拝啓、空の彼方のあなたへ -1000の手紙-

emi

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2017年

アイスクリーム

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あなたへ

ここ最近のこちらは、とても蒸し暑い日が続いています。
こんなふうに、暑くなってくるとね、
あなたが入院した日の、あなたの言葉を思い出します。

あの日から、ICUに入ったあなた。
その部屋へ入室出来るのは、中学生以上からだったけれど、
酸素マスクを付けたあなたの姿は、
中学生になったばかりのあの子には、
きっと、ショックが大きすぎるからと、
看護師さんとの話し合いで、
あの子の入室は、控える事にしましたね。

早く良くなってね って、
あの子からの伝言を伝えると、
あなたは、あの子に伝えて欲しいと言いましたね。

お父さんの代わりに、アイスクリームを食べて、待っていてね と。

その言葉は、あなたから、あの子への精一杯の愛情でしたね。
突然の入院に、急にあなたに会えなくなったあの子が、寂しくならないようにと、
あの子が喜ぶことを考えてくれたのでしょう。

余計な事は、何も言わないあなただったけれど、
あなたのその優しさは、ちゃんと、あの子にも伝わりましたよ。
あなたからの伝言に、あの子は、とても嬉しそうに、頷いていましたから。

暑くなると、あの時の、あなたの言葉を思い出します。
あの日、あなただって、急な手術や入院と、
不安で一杯だったはずなのに、
あの子の気持ちを、一番に考えてくれていましたね。

随分と暑くなり、アイスクリームが恋しい季節になりました。
アイスクリームを選ぶ時には、
つい、あなたの好みのアイスクリームを買ってしまいます。

冷凍庫に、アイスクリームを見つけると、
とても喜ぶあの子。

いくつでも食べてしまうところは、
あなたによく似ていて、
時々、
こっそりと、あなたがあの子の中に入って、
アイスクリームを楽しんでいるような気がしてしまいます。

そんなあなたを想像する私は、
アイスクリームを食べているあの子の、幸せそうな顔を眺めながら、
美味しい?って、
何度も聞いてしまいます。

そんな私に、
あの子は、必ず、笑顔で、答えてくれます。
美味しいよって。

良かったって、言いながら、
私は、アイスクリームが好きだったあなたを想います。

何度目かの、あの子の返事は、
あなたからの返事かなって、想像しながら。


2017.07.06
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