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第79話 決着と帰還
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力分が浄化されていくのを見届けた桃玉達。緊張の糸が解けたのか桃玉はその場に膝から崩れ落ちそうになるのを龍環が腕を掴み阻止した。
「桃婆さん、白仙桃を!」
「桃玉! はやく食べるのじゃ!」
桃玉はむしゃむしゃと白仙桃を食べてなんとか体力を回復させた。
「……ありがとうございます……」
「やはり強敵じゃったからな。しかし皆無事で良かったわい……」
噛みしめるように呟く桃婆さんの言葉が、龍環や桃玉、美琳と玉琳の身体に染みていったのだった。
(やっぱり皆無事でいてこそだよね。それに、力分を浄化させた事で……後宮にも平和が戻るはず。でも力分の言っていたようにあやかしはまだまだたくさんいる……)
「龍環様。私決めました」
「なんだ?」
「私、後宮に戻ったら、これまで通りあやかし退治を頑張りたいと思います。それに宮廷のみならず、華龍国にいるすべての悪しきあやかし達を浄化させたいのです」
決意に満ち溢れた桃玉の目を、龍環は興味深そうに覗く。
「桃玉……」
「悪しきあやかしを浄化させ、平和をもたらすのが私の役目だと、はっきり認識しました」
「そうか。俺も……君と共に悪しきあやかしを浄化させていきたい。そうと決まれば……後宮に戻らねばな」
「はい!」
◇ ◇ ◇
桃玉と龍環は、宮廷の出入り口がある大門にて、美琳と玉琳、桃婆と別れる事となった。
「短い間でしたが皆さんお世話になりました。お元気で」
「ああ!」
「桃玉と陛下、また会えるかなあ?」
「陛下。そして桃玉。もし時間がありましたら、またワシ達のいる屋敷へと顔をのぞかせに来てくださいな。ワシが精一杯もてなしますぞい」
「はは……桃婆さん、剣は持っていて良いのか?」
龍環からの問いに、桃婆は勿論でございますじゃ! と大きく頷いたのだった。
宮廷に戻った2人を兵士達が歓喜に湧きながら出迎えてくれる。その様子を3人は穏やかに微笑みながら、2人の姿が見えなくなるまで見つめていたのだった。
◇ ◇ ◇
宮廷に離宮へ避難していた妃や女官達も戻り、日常もようやく戻っていく。桃玉は再び昭容の位の妃として後宮で暮らし始めたのだった。桃玉が再会した妃や女官達と交流を取り戻していく中、龍環は残された最後の決着を付けようとしていた。
「陛下……」
龍環は玉座から、捕縛された皇太后を冷たく見下ろす。
「母上。あなたは私の本当の母親を身代わりにしてあやかしから難を逃れた事を知りました。当時の事をお聞かせ願いたい」
「……力分から聞いたのですね」
「はい。彼の正体があやかしで、俺の本当の母親を食い殺した事も……何もかも存じております」
「で、でも! 証拠は何も無いじゃないですか!」
「用意させよ」
小柄な若い宦官が龍環に差し出したのは、あの日龍環の母親が身につけていた衣服。血に塗れている上に、胸の部分には丸い穴が空いていた。
なんと幸か不幸か事に当時の衣服がそのまま、残されていたのである。衣服を見た皇太后の顔はみるみるうちに血の気が引いていった。
「これを見ても、しらが切れるのか?」
「……っ。だって、死にたくなかったのです! それにあの妃は男子を……あはたを産んだのに私には子がいなかったんですから!」
「言い訳になりませんな。母上……あなたに死を命じます」
龍環の冷たい声がしん……。と広間中に響きわたる。口をパクパクさせるも言葉を発せない皇太后は兵士により、引きずられていくようにいずこかへと連れて行かれた。
(……本当の母上。さぞや無念だっただろう)
皇太后は翌日、斬首刑に処されたのだった。
すべてが片付いた日の午前中。桃玉は佳淑妃の元で稽古に励んでいた。この日は珍しく佳賢妃と商徳妃、張貴妃も参加している。
「よし、終わり! 休憩に入る!」
休憩に入ると佳淑妃は腕を伸ばしている桃玉に駆け寄る。
「桃玉、顔つきが変わったな」
「そうですか?」
「ああ、強くなったよ」
(……嬉しい。でも、これからも強くならないと)
すると、稽古場に龍環が宦官達を引き連れて現れた。全員陛下! と頭を下げながら彼を迎える。
「佳淑妃。ちょっと桃玉借りてくよ」
「あ、はい。かしこまりました」
龍環に呼ばれた桃玉は、踵を返し早歩きで歩いていく龍環にとことこと付いていく。
「陛下、どうされました?」
「中庭であやかしを見つけたんだ。忙しいところすまないが、被害が出ないうちに浄化してほしい!」
「わかりました! どのような姿でしたか?」
「ああ、ワニのような見た目をしていた。噛まれないように気を付けるんだぞ!」
「はい……! では、この力、使わせていただきます……!」
2人の戦いは後宮に戻っても続く。華龍国に平和をもたらす為に、悪しきあやかしがもたらす被害を無くすためにも、今日も彼らは奔走し続けるのだ。
「桃婆さん、白仙桃を!」
「桃玉! はやく食べるのじゃ!」
桃玉はむしゃむしゃと白仙桃を食べてなんとか体力を回復させた。
「……ありがとうございます……」
「やはり強敵じゃったからな。しかし皆無事で良かったわい……」
噛みしめるように呟く桃婆さんの言葉が、龍環や桃玉、美琳と玉琳の身体に染みていったのだった。
(やっぱり皆無事でいてこそだよね。それに、力分を浄化させた事で……後宮にも平和が戻るはず。でも力分の言っていたようにあやかしはまだまだたくさんいる……)
「龍環様。私決めました」
「なんだ?」
「私、後宮に戻ったら、これまで通りあやかし退治を頑張りたいと思います。それに宮廷のみならず、華龍国にいるすべての悪しきあやかし達を浄化させたいのです」
決意に満ち溢れた桃玉の目を、龍環は興味深そうに覗く。
「桃玉……」
「悪しきあやかしを浄化させ、平和をもたらすのが私の役目だと、はっきり認識しました」
「そうか。俺も……君と共に悪しきあやかしを浄化させていきたい。そうと決まれば……後宮に戻らねばな」
「はい!」
◇ ◇ ◇
桃玉と龍環は、宮廷の出入り口がある大門にて、美琳と玉琳、桃婆と別れる事となった。
「短い間でしたが皆さんお世話になりました。お元気で」
「ああ!」
「桃玉と陛下、また会えるかなあ?」
「陛下。そして桃玉。もし時間がありましたら、またワシ達のいる屋敷へと顔をのぞかせに来てくださいな。ワシが精一杯もてなしますぞい」
「はは……桃婆さん、剣は持っていて良いのか?」
龍環からの問いに、桃婆は勿論でございますじゃ! と大きく頷いたのだった。
宮廷に戻った2人を兵士達が歓喜に湧きながら出迎えてくれる。その様子を3人は穏やかに微笑みながら、2人の姿が見えなくなるまで見つめていたのだった。
◇ ◇ ◇
宮廷に離宮へ避難していた妃や女官達も戻り、日常もようやく戻っていく。桃玉は再び昭容の位の妃として後宮で暮らし始めたのだった。桃玉が再会した妃や女官達と交流を取り戻していく中、龍環は残された最後の決着を付けようとしていた。
「陛下……」
龍環は玉座から、捕縛された皇太后を冷たく見下ろす。
「母上。あなたは私の本当の母親を身代わりにしてあやかしから難を逃れた事を知りました。当時の事をお聞かせ願いたい」
「……力分から聞いたのですね」
「はい。彼の正体があやかしで、俺の本当の母親を食い殺した事も……何もかも存じております」
「で、でも! 証拠は何も無いじゃないですか!」
「用意させよ」
小柄な若い宦官が龍環に差し出したのは、あの日龍環の母親が身につけていた衣服。血に塗れている上に、胸の部分には丸い穴が空いていた。
なんと幸か不幸か事に当時の衣服がそのまま、残されていたのである。衣服を見た皇太后の顔はみるみるうちに血の気が引いていった。
「これを見ても、しらが切れるのか?」
「……っ。だって、死にたくなかったのです! それにあの妃は男子を……あはたを産んだのに私には子がいなかったんですから!」
「言い訳になりませんな。母上……あなたに死を命じます」
龍環の冷たい声がしん……。と広間中に響きわたる。口をパクパクさせるも言葉を発せない皇太后は兵士により、引きずられていくようにいずこかへと連れて行かれた。
(……本当の母上。さぞや無念だっただろう)
皇太后は翌日、斬首刑に処されたのだった。
すべてが片付いた日の午前中。桃玉は佳淑妃の元で稽古に励んでいた。この日は珍しく佳賢妃と商徳妃、張貴妃も参加している。
「よし、終わり! 休憩に入る!」
休憩に入ると佳淑妃は腕を伸ばしている桃玉に駆け寄る。
「桃玉、顔つきが変わったな」
「そうですか?」
「ああ、強くなったよ」
(……嬉しい。でも、これからも強くならないと)
すると、稽古場に龍環が宦官達を引き連れて現れた。全員陛下! と頭を下げながら彼を迎える。
「佳淑妃。ちょっと桃玉借りてくよ」
「あ、はい。かしこまりました」
龍環に呼ばれた桃玉は、踵を返し早歩きで歩いていく龍環にとことこと付いていく。
「陛下、どうされました?」
「中庭であやかしを見つけたんだ。忙しいところすまないが、被害が出ないうちに浄化してほしい!」
「わかりました! どのような姿でしたか?」
「ああ、ワニのような見た目をしていた。噛まれないように気を付けるんだぞ!」
「はい……! では、この力、使わせていただきます……!」
2人の戦いは後宮に戻っても続く。華龍国に平和をもたらす為に、悪しきあやかしがもたらす被害を無くすためにも、今日も彼らは奔走し続けるのだ。
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