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十三話 お姫様の熟考
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セシリオはだれからも愛されて、守られて生きてきた。
それが窮屈だと思うことは贅沢なのだろうか?
「ルイ様、いらっしゃらないんですか?」
「はい、お昼休みの後から姿が見えなくて」
そう聞いた時、すぐに兄のせいだと気づいた。
案の定、セシリオが兄たちがいつも『そういうこと』に使っている場所へ行くとそこには椅子に縛り付けられたルイがいた。
それを見た時、セシリオは冷や水を浴びせられたような思いがした。
いつも、自分のために誰かが犠牲になる。
セシリオを愛しているから、守りたいから、そう言って自分の身を犠牲にする人がたくさんいた。
セシリオは、怖かった。
自分が傷つくことよりも、自分のせいで誰かが傷つくことのほうがずっとずっと怖かった。
自分のせいで誰かが傷つくぐらいなら、自分を傷つけて欲しい。セシリオは痛いのも、辛いのも大丈夫だから。だから…
ルイと離れることを決めた。
歪んだセシリオを満たしてくれる人。
二人といない運命の人だと思ったけど、だからこそ、セシリオのせいで酷い目あって欲しくない。
なのに、
「僕と婚約してください」
そう、ルイの方から言ってくるなんて。
はい以外に答えなんてない。
婚約どころか、結婚だって、番契約だってする。
自分の、ジューン家の力が役に立つならいくらでも使えばいい。
自分がルイを守れるなら。
セシリオはルイに初めて抱かれたあの日から、ルイに全てを捧げると決めたのだ。
でも、ルイがセシリオの胸に飛び込んできたのなら、ルイにもセシリオに全てを捧げてもらわないと。
セシリオは喜びで頬を紅潮させながら微笑んだ。
それが窮屈だと思うことは贅沢なのだろうか?
「ルイ様、いらっしゃらないんですか?」
「はい、お昼休みの後から姿が見えなくて」
そう聞いた時、すぐに兄のせいだと気づいた。
案の定、セシリオが兄たちがいつも『そういうこと』に使っている場所へ行くとそこには椅子に縛り付けられたルイがいた。
それを見た時、セシリオは冷や水を浴びせられたような思いがした。
いつも、自分のために誰かが犠牲になる。
セシリオを愛しているから、守りたいから、そう言って自分の身を犠牲にする人がたくさんいた。
セシリオは、怖かった。
自分が傷つくことよりも、自分のせいで誰かが傷つくことのほうがずっとずっと怖かった。
自分のせいで誰かが傷つくぐらいなら、自分を傷つけて欲しい。セシリオは痛いのも、辛いのも大丈夫だから。だから…
ルイと離れることを決めた。
歪んだセシリオを満たしてくれる人。
二人といない運命の人だと思ったけど、だからこそ、セシリオのせいで酷い目あって欲しくない。
なのに、
「僕と婚約してください」
そう、ルイの方から言ってくるなんて。
はい以外に答えなんてない。
婚約どころか、結婚だって、番契約だってする。
自分の、ジューン家の力が役に立つならいくらでも使えばいい。
自分がルイを守れるなら。
セシリオはルイに初めて抱かれたあの日から、ルイに全てを捧げると決めたのだ。
でも、ルイがセシリオの胸に飛び込んできたのなら、ルイにもセシリオに全てを捧げてもらわないと。
セシリオは喜びで頬を紅潮させながら微笑んだ。
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