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第35話 呪詛か否かを確かめる方法
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沐浴堂の浴槽に浸かり、身体を清める最中も桃玉は脳内で考えを巡らせていた。
(流行り病なら、佳賢妃様の部屋にいた私と佳淑妃様も同じようになっていてもおかしくはない。何か……呪詛か流行り病かを確かめる方法は無いのだろうか……)
「……あ、そろそろあがろ……」
考えすぎたのか、かなりの時間浴槽に浸かっていたようだ。桃玉はのぼせそうになった為浴槽から出て、布で身体を拭いて寝間着に着替えると沐浴堂を後にした。
沐浴堂から自室へと戻り、迎えに来た宦官達と女官の手によって服を脱がされ、布団で身体をくるまれて移動する桃玉。彼女の移動の最中も時折、下女達の噂話が沸き起こっていた。
「今回の件、呪詛だったらいいのにって思わない?」
「どういう事?」
「だって呪詛だったら犯人が分かるじゃない。流行り病だったら犯人も何もわからないし、死を待つのみよ」
「確かに言われたら……そうよねえ……」
(今回の件は大事になってるよね。人魚の時以上に……)
皇帝の閨に到着し、布団にくるまった状態で閨の上に置かれた桃玉。龍環が閨に訪れた後はいつものように人払いをし布団をどかして寝間着に着替えてから、作戦会議が始まる。
「あの、もうご存じかとは思いますが新たに美人才人の位の妃数人が意識を失って倒れたという事です」
「そうか……報告ありがとう。俺は最初四夫人の妃達を狙ったものかと思っていたが」
「でも、佳賢妃様と同じ部屋にいた私と佳淑妃様は何ともありませんでした。流行り病でしたら今、私はここにいない可能性もあります」
龍環は目を閉じ、咀嚼するように首を縦に振る。
「そうだな。ふむ、どうしたものか……呪具の持ち主も判明していないし」
「何か、流行り病なのか呪詛なのか確かめる方法があれば良いのですが……」
「そうだな……ああ、1つだけあるものと、考えが浮かんできたぞ」
あぐらをかき腕組みをしていた龍環が何かをひらめいたような顔つきを見せた。桃玉は龍環をじっと見つめる。
「よし。佳賢妃と商徳妃の元へ行こう。やっぱり直に見てみないとわからんしな」
「ですが、もし仮に流行り病だったら……」
「最新の注意は払う。もし呪詛ないしあやかしの仕業だったら、視えるはずなんだ」
龍環の発した視える。という言葉に力が籠っていたのを、桃玉の耳はしっかりと聞きとっていた。
「桃玉。実はこの華龍国にはあやかしを使役できる者達が存在する」
「……え?」
桃玉は驚きの余り目を丸くさせた。
「書で見ただけの存在だがな。彼らは呪術を行い、あやかしを使役する事で、相手を呪詛し病や死にいたらしめると言う……だが」
「だが……?」
「後宮にそのようなものがいるとは、最初は信じきれなくてな……呪具は後宮入りする際に持ち込む事は出来ないから仮に呪具を使うとなると1から作る必要がある。それに女官が呪具を作っている所を目撃する事だってあるはずだからだ」
「警備的には難しそうですよね……」
「しかしながら、今回見つかった呪具は簡単なものだった」
龍環の手元には、いつの間にか呪詛対象である佳賢妃の名前が記された呪具があった。
呪具は一見ただの木簡に見えるが、人型の絵が描かれており。真ん中の胴体部分に佳賢妃と記されている。
「これが呪具……こんな見た目だったんだ……」
(これなら、すぐに用意出来て怪しまれにくい)
「妃達を調べても呪詛の証が出なかったのは……この木簡から作られた簡単なものだからかもしれない。そうだ。木簡を持っているだけでは呪詛の証にはならないんだ……」
「むむ……」
「だから俺は呪詛した者を探すのではなく、呪詛された者に視点を合わせてみる事にする。これでどうだ?」
呪詛した者の手掛かりがないなら、呪詛された者を観察する。龍環の考えに桃玉はなるほど……! と何度も首を縦に振った。
「あやかしの仕業なら、俺には視えるはずだからな」
龍環が見せた自信たっぷりの笑みに、桃玉は期待と安堵の表情を浮かべたのだった。
「良い考えだと想います……!」
「わかった。では明日、彼女達を見舞う事にする。桃玉も付いてきてくれないか?」
「わかりました。勿論です……!」
(あやかしの仕業なら、私の出番だものね)
桃玉の返事を聞いた龍環は、笑顔で彼女の頭をぽんと撫でる。
「じゃあ、決まりだな。ではおやすみ」
「おやすみなさい」
龍環はさっさと布団に潜り込み、桃玉へ背を向けた。
(広い背中だなぁ……)
桃玉は龍環の背中を数度撫でてから、布団の中に潜っていったのだった。
(流行り病なら、佳賢妃様の部屋にいた私と佳淑妃様も同じようになっていてもおかしくはない。何か……呪詛か流行り病かを確かめる方法は無いのだろうか……)
「……あ、そろそろあがろ……」
考えすぎたのか、かなりの時間浴槽に浸かっていたようだ。桃玉はのぼせそうになった為浴槽から出て、布で身体を拭いて寝間着に着替えると沐浴堂を後にした。
沐浴堂から自室へと戻り、迎えに来た宦官達と女官の手によって服を脱がされ、布団で身体をくるまれて移動する桃玉。彼女の移動の最中も時折、下女達の噂話が沸き起こっていた。
「今回の件、呪詛だったらいいのにって思わない?」
「どういう事?」
「だって呪詛だったら犯人が分かるじゃない。流行り病だったら犯人も何もわからないし、死を待つのみよ」
「確かに言われたら……そうよねえ……」
(今回の件は大事になってるよね。人魚の時以上に……)
皇帝の閨に到着し、布団にくるまった状態で閨の上に置かれた桃玉。龍環が閨に訪れた後はいつものように人払いをし布団をどかして寝間着に着替えてから、作戦会議が始まる。
「あの、もうご存じかとは思いますが新たに美人才人の位の妃数人が意識を失って倒れたという事です」
「そうか……報告ありがとう。俺は最初四夫人の妃達を狙ったものかと思っていたが」
「でも、佳賢妃様と同じ部屋にいた私と佳淑妃様は何ともありませんでした。流行り病でしたら今、私はここにいない可能性もあります」
龍環は目を閉じ、咀嚼するように首を縦に振る。
「そうだな。ふむ、どうしたものか……呪具の持ち主も判明していないし」
「何か、流行り病なのか呪詛なのか確かめる方法があれば良いのですが……」
「そうだな……ああ、1つだけあるものと、考えが浮かんできたぞ」
あぐらをかき腕組みをしていた龍環が何かをひらめいたような顔つきを見せた。桃玉は龍環をじっと見つめる。
「よし。佳賢妃と商徳妃の元へ行こう。やっぱり直に見てみないとわからんしな」
「ですが、もし仮に流行り病だったら……」
「最新の注意は払う。もし呪詛ないしあやかしの仕業だったら、視えるはずなんだ」
龍環の発した視える。という言葉に力が籠っていたのを、桃玉の耳はしっかりと聞きとっていた。
「桃玉。実はこの華龍国にはあやかしを使役できる者達が存在する」
「……え?」
桃玉は驚きの余り目を丸くさせた。
「書で見ただけの存在だがな。彼らは呪術を行い、あやかしを使役する事で、相手を呪詛し病や死にいたらしめると言う……だが」
「だが……?」
「後宮にそのようなものがいるとは、最初は信じきれなくてな……呪具は後宮入りする際に持ち込む事は出来ないから仮に呪具を使うとなると1から作る必要がある。それに女官が呪具を作っている所を目撃する事だってあるはずだからだ」
「警備的には難しそうですよね……」
「しかしながら、今回見つかった呪具は簡単なものだった」
龍環の手元には、いつの間にか呪詛対象である佳賢妃の名前が記された呪具があった。
呪具は一見ただの木簡に見えるが、人型の絵が描かれており。真ん中の胴体部分に佳賢妃と記されている。
「これが呪具……こんな見た目だったんだ……」
(これなら、すぐに用意出来て怪しまれにくい)
「妃達を調べても呪詛の証が出なかったのは……この木簡から作られた簡単なものだからかもしれない。そうだ。木簡を持っているだけでは呪詛の証にはならないんだ……」
「むむ……」
「だから俺は呪詛した者を探すのではなく、呪詛された者に視点を合わせてみる事にする。これでどうだ?」
呪詛した者の手掛かりがないなら、呪詛された者を観察する。龍環の考えに桃玉はなるほど……! と何度も首を縦に振った。
「あやかしの仕業なら、俺には視えるはずだからな」
龍環が見せた自信たっぷりの笑みに、桃玉は期待と安堵の表情を浮かべたのだった。
「良い考えだと想います……!」
「わかった。では明日、彼女達を見舞う事にする。桃玉も付いてきてくれないか?」
「わかりました。勿論です……!」
(あやかしの仕業なら、私の出番だものね)
桃玉の返事を聞いた龍環は、笑顔で彼女の頭をぽんと撫でる。
「じゃあ、決まりだな。ではおやすみ」
「おやすみなさい」
龍環はさっさと布団に潜り込み、桃玉へ背を向けた。
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桃玉は龍環の背中を数度撫でてから、布団の中に潜っていったのだった。
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