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第34話 公務同行
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「美華、朝だぞ」
あの夜。2人は東屋から鶴龍殿に戻るとそのまま皇帝の閨にて一夜を共にしたのであった。
「ん……」
「もう夜明けだぞ」
「はっ! もうそんな時間ですか!?」
慌てて起き上がる美華だが、いきなり身体を起こしたせいか、ふらつきを覚えてしまった。見かねた浩明が一旦横になってから再度ゆっくり起き上がるように指示をする。
「焦るなよ、またふらつくからな」
「は、はい……しまった、寝坊してしまいました……」
「俺もいつもよりぐっすり眠ってしまったからな。おそろいだ」
おそろいという言葉を聞いた美華はふふっと笑う。それにつられて浩明も笑った。
「よし、そろそろいけるか?」
「はい……」
「うつぶせになってから四つんばいになれ。その調子でゆっくり身を起こすんだ」
「あ……マシにはなりました」
起床した美華は着替えて鶴龍殿にて再度衣服の着替えと化粧、髪結を済ませてから治療院に向かったのだった。
◇ ◇ ◇
昼前。いつものように美華が患者の病を手かざしで治していた時の事だった。
「私が……陛下のご公務に同行、ですか?」
「はい。陛下から直々にご指名がございまして」
宦官の言葉に治療院は女性陣のどよめきで一杯になった。
なぜなら妃が皇帝の公務に同行するというのは中々無い事例かつ……後宮の外に出られる機会でもあるからである。
「皇后様! すごいじゃないですか!」
美華付きの女官達がお祝いの雰囲気に包まれる中美華はどのような公務なのかを宦官に聞いた。
「3日前に都の東にある村で土砂崩れが起きまして、その物資派遣と被害状況を確かめる為の視察でございます」
「! 土砂崩れ……! それで、皆さんは助かったのですか!?」
「救助活動は終わりました。幸い死傷者はおりませんでしたが……」
村の民はほとんど家から出て田畑の仕事に従事していたおかげで人は無事だったが家の被害が甚大だという。
「道も崩れているようでございます」
「そうですか……わかりました。私も同行いたしましょう 」
(この力なら……道や建物も治せる)
同行を決意した美華だが、宦官からは移動も含めて2日はかかると言われる。
「その間治療院は……」
「皇后様、私達に任せてください」
「! その声は李賢妃様」
李賢妃が腰に手を置きながら美華の側に近づく。
「私達妃がいるのですから、皇后様は安心して公務に同行なさってくださいな」
「李賢妃様……」
「まあ、日頃から皇后様にはお世話になってる事もありますし? たまにはね……」
照れた浩明のように、目線を下に逸らしながら語る李賢妃へ、他の妃達も同じように治療院は私達に任せてください! と語る。
「皆さん……ありがとうございます!」
美華は女性陣へ深々と頭を下げながら、感謝を露わにしたのである。
あの夜。2人は東屋から鶴龍殿に戻るとそのまま皇帝の閨にて一夜を共にしたのであった。
「ん……」
「もう夜明けだぞ」
「はっ! もうそんな時間ですか!?」
慌てて起き上がる美華だが、いきなり身体を起こしたせいか、ふらつきを覚えてしまった。見かねた浩明が一旦横になってから再度ゆっくり起き上がるように指示をする。
「焦るなよ、またふらつくからな」
「は、はい……しまった、寝坊してしまいました……」
「俺もいつもよりぐっすり眠ってしまったからな。おそろいだ」
おそろいという言葉を聞いた美華はふふっと笑う。それにつられて浩明も笑った。
「よし、そろそろいけるか?」
「はい……」
「うつぶせになってから四つんばいになれ。その調子でゆっくり身を起こすんだ」
「あ……マシにはなりました」
起床した美華は着替えて鶴龍殿にて再度衣服の着替えと化粧、髪結を済ませてから治療院に向かったのだった。
◇ ◇ ◇
昼前。いつものように美華が患者の病を手かざしで治していた時の事だった。
「私が……陛下のご公務に同行、ですか?」
「はい。陛下から直々にご指名がございまして」
宦官の言葉に治療院は女性陣のどよめきで一杯になった。
なぜなら妃が皇帝の公務に同行するというのは中々無い事例かつ……後宮の外に出られる機会でもあるからである。
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美華付きの女官達がお祝いの雰囲気に包まれる中美華はどのような公務なのかを宦官に聞いた。
「3日前に都の東にある村で土砂崩れが起きまして、その物資派遣と被害状況を確かめる為の視察でございます」
「! 土砂崩れ……! それで、皆さんは助かったのですか!?」
「救助活動は終わりました。幸い死傷者はおりませんでしたが……」
村の民はほとんど家から出て田畑の仕事に従事していたおかげで人は無事だったが家の被害が甚大だという。
「道も崩れているようでございます」
「そうですか……わかりました。私も同行いたしましょう 」
(この力なら……道や建物も治せる)
同行を決意した美華だが、宦官からは移動も含めて2日はかかると言われる。
「その間治療院は……」
「皇后様、私達に任せてください」
「! その声は李賢妃様」
李賢妃が腰に手を置きながら美華の側に近づく。
「私達妃がいるのですから、皇后様は安心して公務に同行なさってくださいな」
「李賢妃様……」
「まあ、日頃から皇后様にはお世話になってる事もありますし? たまにはね……」
照れた浩明のように、目線を下に逸らしながら語る李賢妃へ、他の妃達も同じように治療院は私達に任せてください! と語る。
「皆さん……ありがとうございます!」
美華は女性陣へ深々と頭を下げながら、感謝を露わにしたのである。
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