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7章 赤い珠が映す空想未来
赤い珠玉について 8
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しばらくうんうんと捻り、その後に影弥の家を見上げた。
「考えはまとまったかい」
推理を終えるまで待っていた影弥が問いかける。
「怖い噂を集めてみよう!」
その提案は意外だったようで目を丸くさせた。
「彼の住処はどこか考えたはずでは」
「だからさ」
そう言っているが、全ては紅玉の頭の中の考え事なので影弥にとっては突飛でしかなかった。
「人前にでない、人の目に映らないってことは人がいないところに住んでるってことでしょ。だったら人は住めそうだけど人が寄りつかなそうなところがあるんだよ」
「なるほど」
そう言いつつも紅玉の推理の結果を影弥が本当に理解しているとは思っていない。知識として頭に入れただけだ。
「それで人が寄り付かないのは怖い話があるからだよ。今度はそれを集めて」
胸が高鳴り、話しているうちに笑みが漏れた。
つい喜んでしまうのはやっと掴んだ妹の手掛かりであるからだ。
それと同時に未知の土地に足を踏み入れる恐怖にも近かった。
今度の噂集めは紅玉も手伝った。できるのは幽体を生かした盗み聞きである。
影弥が話のきっかけを作り、去った後に紅玉が赤の他人には話せないような話題をこっそり聞く。情報が得られる場合もあるが得られないことが多い。
そんな少ない話し合いで皆が口揃えて言ったのは「人喰い塀」だった。
人喰い塀にはいろんな噂があった。
金品宝珠が山ほどある。宝珠が無限に湧く泉がある。
鬼がいる。妖がいる。男女かかわらず誘惑し魅了する妖女がいる。いやあれは天女だと否定する者もいた。
人食い塀の近くには狩りで生計を立てる村があったが、ある日忽然と人がいなくなった。誰一人、村だけを残して消えたそうだ。
財宝を求めて塀に入る者もいた。帰ってきたものはいない。
ならばそこは本当に人を食う塀なのだ。入らずとも関わるものは皆食われる。
近づくな関わるな口を閉じろ。
話題に出すと皆そう言ってって口を閉ざした。
噂を広め、人を惹きつけ遠ざけるやり口を影弥は知っている。
草木を掻き分けて人が通らなくなった道を辿る。道中、廃村があった。
紅玉は熊の仕業ではないかと考えた。村人が消えたのは冬。冬籠りできなかった熊が凶暴になって人前に現れるのはよくある話だ。
しかし、それは影弥が否定した。
「もしかしてその熊が妹かもしれないの?」
妹がいるのは嬉しい。それは素直に喜ぶべきものだ。だが、鬼となって人を襲っているならどう受け止めていいかわからくなる。
「まずは噂の塀を見つけよう」
人も寄り付かなくなった森林の中心に人食い塀があった。
木々と草と蔓に囲まれ、遠くから小さくみえる塀を紅玉たちは捉えた。
あそこに妹がいる。
強く確信したのは胎内で感じた妹の温もりが遠い塀から感じたからだ。
思い出の中の温もりと影の中の温もりが重なり、おかしなことに紅玉は倒れた。
死んだ後では体調が悪くなることもない。風邪も怪我も知らない幽体は目眩もしなければ気絶もしない。
なのに意識はぷっつりと切れた。
その直前に起きたのは記憶した覚えのない記憶が流れた。いやこれは未来の記憶。紅玉が経験したしない関係もなく、未来の出来事が一気に流れた。
それが未来だとわかったのは大量に流れてくる出来事の中に松の木の下で赤子を挟んで笑い合う男女がいたからだ。女は紅玉に似ているが成人まで成長しており、男の瞳は赤かった。
「考えはまとまったかい」
推理を終えるまで待っていた影弥が問いかける。
「怖い噂を集めてみよう!」
その提案は意外だったようで目を丸くさせた。
「彼の住処はどこか考えたはずでは」
「だからさ」
そう言っているが、全ては紅玉の頭の中の考え事なので影弥にとっては突飛でしかなかった。
「人前にでない、人の目に映らないってことは人がいないところに住んでるってことでしょ。だったら人は住めそうだけど人が寄りつかなそうなところがあるんだよ」
「なるほど」
そう言いつつも紅玉の推理の結果を影弥が本当に理解しているとは思っていない。知識として頭に入れただけだ。
「それで人が寄り付かないのは怖い話があるからだよ。今度はそれを集めて」
胸が高鳴り、話しているうちに笑みが漏れた。
つい喜んでしまうのはやっと掴んだ妹の手掛かりであるからだ。
それと同時に未知の土地に足を踏み入れる恐怖にも近かった。
今度の噂集めは紅玉も手伝った。できるのは幽体を生かした盗み聞きである。
影弥が話のきっかけを作り、去った後に紅玉が赤の他人には話せないような話題をこっそり聞く。情報が得られる場合もあるが得られないことが多い。
そんな少ない話し合いで皆が口揃えて言ったのは「人喰い塀」だった。
人喰い塀にはいろんな噂があった。
金品宝珠が山ほどある。宝珠が無限に湧く泉がある。
鬼がいる。妖がいる。男女かかわらず誘惑し魅了する妖女がいる。いやあれは天女だと否定する者もいた。
人食い塀の近くには狩りで生計を立てる村があったが、ある日忽然と人がいなくなった。誰一人、村だけを残して消えたそうだ。
財宝を求めて塀に入る者もいた。帰ってきたものはいない。
ならばそこは本当に人を食う塀なのだ。入らずとも関わるものは皆食われる。
近づくな関わるな口を閉じろ。
話題に出すと皆そう言ってって口を閉ざした。
噂を広め、人を惹きつけ遠ざけるやり口を影弥は知っている。
草木を掻き分けて人が通らなくなった道を辿る。道中、廃村があった。
紅玉は熊の仕業ではないかと考えた。村人が消えたのは冬。冬籠りできなかった熊が凶暴になって人前に現れるのはよくある話だ。
しかし、それは影弥が否定した。
「もしかしてその熊が妹かもしれないの?」
妹がいるのは嬉しい。それは素直に喜ぶべきものだ。だが、鬼となって人を襲っているならどう受け止めていいかわからくなる。
「まずは噂の塀を見つけよう」
人も寄り付かなくなった森林の中心に人食い塀があった。
木々と草と蔓に囲まれ、遠くから小さくみえる塀を紅玉たちは捉えた。
あそこに妹がいる。
強く確信したのは胎内で感じた妹の温もりが遠い塀から感じたからだ。
思い出の中の温もりと影の中の温もりが重なり、おかしなことに紅玉は倒れた。
死んだ後では体調が悪くなることもない。風邪も怪我も知らない幽体は目眩もしなければ気絶もしない。
なのに意識はぷっつりと切れた。
その直前に起きたのは記憶した覚えのない記憶が流れた。いやこれは未来の記憶。紅玉が経験したしない関係もなく、未来の出来事が一気に流れた。
それが未来だとわかったのは大量に流れてくる出来事の中に松の木の下で赤子を挟んで笑い合う男女がいたからだ。女は紅玉に似ているが成人まで成長しており、男の瞳は赤かった。
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