10 / 79
第10話 皇太后への挨拶
しおりを挟む
「勿論でございます。ご不安でしたらここでもう1度拝見させていただきます」
「あっ……おっお願いします」
女官の圧に屈した桃玉の目の前で、女官達が運ばれたお膳をお箸でつまむ。
「大丈夫でございますね。ちなみに過敏症はございませんか?」
「いえ、無いと思います」
「把握いたしました。それではごゆっくりどうぞ」
にこやかに笑う女官達へありがとうございます。と感謝の気持ちを伝えた桃玉は早速、陶器製の白い匙で鳥肉と卵のスープを味わう。
「! 美味しい……!」
「良かったです……!」
桃玉の反応に、女官達はほっと安堵の表情を浮かべた。
一方桃玉は、これまで両親や自分、おじらが作って来た料理とは風味や食感が全く違う事に驚きを感じながら食事を堪能している。
(スープも美味しいし、他のおかずも風味がしっかりしていて本当に美味しい……!)
もごもごと宮廷料理を味わった桃玉は、沸き上がる食欲のままに全ての品を平らげたのだった。
「ごちそうさまでした! とても美味しかったです……!」
「美味しくお召し上がりになられてとても良かったです……! ではお膳をおさげいたしますね」
空になったお膳を女官達がさげる。満腹になった桃玉は部屋の周囲をあちこち見渡していた。
(すんごい……いつ見ても豪華)
「桃玉様。夕方の皇太后様へのご挨拶までまだ少しお時間がありますので、何かなされますか?」
「皇太后様へのご挨拶?」
「はい。朝と夕方の2回行われます」
皇太后とは、龍環の養母であり前帝の皇后である。この後宮の全てを取り仕切る存在であり、政治にも強い影響力を与えている人物だ。
「あれ? 皇太后様がこの後宮の頂点に位置する存在なのですか?」
「そうでございます。今、皇后の位は空位となっておりますので、皇太后様が後宮の全てを取り仕切っております」
「そうなのですね、教えてくださりありがとうございます」
「くれぐれも皇太后様のご気分を害する事のないよう、お気をつけくださいませ」
(うっわ、やっぱりそう来るよね……)
女官達と話しながら彼女達が用意してくれた新たな装いに着替えた桃玉。あっという間に皇太后への挨拶へと赴く時間がやって来た。
「皇太后様がいらっしゃるのは朱龍宮にございます。私達も同行いたしますのでご安心ください」
「ありがとうございます……道案内よろしくお願いします」
桃玉は手鏡で自身の姿をもう一度確認すると、行きましょう。と女官達に告げたのだった。
(はあ……すんごい緊張してきた……!)
朱龍宮へと歩き出す桃玉の顔は、緊張のせいか徐々に引きつってきたのだった。
「あっ……おっお願いします」
女官の圧に屈した桃玉の目の前で、女官達が運ばれたお膳をお箸でつまむ。
「大丈夫でございますね。ちなみに過敏症はございませんか?」
「いえ、無いと思います」
「把握いたしました。それではごゆっくりどうぞ」
にこやかに笑う女官達へありがとうございます。と感謝の気持ちを伝えた桃玉は早速、陶器製の白い匙で鳥肉と卵のスープを味わう。
「! 美味しい……!」
「良かったです……!」
桃玉の反応に、女官達はほっと安堵の表情を浮かべた。
一方桃玉は、これまで両親や自分、おじらが作って来た料理とは風味や食感が全く違う事に驚きを感じながら食事を堪能している。
(スープも美味しいし、他のおかずも風味がしっかりしていて本当に美味しい……!)
もごもごと宮廷料理を味わった桃玉は、沸き上がる食欲のままに全ての品を平らげたのだった。
「ごちそうさまでした! とても美味しかったです……!」
「美味しくお召し上がりになられてとても良かったです……! ではお膳をおさげいたしますね」
空になったお膳を女官達がさげる。満腹になった桃玉は部屋の周囲をあちこち見渡していた。
(すんごい……いつ見ても豪華)
「桃玉様。夕方の皇太后様へのご挨拶までまだ少しお時間がありますので、何かなされますか?」
「皇太后様へのご挨拶?」
「はい。朝と夕方の2回行われます」
皇太后とは、龍環の養母であり前帝の皇后である。この後宮の全てを取り仕切る存在であり、政治にも強い影響力を与えている人物だ。
「あれ? 皇太后様がこの後宮の頂点に位置する存在なのですか?」
「そうでございます。今、皇后の位は空位となっておりますので、皇太后様が後宮の全てを取り仕切っております」
「そうなのですね、教えてくださりありがとうございます」
「くれぐれも皇太后様のご気分を害する事のないよう、お気をつけくださいませ」
(うっわ、やっぱりそう来るよね……)
女官達と話しながら彼女達が用意してくれた新たな装いに着替えた桃玉。あっという間に皇太后への挨拶へと赴く時間がやって来た。
「皇太后様がいらっしゃるのは朱龍宮にございます。私達も同行いたしますのでご安心ください」
「ありがとうございます……道案内よろしくお願いします」
桃玉は手鏡で自身の姿をもう一度確認すると、行きましょう。と女官達に告げたのだった。
(はあ……すんごい緊張してきた……!)
朱龍宮へと歩き出す桃玉の顔は、緊張のせいか徐々に引きつってきたのだった。
11
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
紅玉楽師は後宮の音を聞く 〜生き残りたい私の脱走計画〜
高里まつり
キャラ文芸
【耳のいい隠れ長公主】✕【したたかな美貌の文官】コンビが挑む後宮の陰謀!
片目が紅い娘・曄琳(イェリン)は訳あって後宮から逃走した妃の娘ーー先帝の血を引く、隠れ長公主。
貧民街で隠れて生活していたのに、ひょんなことから宮廷に舞い戻ってしまった曄琳は、生まれを秘匿し、楽師としてあらゆる音を聞き分けるという特技を活かしながら、宮廷からの脱走を目論んでいた。
しかしある日、後宮で起きた幽鬼騒動の解決に駆り出された先で、運命を狂わされてしまう。
利用できるものは利用します精神の美形の文官・暁明(シャオメイ)と、出生の秘密をなんとか隠して外に出たい曄琳。
二人が後宮での事件を追う中で、母や貴妃の死、過去の出来事が少しずつ絡んで、宮廷の陰謀に巻き込まれていく。契約じみた曄琳と暁明の関係も少しずつ、少しずつ、形を変えていきーー?
曄琳の運命やいかに!
後宮に咲く毒花~記憶を失った薬師は見過ごせない~
二位関りをん
キャラ文芸
数多の女達が暮らす暁月国の後宮。その池のほとりにて、美雪は目を覚ました。
彼女は自分に関する記憶の一部を無くしており、彼女を見つけた医師の男・朝日との出会いをきっかけに、陰謀と毒が渦巻く後宮で薬師として働き始める。
毒を使った事件に、たびたび思い起こされていく記憶の断片。
はたして、己は何者なのか――。
これは記憶の断片と毒をめぐる物語。
※年齢制限は保険です
※数日くらいで完結予定
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
白苑後宮の薬膳女官
絹乃
キャラ文芸
白苑(はくえん)後宮には、先代の薬膳女官が侍女に毒を盛ったという疑惑が今も残っていた。先代は瑞雪(ルイシュエ)の叔母である。叔母の濡れ衣を晴らすため、瑞雪は偽名を使い新たな薬膳女官として働いていた。
ある日、幼帝は瑞雪に勅命を下した。「病弱な皇后候補の少女を薬膳で救え」と。瑞雪の相棒となるのは、幼帝の護衛である寡黙な武官、星宇(シンユィ)。だが、元気を取り戻しはじめた少女が毒に倒れる。再び薬膳女官への疑いが向けられる中、瑞雪は星宇の揺るぎない信頼を支えに、後宮に渦巻く陰謀へ踏み込んでいく。
薬膳と毒が導く真相、叔母にかけられた冤罪の影。
静かに心を近づける薬膳女官と武官が紡ぐ、後宮ミステリー。
『後宮薬師は名を持たない』
由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。
帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。
救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。
後宮が燃え、名を失ってもなお――
彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる