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7章 赤い珠が映す空想未来
恋する鬼 9
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一人で歩けるようになるまでの間、看病の片手間に髪結いを作っていた。
食事する時邪魔そうだし、何か贈ってあげれば喜ぶと考えた。
色は当たり前のように赤を選んだ。私の好きな色でもあるし、白蓮の瞳の色でもある。
熱を出さなくなって刀傷も完全に塞がると彼は自由に動けるようになった。
木に登ったり、屋根の上に立ったり、彼なら完全に塀を超えられそうだ。
私が作った髪結いをあげると照れながらもつけてくれた。それからも外す事はなかったから気に入ってくれたのだと思う。
感じていた壁はいつの間にかなくなっていた。白蓮はいつでも塀を超えられるのに私のもとに居続けて、私もそれを許してしまった。
人と会話するのが楽しくて、傍にいられるのが嬉しくて、白蓮の瞳に私が映ると満たされた。
私のお願いは大抵叶えてくれた。文句を言いながらも床磨きをしてくれたし、井戸から水を運んでくれた。
本格的な冬が訪れると冷たくなった私の手に気づいて両手で包んでくれた。雪が降る夜は囲炉裏の前で身を寄せあって寒さを凌いだ。
私が誰かの体温を分けてもらうのも身を寄せたのも初めてで、いつもは揶揄う側の私が彼に揶揄われた。
拗ねると「ごめん」と笑いながら火傷してしまいそうな熱を分けた。
春が近づくと体温を分けてもらう口実がなくなって寂しくなった。
ぽかぽかの日差しで縁側に腰掛ける白蓮を見てたらあることを思いついてお願いしてみた。
白蓮は照れながら了承してくれたから堂々と彼の膝の上に自分の頭を乗せた。
春の日差しと安心できる白蓮の匂いを近くに感じられて深く満たされて息を吐いた。
「膝の上が好きなのか」
あまりにも私が幸せそうな顔しているから白連が話しかけてきた。
「兄がよく乗せてくれたの。頭を撫でてくれたの嬉しかったな」
懐かしい記憶を思い浮かべていた。白蓮はあげかけた手を途中で下ろして「そうか」とぶっきらぼうに言った。
その挙動が不機嫌のように見えて、私は不思議になった。
「なんか怒ってる。降りたほうがいいかな」
「駄目」
珍しく強制させる発言に戸惑いつつもこの状態は私が望んだものなのでその場でじっと白蓮を見つめた。
「はく、はくはく、はあく」
何度も呼びかければ機嫌の悪い気分も消えるかもしれない。白蓮は私にあだ名で呼ばれると嬉しくなるのを知っている。
「揶揄うな」
不機嫌を装っても耳が赤くなっているからまんざらでもないようだ。
「なんで怒ってるの」
少しは機嫌が直っても正直に話せば負けだと思っているのか白蓮は目を泳がせたまま黙る。
「もしかして、はくも膝枕してほしいの」
「はぁっ」
白蓮の反応が図星でもそうじゃなくてもどちらでもよかった。思いつくとそれでも良いと楽しくなって、起き上がると自身の膝の上をぽんぽんと叩いて白蓮を誘う。
ほんのりと赤くなっていた白蓮の顔が更に赤くなって期待で満ちる私をまじまじと見つめた。
「早く」
いつまでも止まっているからじれったくて急かすと恥ずかしながらも私の膝に頭を預けた。
白蓮は誰かの膝の上で寝たことがないみたいだ。
初めてだから緊張して、強張っている。でも居心地が悪いわけではなさそう。
緊張して赤くなる白蓮の横顔が嬉しくなって、つい頭を撫でた。
白蓮は私を睨んで、赤い目線は揶揄うなと言っている。
顔を赤くして睨むのは照れ隠しだというのも私は知っている。私が知っている一面が見れるのは嬉しい。
さらり、と春の風が流れて塀の外で小鳥が鳴いている。
白蓮は春の居心地の良さに眠ってしまい、私は構わずに頭を撫で続けた。
食事する時邪魔そうだし、何か贈ってあげれば喜ぶと考えた。
色は当たり前のように赤を選んだ。私の好きな色でもあるし、白蓮の瞳の色でもある。
熱を出さなくなって刀傷も完全に塞がると彼は自由に動けるようになった。
木に登ったり、屋根の上に立ったり、彼なら完全に塀を超えられそうだ。
私が作った髪結いをあげると照れながらもつけてくれた。それからも外す事はなかったから気に入ってくれたのだと思う。
感じていた壁はいつの間にかなくなっていた。白蓮はいつでも塀を超えられるのに私のもとに居続けて、私もそれを許してしまった。
人と会話するのが楽しくて、傍にいられるのが嬉しくて、白蓮の瞳に私が映ると満たされた。
私のお願いは大抵叶えてくれた。文句を言いながらも床磨きをしてくれたし、井戸から水を運んでくれた。
本格的な冬が訪れると冷たくなった私の手に気づいて両手で包んでくれた。雪が降る夜は囲炉裏の前で身を寄せあって寒さを凌いだ。
私が誰かの体温を分けてもらうのも身を寄せたのも初めてで、いつもは揶揄う側の私が彼に揶揄われた。
拗ねると「ごめん」と笑いながら火傷してしまいそうな熱を分けた。
春が近づくと体温を分けてもらう口実がなくなって寂しくなった。
ぽかぽかの日差しで縁側に腰掛ける白蓮を見てたらあることを思いついてお願いしてみた。
白蓮は照れながら了承してくれたから堂々と彼の膝の上に自分の頭を乗せた。
春の日差しと安心できる白蓮の匂いを近くに感じられて深く満たされて息を吐いた。
「膝の上が好きなのか」
あまりにも私が幸せそうな顔しているから白連が話しかけてきた。
「兄がよく乗せてくれたの。頭を撫でてくれたの嬉しかったな」
懐かしい記憶を思い浮かべていた。白蓮はあげかけた手を途中で下ろして「そうか」とぶっきらぼうに言った。
その挙動が不機嫌のように見えて、私は不思議になった。
「なんか怒ってる。降りたほうがいいかな」
「駄目」
珍しく強制させる発言に戸惑いつつもこの状態は私が望んだものなのでその場でじっと白蓮を見つめた。
「はく、はくはく、はあく」
何度も呼びかければ機嫌の悪い気分も消えるかもしれない。白蓮は私にあだ名で呼ばれると嬉しくなるのを知っている。
「揶揄うな」
不機嫌を装っても耳が赤くなっているからまんざらでもないようだ。
「なんで怒ってるの」
少しは機嫌が直っても正直に話せば負けだと思っているのか白蓮は目を泳がせたまま黙る。
「もしかして、はくも膝枕してほしいの」
「はぁっ」
白蓮の反応が図星でもそうじゃなくてもどちらでもよかった。思いつくとそれでも良いと楽しくなって、起き上がると自身の膝の上をぽんぽんと叩いて白蓮を誘う。
ほんのりと赤くなっていた白蓮の顔が更に赤くなって期待で満ちる私をまじまじと見つめた。
「早く」
いつまでも止まっているからじれったくて急かすと恥ずかしながらも私の膝に頭を預けた。
白蓮は誰かの膝の上で寝たことがないみたいだ。
初めてだから緊張して、強張っている。でも居心地が悪いわけではなさそう。
緊張して赤くなる白蓮の横顔が嬉しくなって、つい頭を撫でた。
白蓮は私を睨んで、赤い目線は揶揄うなと言っている。
顔を赤くして睨むのは照れ隠しだというのも私は知っている。私が知っている一面が見れるのは嬉しい。
さらり、と春の風が流れて塀の外で小鳥が鳴いている。
白蓮は春の居心地の良さに眠ってしまい、私は構わずに頭を撫で続けた。
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