ」
そう言いながら彼の傍まで近寄っていくとなぜか彼は床に尻をつけたまま後退して、火が消えた囲炉裏に落ちてしまった。
夜になると体調が変化してまた悪夢の中にいるようだった。
汗の雫を拭いてあげると頬がぴくりと動いた。なんとなく、その寝顔が可愛いと思えてしまう。
熱も上がって汗の量も増えた。冷たい水が必要だった。
たらいのぬるくなった水を交換しようと立ち上がると彼が布団から手を伸ばして私の手を掴んだ。
目蓋の合間からうっすらと赤い瞳が見えていたが、私を見ていないみたいだった。
「ひとりにしないで」
息苦しそうに呟いた。
私を母親だと勘違いしているようだった。
彼はまだ夢の中だ。発言は否定せず諭すように話す。
「水を交換しに行くだけだからすぐに戻るわ。安心して」
彼は納得できず、嫌だと首を振った。掴む手は強くなって緩めようとしない。
「いつも」
乾いた唇から息苦しそうな言葉で私に言う。声があまりにも小さいから口元まで耳を寄せて、一音も逃さないと耳を澄ませる。
「いつも、みたいに抱きしめて」
昨晩までの記憶が残っているのか、私は嬉しくなった。
「仕方ないわね」
そう言ってもまんざらではなく、昨晩と同じように彼を抱きしめた。
外では雨が降っている。昼間から続いている雨だ。吐息は二つ、雨音は大きい。静寂のような音が静かに流れる。
なのに静寂を否定するような音が鳴る。彼からの心音だ。身体を密着させているからよく聞こえる。
この音が好きだと理由もなくそう思った。
悪夢にうなされていた彼もいつの間にか安らかに眠った。
この音が好きだと理由もなくそう思った。
悪夢にうなされていた彼もいつの間にか安らかに眠った。
朝になると雨も収まり、厚い曇天はどこかへ消えて日差しが草についた雨玉をきらきらと照らした。
まだ眠っている彼の為に食事の準備をしようと台所に立った。
ひと通り終えてから自身の身だしなみを思い出して、着替えをする。
彼の代わりの服も必要になる。この三日間、少しずつ彼の黒衣を直していた。刀傷も治ってきたしそろそろ着させてもいいかもしれない。
黒衣を持ち、寝ている彼の元へと戻った。
囲炉裏の彼は起きていた。上半身を敷布団から起き上がらせて戸惑う赤い瞳と目があった。
「やっと起きたのね」
彼が起きている。悪夢にうなされていない。現実をしっかり認識している。私を見ている。
満開の笑みが私の顔に広がった。
迷子のように戸惑う彼の目線が私の手元に映った。私が持っているのが気になるようだった。
「汚れてたから直したのよ」
そう言いながら彼の傍まで近寄っていくとなぜか彼は床に尻をつけたまま後退して、火が消えた囲炉裏に落ちてしまった。
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