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第47話 海鈴蘭
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「ここが龍族の村ですか……」
「そうだな、美華。俺もここに来るのは初めてだ」
長い移動時間の果てに到着した海龍村はまさしく、海上の上にある村だった。岸付近にもいくつか木造りの集落と建物があるが、海上の方がより人が多くいそうに見える。
そんな中、到着したばかりの浩明ら一行を岸にて出迎えようとしている人物達が現れた。
「陛下! ようこそお越しくださいました!」
「わが歴史ある海龍村へとようこそ!」
「皇后様もご一緒でとても嬉しいです!」
服装は龍の国で着用されているものに加え、更に金銀であふれた腕輪や首輪などの装飾品が何重にもつけていてあちこちに輝いていると言った具合。
(さっきからすごいじゃらじゃらと音が鳴っている気がする)
と美華が感じている間、浩明は村長と話し合っていた。村長は老いた男性で、腰は少しばかり曲がっている。そして白いひげを長くたらし、龍の国でも用いられる黒い冠帽をかぶっていた。
「では、早速お泊り頂く場所をご紹介いたしましょう」
村長が案内したのは、岸にある別荘だった。
「おお、なかなか見ない建築物だな」
「そうなのですか、陛下」
「ああ、宮廷の建物とはまたちょっと趣が違うな」
村長から、ぜひお疲れを癒してください。と声を掛けられ、一行は別荘へと移動する。
「どうやら美華とは同じ部屋のようだな」
部屋の数に限りがある為、浩明は美華と同じ部屋となったのだ。美華は陛下が一緒でしたら大丈夫ですね。と呟く。
「……君は信頼しているのかしていないのかいまいちわからんな」
「?」
「いや、なんでもない。ただの独り言だ」
浩明の赤くなった顔は、当然ながら美華には見えないままだった。
「そちらに皇后様はいらっしゃいますか?!」
いきなり、ふたりの雰囲気をぶち壊すかのような若い女性の大きな声が外からこだました。浩明はなんなんだ……? とややめんどくさそうな顔をしながらも扉を開ける。
「誰だ? いきなり大きな声を出すなど……」
扉の前には、長い黒髪を一つに束ね、金製の腕輪や首輪をじゃらじゃら付けた若い女性が、厳しい眼のまま立っていた。
「ふむ、そちらにいらっしゃるようでございますね」
「っておい! 勝手に入るんじゃない?!」
浩明の静止も聞かずずかずかと部屋の中に土足で入って来た若い女性。美華はどうされましたか? といつもの調子で返事をすると、彼女はあなたこそが我が宿敵……! となぜか美華を敵視するような言葉を紡ぎ出した。
「まずは自己紹介をいたしましょう。私は海 鈴蘭。この村の呪術師……いわば巫女です。この度はあなたに決闘を申し出に参りました!」
決闘という言葉に、浩明も美華もえ? と素っ頓狂な声で返事を出す事しかできなかった。
「そうだな、美華。俺もここに来るのは初めてだ」
長い移動時間の果てに到着した海龍村はまさしく、海上の上にある村だった。岸付近にもいくつか木造りの集落と建物があるが、海上の方がより人が多くいそうに見える。
そんな中、到着したばかりの浩明ら一行を岸にて出迎えようとしている人物達が現れた。
「陛下! ようこそお越しくださいました!」
「わが歴史ある海龍村へとようこそ!」
「皇后様もご一緒でとても嬉しいです!」
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(さっきからすごいじゃらじゃらと音が鳴っている気がする)
と美華が感じている間、浩明は村長と話し合っていた。村長は老いた男性で、腰は少しばかり曲がっている。そして白いひげを長くたらし、龍の国でも用いられる黒い冠帽をかぶっていた。
「では、早速お泊り頂く場所をご紹介いたしましょう」
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「おお、なかなか見ない建築物だな」
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村長から、ぜひお疲れを癒してください。と声を掛けられ、一行は別荘へと移動する。
「どうやら美華とは同じ部屋のようだな」
部屋の数に限りがある為、浩明は美華と同じ部屋となったのだ。美華は陛下が一緒でしたら大丈夫ですね。と呟く。
「……君は信頼しているのかしていないのかいまいちわからんな」
「?」
「いや、なんでもない。ただの独り言だ」
浩明の赤くなった顔は、当然ながら美華には見えないままだった。
「そちらに皇后様はいらっしゃいますか?!」
いきなり、ふたりの雰囲気をぶち壊すかのような若い女性の大きな声が外からこだました。浩明はなんなんだ……? とややめんどくさそうな顔をしながらも扉を開ける。
「誰だ? いきなり大きな声を出すなど……」
扉の前には、長い黒髪を一つに束ね、金製の腕輪や首輪をじゃらじゃら付けた若い女性が、厳しい眼のまま立っていた。
「ふむ、そちらにいらっしゃるようでございますね」
「っておい! 勝手に入るんじゃない?!」
浩明の静止も聞かずずかずかと部屋の中に土足で入って来た若い女性。美華はどうされましたか? といつもの調子で返事をすると、彼女はあなたこそが我が宿敵……! となぜか美華を敵視するような言葉を紡ぎ出した。
「まずは自己紹介をいたしましょう。私は海 鈴蘭。この村の呪術師……いわば巫女です。この度はあなたに決闘を申し出に参りました!」
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