15 / 36
十五話 秘密の箱
しおりを挟む
「僕は放課後に用事があるので、先に僕の部屋に入って待っててください」
そう言われたのでルイは主人のいないセシリオの部屋で一人待っていた。
今までと違い二人の仲は公然のものとなったのでこそこそする必要はないが、婚約をしたからこそ、相手の部屋に行くというのは『意味』を持ってしまう。
今からするであろうことを考えればそれは至極真っ当なことであるのだが。
今日は何をするのだろうか、とルイは不安になった。
またセシリオの要望通り暴力的な行為をしなくてはいけないのだろうか。
あれをするたびに、ルイは自分の秘める暴力性に気付き恐ろしくなる。
考えれば考えるほど悪い方向に進んでしまいそうで、ルイは頭を振った。
なんとなく部屋を眺めると整頓された棚の中に見覚えのある箱を見つけた。
「あれ…」
あの箱。あの時、セシリオはあの箱から縄を取り出していた。
ルイの心に好奇心が湧き出す。
あの箱には、縄の他に何が入っているのだろうか。
怖いもの見たさというか、いつか自分が使わされるかもしれないものを見て見たかった。
「いや、でも盗み見るなんて…」
恥ずべきことだ。そう思ったが、それよりよっぽどはずべきことをセシリオにされてきた。どうせいつかは見ることになるんだし。
そう思って、ルイは箱を取り出して中を覗いた。
「う、わ…なんだ、これ」
箱の中をには見覚えのあるあの縄と、それ以外にも沢山の道具が入っていた。
なにに使うのかもわからないようなものがほとんどだ。
しかし、
「何個か、使ったあとがある…」
箱には赤黒いしみがあったり、劣化したような道具がいくつかあった。
それに、ほんのりとセシリオから香るあの甘い匂いがする。
もしかして、セシリオにはルイ以外にこの道具を使う相手がいたのだろうか?
「っ…?」
もやっとした胸に突っかかるような変な感じがしてルイは首を傾げた。
ルイは箱を元に戻し、元いた場所にまた戻った。
ちょうどそのとき、タイミング良くセシリオが部屋に戻ってきた。
そう言われたのでルイは主人のいないセシリオの部屋で一人待っていた。
今までと違い二人の仲は公然のものとなったのでこそこそする必要はないが、婚約をしたからこそ、相手の部屋に行くというのは『意味』を持ってしまう。
今からするであろうことを考えればそれは至極真っ当なことであるのだが。
今日は何をするのだろうか、とルイは不安になった。
またセシリオの要望通り暴力的な行為をしなくてはいけないのだろうか。
あれをするたびに、ルイは自分の秘める暴力性に気付き恐ろしくなる。
考えれば考えるほど悪い方向に進んでしまいそうで、ルイは頭を振った。
なんとなく部屋を眺めると整頓された棚の中に見覚えのある箱を見つけた。
「あれ…」
あの箱。あの時、セシリオはあの箱から縄を取り出していた。
ルイの心に好奇心が湧き出す。
あの箱には、縄の他に何が入っているのだろうか。
怖いもの見たさというか、いつか自分が使わされるかもしれないものを見て見たかった。
「いや、でも盗み見るなんて…」
恥ずべきことだ。そう思ったが、それよりよっぽどはずべきことをセシリオにされてきた。どうせいつかは見ることになるんだし。
そう思って、ルイは箱を取り出して中を覗いた。
「う、わ…なんだ、これ」
箱の中をには見覚えのあるあの縄と、それ以外にも沢山の道具が入っていた。
なにに使うのかもわからないようなものがほとんどだ。
しかし、
「何個か、使ったあとがある…」
箱には赤黒いしみがあったり、劣化したような道具がいくつかあった。
それに、ほんのりとセシリオから香るあの甘い匂いがする。
もしかして、セシリオにはルイ以外にこの道具を使う相手がいたのだろうか?
「っ…?」
もやっとした胸に突っかかるような変な感じがしてルイは首を傾げた。
ルイは箱を元に戻し、元いた場所にまた戻った。
ちょうどそのとき、タイミング良くセシリオが部屋に戻ってきた。
28
あなたにおすすめの小説
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
久しぶりの発情期に大好きな番と一緒にいるΩ
いち
BL
Ωの丞(たすく)は、自分の番であるαの かじとのことが大好き。
いつものように晩御飯を作りながら、かじとを待っていたある日、丞にヒートの症状が…周期をかじとに把握されているため、万全の用意をされるが恥ずかしさから否定的にな。しかし丞の症状は止まらなくなってしまう。Ωがよしよしされる短編です。
※pixivにも同様の作品を掲載しています
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる