後宮浄魔伝~視える皇帝と浄魔の妃~

二位関りをん

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第70話 青美人との戦い①

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「これが……青美人ですか」
「そうだ。最初は白髪の女性だったんだが、これが本来の姿だ」
「こんなに大きな大蛇初めて見ました……地響きがすごいですね……」
「ああ、桃玉や兵士達にも視えると言う事は人間か大蛇の身体に憑依しているという事かもしれん。もしくは元々何か細工を施しているか」
(そういえばあやかしがこんなにはっきり視えたのは初めてだ)

 桃玉と龍環が青美人を眺めながら考察をしていると、青美人は陛下! と叫び声をあげながら地響きを鳴らして向かってくる。

「陛下! お願いだから宮廷に戻って私を……寵愛してくださいまし!」
「無理な事を言う! 桃玉、最初から持てる力の全てをぶつけろ! でなければこいつは倒せない!」
「わかりました! いっけえええええっ!!」

 青美人に向けて両手を伸ばし、めいっぱい力を放出させる。青白い浄化の光の球がこれまでにないくらいの量で解き放たれ、青美人の身体へ矢のように飛んでいく。

「ぐっ!」

 浄化の光の球が青美人の身体の鱗に当たると鱗がはがれて傷となった。

「矢は効かなかったが浄化の光の球は効いている……!」
(確かに、鱗がはがれた。私の浄化の力が確実に効いている!)
「くっ! 私はここで死にたくないの!」

 青美人は桃玉に狙いを定めると、桃玉の手から放たれる浄化の光の球を浴び、顔は傷だらけになっていくのにも構わずに首を矢のようにして突っ込んできた。

「危ない!」

 龍環が桃玉を抱きしめて飛び、青美人の攻撃をかわす。しかし青美人は地面から自身の首を引き抜くと再度桃玉に狙いを定めた。

「ぐっ!」

 2人が何とか立ち上がったのと、青美人の攻撃が重なる。

「っ……!」
(回避しきれない!)

 万事休す。桃玉と龍環は死を覚悟した時だった。

「がっ!」

 巨大かつ半透明な八角形の壁が2人と青美人の間に割って入った。青美人の牙は壁に当たり、ぴしぴし……とひびが入る。

「間に合ったか……良かったの」
「も、桃婆さん!」

 桃玉と龍環の後ろには桃婆がいた。

「これはワシが張った結界じゃ。美琳から応戦に行くように頼まれての。けがは無いか?」
「は、はい! 私は大丈夫です……龍環様はお怪我はありませんか?」
「ああ、大丈夫だ。問題ない」
「ぐっ……ぎぎぎっ……」

 桃婆が張った結界から、ひびの入った牙を抜く青美人。しかし牙は折れてしまった。

「ま、まさか……仙女までも来てしまうなんて……」
「ほう、人間の目にも視える巨大なあやかしか。これはこれは、大物が来てしまったのう」

 ほほほ……と余裕の笑みを浮かべる桃婆。彼女の目はキラキラと輝いている。

「桃玉。ここからはこのワシも一緒に戦うぞい。安心するんじゃ。……それにしてもやる気がみなぎって来たわい」
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