知り難きこと陰の如く、動くこと雷霆の如し~武田家異聞~

氷室龍

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林の章

香姫と迎える初めての夜

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晴信は【次郎の回復は諏訪大明神の加護のおかげである】と触れて回る。勿論すぐに信じられたわけではないが、長延寺実了の【次郎様の左の眼には神力が宿っている】との見解が広まると俄然がぜん真実味を帯びた。それによって家臣団の士気は上がり、遂に藤沢頼親よりちかを破ったのである。これにより伊那郡いなぐん制圧は達成された。

「御館様、やりましたな!」
「うむ。これで高遠たかとうもやりやすくなるだろう」
「そうですね」
「信繁、よろしく頼む」
「お任せ下さい」

晴信は意気揚々と甲府に凱旋したのであった。



躑躅ヶ崎つつじがさきやかたでは戦勝祝いの宴が催され、飲めや歌えやの大騒ぎである。皆が口々にいうは【諏訪大明神の加護の賜物】【我が武田に敵なし】ということであった。

「やれやれ。皆、浮かれておるのぉ」
「先年手こずった藤沢を屈服させたのですから、当然でしょう」
「甘利殿も一献いっこん如何いかがです?」
わしはもう良いわ」
「左様ですか?原殿はまだまだ飲むつもりのようですよ」
「あれはザルじゃ!一緒にするでない!!」
「ハハハ。なるほど」
「工藤。そなたも妻子が待っておるのだ適当に切り上げろよ」
「わかっております」

虎康はため息をつきつつ、晴信に挨拶をして館をあとにしたのだった。

(御館様も随分と板にいいてきた。これなら信濃攻略も思いのほか早く成し得るかもしれぬ)

虎康は門を出たところで一度振り返る。喜びに沸き、心からの笑い声を耳にし頬を緩めるのだった。



一方、皆からしゃくをされた晴信は如何に酒を断るかで頭を悩ませていた。祝いの席だけに断り切れずどうしたものかと考えあぐねていると、虎胤が現れて飲み比べを始める。虎胤が【ここは儂にお任せ下され】そう耳打ちしてきたので、晴信は頷き、気付かれぬように広間をあとにしたのだった。

「それは災難でしたね」
「全く、次から次へと……」

晴信はふて腐れて褥に横になった。それを香姫がクスクスと笑ってみている。その姿に少しばかり腹が立ち、晴信は起き上がって香姫を抱き寄せ唇を奪う。突然のことに強ばらせた香姫だったが、優しく背を撫でてやれば応えるように腕を回してくる。室内に隠微な水音が響く。

「ん……」
「香。今宵、そなたを抱くが良いか?」
「宜しいのですか?」

唇を離し、そう囁けば香姫が戸惑うように見上げてくる。その瞳は潤んでおり、その先を強請っているようにも見える。

「三条の事なら心配はいらぬ」
「本当に?」
「昨夜から月のものが始まったと断られた」
「それはまた……」

香姫は答えに窮して苦笑いを浮かべる。項垂れる晴信に自ら口づける。突然のことに目を丸くする晴信。香姫は恥ずかしそうにはにかんでいた。

「長らく待たせたな」
「いえ……」
「俺は一度失敗しているからな。そなたが受け入れられると判断出来るまで待った」
「晴信様?」

晴信は香姫を優しく抱きしめ阿佐姫のことを話した。それは少しばかり胸の痛む話ではあるが、香姫にも知っておいて欲しかった。

「三条を迎える前に扇谷おうぎがやつ上杉の姫を娶ったのだ」
「扇谷上杉というと関東管領の?」
「そうだ。父上が扇谷上杉と同盟する事を決め、そのために輿入れしてきたのが阿佐姫だ」

晴信は悲しげに目を伏せながらぽつりぽつりと語る。
自分と阿佐姫がそのときとも十二であったこと。すぐに打ち解け仲睦まじかったこと。そして、二人はすぐに子を授かったこと。

「そう、阿佐は俺の子を身籠もった。だが、出産に耐えられるほど体は成熟していなかった」
「晴信様……」

香姫は暗く沈む晴信の姿から阿佐姫との結末が辛いものであったことを悟る。何も聞かず晴信の背中を抱きしめた。

「俺はそれから女子おなごには無理をさせぬと決めた。だから、そなたとねやを共にすることは控えていた」
「今宵、訪れて下さったということは……」
「まぁ、そういうことだ」

晴信は照れくさそうに頭を掻きながら笑みを浮かべる。それにつられて香姫も笑顔になる。そして、どちらともなく唇を重ねた。初めは触れるだけのもの。そして、徐々に濃厚なものに変わる。晴信は導くように先を促し、香姫がそれに応える。
晴信は背中を撫でていた手を下へと這わせる。寝間着の裾をはだけ、その柔らかな太股を撫で回す。香姫はその感覚に体を強ばらせ、唇を離した。

「怖いか?」
「少し……」
「そうか。だが、俺に任せればいい」
「はい」

晴信は香姫をしとねに押し倒し覆い被さる。腰紐を解き、はだけると小ぶりな双丘を揉みしだく。可愛らしいそれはまさしく花開く前の蕾を思わせる。晴信はその頂にある赤い実を口に含み吸い上げる。

「あっ……」

初めて味わう感覚に戸惑いの声を上げる香姫。その反応を確かめながら反対の頂を指で摘まむ。香姫はその感覚に翻弄されるように吐息を漏らし、体を捩る。晴信はそれを確かめながら次の段階へと進めていく。
太股を撫でていた左手は香姫が身を捩るのに合わせて上へ下へと往復を繰り返す。香姫の漏らす吐息に艶めいたものが含まれるのを見て取り、その手を足の付け根へと這わせた。そこは香姫がまだ発展途上の女であることを示すかのように薄い恥毛に覆われており、晴信の指は難なくその奥に秘された花芽を探り当てる。

「やっ!」

晴信がその花芽を摘まむ。すると、刺激が強かったのか弓なりに体を反らす香姫。その反応に目を細め、更なる高みへと押し上げようと秘裂に指を沿わせ撫でる。

「香、感じているのか?」
「感じる? 私、よく、わからない……」
「そうか。だが、怖がらずとも良い。俺が高みへと連れて行ってやる」
「晴信様……」

晴信はもう一度口付けを落とすと、秘所への愛撫を続ける。ゆっくりと慎重に秘裂をなぞる。奥からはトロリとした蜜が溢れてくる。それを指に絡め奥に隠れた蜜壷を探る。何度目か往復の後、指を蜜壷へと沈めた。

「はぁっ!」

新たな感覚に香姫がつま先で褥を掻く。その反応を楽しみつつ晴信は香姫の感じる場所を探り当てようと指を動かす。香姫の中は狭く、初めて受け入れたせいもあってか、きつく締め付けてくる。それは拒絶ではなく湧き上がる快楽に流されまいと抵抗しているようであった。晴信が中を擦り上げると香姫は一際甲高い喘ぎと共に体を強ばらせ、くたりと褥に沈む。
晴信はその姿を目にし最早我慢の限界であった。腰紐を解き、寝間着を脱ぎ捨てる。既に逸物は隆々と立ち上がり、よだれを垂らすかの如く先走りで濡れていた。

「香、少し痛むかもしれぬが許せ」

晴信は一言詫びる。香姫もそれが何を意味してのことなのか分かっているのようで、朦朧としながらも頷いた。
晴信は逸物を秘裂に宛がい、蜜をまんべんなく絡める。そして、蜜壷へと押し込んだ。香姫は初めて味合う異物感に目を見開く。その痛みに耐えるかのように両手で褥を強く掴んだ。晴信は【これ以上を我慢させるよりは】と思い、一気に腰を進めた。中で何かを突き破る感覚に香姫と貫通したことを実感する。
苦痛にゆがむ香姫はその手が白くなるほどキツく褥を掴んでいる。その手に自身のそれを重ねると指を絡め握りしめてくる。晴信もそれに応え、握り返した。

「香、動くぞ」
「はい……」

息も絶え絶えな香姫の姿に心が痛まなくもない。それでも香姫をもっと味わいたいという欲望の方が勝った。晴信は抽挿を始める。それは労るようにゆっくりとしたものであった。やがて、香姫の吐息に甘いものが混じり始める。中が蠢き、晴信を受け入れ始めているのだということが分かった。

「香……」
「あんっ、あぁ、やぁ……」

香姫の中は徐々に晴信を受け入れ始める。奥から溢れ出る蜜が晴信の抽挿を助ける。その証拠に二人の繋がった場所からグチュグチュと隠微な水音が漏れる。その音が晴信の興奮を更に高める。加えて、官能を拾い始めた香姫の体は晴信を奥へと誘う。中が蠢き、晴信を奥へと導き、子種を強請るように締め付けた。

「くっ!」

晴信は腹に力を入れ、歯を食いしばる。そうしなければ爆ぜてしまいそうだったからだ。だが、それほど持つものではない。

「香、少し激しくするが許せ!」
「はる、のぶ、さまぁ……」

晴信は己の本能に従い、奥を穿つ。室内に二人の体がぶつかる音と晴信の荒い息づかい。そして、香姫の喘ぎが響き渡る。
香姫は与えられる感覚に恐れ戦く。逃げるように体を捩ろうとするが晴信に腰を捕まれ逃げることが出来ない。勿論晴信は逃がす気などない。高みへと押し上げるように激しく奥を穿つ。

「香!!!」
「あぁぁぁぁぁ!!!」

晴信は一際深く穿つと肉襞が絡みつく。それは子種を強請るかの如く蠢いた。晴信は任せるままに爆ぜる。ドクドクと脈打つ逸物は欲望の証である白濁を吐き出し続ける。晴信はそのまま香姫の上に倒れ込む。そのまま息が整うまで互いを抱きしめ合った。
息が整ったところで晴信は少し体を起こし、逸物を引き抜いた。力をなくしたそれがズルリと抜け落ちると、収まりきらなかった白濁が破瓜の血と混ざり合ってこぼれ落ちる。その様に見入る晴信はこの上ない高揚感を覚えた。それに応えるように逸物はビクッと反応をする。

(まて、香は今宵が初めてだったのだ。これ以上無理をさせるわけにはいかない)

晴信は理性を総動員して欲望を押しとどめた。そして、香姫の横に倒れ込むと抱き寄せる。

「すまぬ」
「晴信様?」
「少し無理をさせた」
「いえ、そのようなことは……」

香姫は晴信の胸に頭を預けながらそういう。その姿が堪らなく可愛く思い、晴信は抱きしめる腕に力を入れた。

「今宵はもう眠ろう」
「はい、そうです……、ね」

はにかんだような笑みを浮かべそのまま眠りにつく香姫。その愛らしい寝顔に口付けを落とし、晴信もまどろみの中へと落ちていったのだった。


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