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第36話 見舞い
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次の日の朝。目覚めた桃玉は、龍環と別れた後迎えに来た宦官に連れられて照天宮の自室へと戻って来た。
「おかえりなさいませ、桃玉様」
「ただいま戻りました……!」
「朝食の準備が出来ております。召し上がりますか?」
「はい、お願いします……!」
橙色と桃色を基調とした衣服に着替え、お化粧と髪結いを女官の手によって施されながら、朝食である卵入り雑炊をかきこんでいく。
(卵が入ってると味わいがよりまろやかになる気がする)
朝食を食べ、用意も出来た所で桃玉と女官達は皇太后の朝の挨拶に向けて、朱龍宮へ移動した。
その道中、道のあちこちでおびえきった様子の下女達が身を寄せ合い話し合いながら井戸から水を汲んでいるのが見受けられる。
「私達、死ぬのかしら……」
「嫌だわ、まだまだ生きたいのに……」
「怖いわよねぇ……」
(不安がこんなにも膨れ上がってる……)
朱龍宮の皇太后の広間に到着後も、不安の空気は充満していた。妃達はひそひそと話を交わす。
「呪詛だったら良いのにね。だって犯人が見つかったら終わりだもの」
「そうね。流行り病じゃない事を祈るわ」
(皆、呪詛である事を願っているのね)
「皇太后陛下のおなりでございます」
皇太后が女官達を引き連れ現れたのと同時に、あちこちから湧き上がっていたひそひそ話がぴたりと止んだ。
「皆さん、おはようございます。体調に気をつけてお過ごしくださいね」
妃達によるはい、皇太后陛下。という返事が広間中に美しく鳴り響いた。その時の事。
「皇帝陛下のおなりでございます!」
宦官達を引き連れた龍環が広間に現れた。龍環の手には何やら本が握られている。桃玉はじめ妃達と皇太后は驚きの目で龍環を見つめた。
「こ、皇帝陛下……!」
「母上よ。今から俺は佳賢妃と商徳妃の見舞いに向かう。その前にこちらへと顔を出したまでだ」
「……そう。でしたらお願いします。きっと佳賢妃も商徳妃も勇気づけられるでしょう」
(疑ってないのね……)
「では、失礼します。桃玉、付いてこい!」
「あっ、はい!」
桃玉は早歩きで退出していく龍環の後を追った。桃玉の後ろ姿を妃達はじっと見つめる。妃達の視線には、敵意のようなものも含まれていた。
「……今、一番皇帝陛下の寵愛を受けていらっしゃるのはやはり李昭容様で間違いない。彼女は手強い。私の術が効かないのだから……」
ある妃のつぶやきが、他の妃達の声によってかき消されていった。
「龍環様!」
「ああ、桃玉。今から佳賢妃の部屋に行こう」
「はい!」
佳賢妃のいる部屋へと到着すると、架子床に仰向けに寝かされた佳賢妃の姿が見えてくる。
「ん?」
ここで龍環が何かに気が付く様子を見せた。持っていた本をめくると、はっ。と驚きの声を見せる。
「この文様は……間違いない」
「おかえりなさいませ、桃玉様」
「ただいま戻りました……!」
「朝食の準備が出来ております。召し上がりますか?」
「はい、お願いします……!」
橙色と桃色を基調とした衣服に着替え、お化粧と髪結いを女官の手によって施されながら、朝食である卵入り雑炊をかきこんでいく。
(卵が入ってると味わいがよりまろやかになる気がする)
朝食を食べ、用意も出来た所で桃玉と女官達は皇太后の朝の挨拶に向けて、朱龍宮へ移動した。
その道中、道のあちこちでおびえきった様子の下女達が身を寄せ合い話し合いながら井戸から水を汲んでいるのが見受けられる。
「私達、死ぬのかしら……」
「嫌だわ、まだまだ生きたいのに……」
「怖いわよねぇ……」
(不安がこんなにも膨れ上がってる……)
朱龍宮の皇太后の広間に到着後も、不安の空気は充満していた。妃達はひそひそと話を交わす。
「呪詛だったら良いのにね。だって犯人が見つかったら終わりだもの」
「そうね。流行り病じゃない事を祈るわ」
(皆、呪詛である事を願っているのね)
「皇太后陛下のおなりでございます」
皇太后が女官達を引き連れ現れたのと同時に、あちこちから湧き上がっていたひそひそ話がぴたりと止んだ。
「皆さん、おはようございます。体調に気をつけてお過ごしくださいね」
妃達によるはい、皇太后陛下。という返事が広間中に美しく鳴り響いた。その時の事。
「皇帝陛下のおなりでございます!」
宦官達を引き連れた龍環が広間に現れた。龍環の手には何やら本が握られている。桃玉はじめ妃達と皇太后は驚きの目で龍環を見つめた。
「こ、皇帝陛下……!」
「母上よ。今から俺は佳賢妃と商徳妃の見舞いに向かう。その前にこちらへと顔を出したまでだ」
「……そう。でしたらお願いします。きっと佳賢妃も商徳妃も勇気づけられるでしょう」
(疑ってないのね……)
「では、失礼します。桃玉、付いてこい!」
「あっ、はい!」
桃玉は早歩きで退出していく龍環の後を追った。桃玉の後ろ姿を妃達はじっと見つめる。妃達の視線には、敵意のようなものも含まれていた。
「……今、一番皇帝陛下の寵愛を受けていらっしゃるのはやはり李昭容様で間違いない。彼女は手強い。私の術が効かないのだから……」
ある妃のつぶやきが、他の妃達の声によってかき消されていった。
「龍環様!」
「ああ、桃玉。今から佳賢妃の部屋に行こう」
「はい!」
佳賢妃のいる部屋へと到着すると、架子床に仰向けに寝かされた佳賢妃の姿が見えてくる。
「ん?」
ここで龍環が何かに気が付く様子を見せた。持っていた本をめくると、はっ。と驚きの声を見せる。
「この文様は……間違いない」
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