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仕事も終わり
乾杯
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「酒は行きわたったか?」
「見れば分かるだろ」
仕切りたがるかなめにうんざりした調子でカウラがそう言った。実際ショットグラスにラムを注いでいるかなめ以外は全員がジョッキを手にかなめが酒を注ぎ終わるのを待っていた。
「それじゃあ……麗子。司法局実動部隊へようこそ!乾杯!」
『乾杯!』
かなめの言葉を聞いて一同がジョッキを上げる。
「カンパーイ」
麗子が一々その場の人々のジョッキに自分のジョッキをぶつけてくる。
「マメだねえ……」
「かなめさんが大雑把すぎるのですわ……人々の上に立つものとしては当然のことでは無くて?」
呆れたような表情のかなめに麗子はそう反論した。
「さすが武家の棟梁と言う所か」
カウラはどう反応していいのか分からないというようにそう言った。
「でも田安中佐も意外と気安い方ですよね……かなめちゃんほどじゃないけど」
アメリアはビールを一口飲んだ後そう言って頬杖をついた。
「よく言われますわ……まあ、私の友達で一番お堅いのは響子さんですけど」
「響子か……アイツは硬いわな……なんと言っても『官派』の首魁だ……もう結婚してるし……餓鬼もいるし……」
かなめはショットグラスに注いだラムを飲みながらそう言った。
「響子さん……九条響子女公爵のことですか?」
アメリアは興味ありそうにそう言うと視線を麗子に向けた。
「そうその響子さん……愛媛のミカン農家だった西園寺家と違って九条家は地球でも本式の貴族でからね」
麗子はあっさりとそう言った。
「西園寺さん……先祖がミカン農家だったって本当ですか?」
誠は意外な麗子の言葉に視線をかなめに向けた。西園寺と言う名家っぽい名前が実はミカン農家のそれだと知って誠は少し困惑していた。
「そうだよ。初代西園寺基の本当の苗字は藤原。地球の日本のミカン農家のせがれだったんだ……それが何を血迷ったか『自分は伊予西園寺家の末裔でゆくゆくは関白になる!』って家を飛び出して遼州に流れて来たんだ。遼帝国独立戦争では持ち前の舌先三寸であれよあれよと出世して甲武で地球の派遣軍の総司令だった田安鉄太郎を説得して遼州独立の基礎を作ったんだ……」
かなめは遠いところを見るような視線でそう言った。
「そう言う人、日本の戦国時代にもいませんでしたか?僕、歴史が苦手だから名前までは出てきませんが……」
誠は誰か知っている人がいないかと言うように周りを見回す。
「そんなの豊臣秀吉に決まってんだろ?底辺校出身の俺でも知ってるぞ」
茶髪の島田がジョッキのビールを飲み干すと得意げにそう言い放った。
「なんでも当時は『今太閤』とか呼ばれてたらしいわ。結局、甲武国が建国されてその貴族の頂点に君臨したわけだ」
かなめはめんどくさそうにそう言うグラスのラムを舐めた。
「でもすごいわよね……たった一代で農民から貴族様に成り上がったんでしょ?」
「まあな。その後、田安鉄太郎の三女を嫁にもらって……代々日本出身の貴族の嫁だの婿だのを貰ったわけだ。その結果血脈的にも甲武随一の名門になっちまった訳。ちなみにアタシの爺さんは婿だ。足利家って言うところから来たんだが……神前に言っても分かんねえだろうな……徳川の前の幕府を開いた家だ」
「ええ、分かりません」
かなめの見下すような視線を受けながら誠はうなづいた。
「田安家の先祖の神君家康公の前の幕府を開いたのが足利家ですわ」
麗子はそう言ってビールを飲む。その誇らしげな笑みに誠は少し圧倒された。
「そちらも偉い人なんですね……」
誠はこれ以上深入りすると自分の無知をさらすことになるという苦笑いを浮かべながらかなめに目をやった。
「そう言うオメエだって『神前』の苗字を名乗るのは遼帝国帝室から東和に亡命した一族だろ……名門じゃねえか」
かなめの言葉に誠は今一つピンと来ていなかった。
「うちは母が『神前』と言う苗字でしたけど父の苗字は田中です……」
「関係ねえよ。オメエも世が世なら皇帝とかになってたかもしれねえぞ」
かなめはそう言って悪戯っぽい笑みを浮かべた。一人で先にビールを空けた島田が四つ足で会談に向かうのを蹴り上げるかなめの姿はまさに『女王様』と言った雰囲気すら漂わせていた。
「見れば分かるだろ」
仕切りたがるかなめにうんざりした調子でカウラがそう言った。実際ショットグラスにラムを注いでいるかなめ以外は全員がジョッキを手にかなめが酒を注ぎ終わるのを待っていた。
「それじゃあ……麗子。司法局実動部隊へようこそ!乾杯!」
『乾杯!』
かなめの言葉を聞いて一同がジョッキを上げる。
「カンパーイ」
麗子が一々その場の人々のジョッキに自分のジョッキをぶつけてくる。
「マメだねえ……」
「かなめさんが大雑把すぎるのですわ……人々の上に立つものとしては当然のことでは無くて?」
呆れたような表情のかなめに麗子はそう反論した。
「さすが武家の棟梁と言う所か」
カウラはどう反応していいのか分からないというようにそう言った。
「でも田安中佐も意外と気安い方ですよね……かなめちゃんほどじゃないけど」
アメリアはビールを一口飲んだ後そう言って頬杖をついた。
「よく言われますわ……まあ、私の友達で一番お堅いのは響子さんですけど」
「響子か……アイツは硬いわな……なんと言っても『官派』の首魁だ……もう結婚してるし……餓鬼もいるし……」
かなめはショットグラスに注いだラムを飲みながらそう言った。
「響子さん……九条響子女公爵のことですか?」
アメリアは興味ありそうにそう言うと視線を麗子に向けた。
「そうその響子さん……愛媛のミカン農家だった西園寺家と違って九条家は地球でも本式の貴族でからね」
麗子はあっさりとそう言った。
「西園寺さん……先祖がミカン農家だったって本当ですか?」
誠は意外な麗子の言葉に視線をかなめに向けた。西園寺と言う名家っぽい名前が実はミカン農家のそれだと知って誠は少し困惑していた。
「そうだよ。初代西園寺基の本当の苗字は藤原。地球の日本のミカン農家のせがれだったんだ……それが何を血迷ったか『自分は伊予西園寺家の末裔でゆくゆくは関白になる!』って家を飛び出して遼州に流れて来たんだ。遼帝国独立戦争では持ち前の舌先三寸であれよあれよと出世して甲武で地球の派遣軍の総司令だった田安鉄太郎を説得して遼州独立の基礎を作ったんだ……」
かなめは遠いところを見るような視線でそう言った。
「そう言う人、日本の戦国時代にもいませんでしたか?僕、歴史が苦手だから名前までは出てきませんが……」
誠は誰か知っている人がいないかと言うように周りを見回す。
「そんなの豊臣秀吉に決まってんだろ?底辺校出身の俺でも知ってるぞ」
茶髪の島田がジョッキのビールを飲み干すと得意げにそう言い放った。
「なんでも当時は『今太閤』とか呼ばれてたらしいわ。結局、甲武国が建国されてその貴族の頂点に君臨したわけだ」
かなめはめんどくさそうにそう言うグラスのラムを舐めた。
「でもすごいわよね……たった一代で農民から貴族様に成り上がったんでしょ?」
「まあな。その後、田安鉄太郎の三女を嫁にもらって……代々日本出身の貴族の嫁だの婿だのを貰ったわけだ。その結果血脈的にも甲武随一の名門になっちまった訳。ちなみにアタシの爺さんは婿だ。足利家って言うところから来たんだが……神前に言っても分かんねえだろうな……徳川の前の幕府を開いた家だ」
「ええ、分かりません」
かなめの見下すような視線を受けながら誠はうなづいた。
「田安家の先祖の神君家康公の前の幕府を開いたのが足利家ですわ」
麗子はそう言ってビールを飲む。その誇らしげな笑みに誠は少し圧倒された。
「そちらも偉い人なんですね……」
誠はこれ以上深入りすると自分の無知をさらすことになるという苦笑いを浮かべながらかなめに目をやった。
「そう言うオメエだって『神前』の苗字を名乗るのは遼帝国帝室から東和に亡命した一族だろ……名門じゃねえか」
かなめの言葉に誠は今一つピンと来ていなかった。
「うちは母が『神前』と言う苗字でしたけど父の苗字は田中です……」
「関係ねえよ。オメエも世が世なら皇帝とかになってたかもしれねえぞ」
かなめはそう言って悪戯っぽい笑みを浮かべた。一人で先にビールを空けた島田が四つ足で会談に向かうのを蹴り上げるかなめの姿はまさに『女王様』と言った雰囲気すら漂わせていた。
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