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第十一章 加速する混乱
第60話 策士を自称する女
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「なに余裕ぶっこいてんだよ。なんか策でもあるのか?向こうが動いていないときに動いた方がよりオメエの勝利に近づくんじゃねえのか?」
明らかに泥酔へと向かうようなペースでかなめはラム酒の瓶を空けようとしていた。だが、アメリアはただ微笑みながらその濃紺の長い髪を軽くかきあげて入り口の扉を見つめていた。
「あちらが動かないなら、こちらも動かない。それも策よ。それに島田君がああなったと言うことは私の予想は合ってたってこと。もう勝利は見えているのよ」
アメリアは余裕を込めてそう言った。
「なんだよそりゃ?策になってねえじゃねえか。それは『無策』って言う策だ。策じゃねえ。それと島田をオメエがどう見てるか知らねえがアイツは結構やるとなったらやる男だぞ。敵には回したくない男を敵に回したんだ。それを覚悟しておけよ」
かなめはアメリアの言葉に納得できないような顔でラム酒を飲んでいた。
「かなめちゃん、まあそれは冗談。でもかえでちゃんの協力でほぼこちらの勝利が決まったんですもの、今更動く必要なんてないわ」
アメリアはあっさりとそう言うとリンが運んできた缶ビールを飲んだ。
「かえでの協力?なんだ?金でも配ったのか?日野家と言えば『金』だからな」
不思議がるかなめにアメリアはいやらしい笑みを浮かべた。
「かえでちゃんが誠ちゃんに夜のお供用に毎週あげてる動画をうちの陣営に投票してくれた男性の抽選30名にプレゼントすることを宣伝したのよ。修正付きデモ動画を付けて。そしたら野郎共の食いつきの良いことときたら……当然そんなのは噓なんだけどね。あんな無修正のエロ動画を配ってるとなったら犯罪でしょ?だから餌としてばらまいたわけ。中々に気の利いた策でしょ?びっくりした?」
アメリアのあまりの突然の策に一番驚いたのは誠だった。
「あれを出したんですか!修正付きとは言えアレはハードすぎますよ!あんなプレイ市販されてるAVでも無いような内容ですよ!アレを出したんですか!」
誠は驚愕するしかなかった。そしてあの内容が修正付きとは言えネットでばらまかれてそれを誠が所持していることが公にされたことにあっけにとられていた。そしてそのプレイ内容のあまりに過激なことを知っている誠は修正付きとは言えそれがネットに流れたことに衝撃を受けていた。
「おい、神前。日野少佐からそんなものを毎週貰ってるのか?俺にも見せろよ……ただとは言わないから」
動揺する誠に菰田が言い寄ってくる。
「なんで貴様なんぞのような汚らわしい男に僕達の美しい裸体が淫靡に乱れる姿を見られなければならないんだ?それにアメリアも言ったように今回のは釣りだ。修正動画なら投票バナーをクリックすれば見られるからそちらで満足していろ」
菰田は古参の隊員からだけでは無く、設立されたばかりの第二小隊のかえでからも嫌われていた。かえではすげなくそう言うと静かに自分用に持って来たワインを飲んでいた。
「まあね。かえでちゃんの画像はちょっと過激すぎるから修正が入った状態でも菰田君には刺激が強すぎるかも。それに今この場所に入りたくてしょうがない人がもうすぐ来るでしょうから。その人にかえでちゃんの無修正動画なんて見せるわけにはいかないもの」
「はあ?なんだそりゃ?」
かなめの言葉を聞くと誰もが同じ思いだった。アメリアが嵯峨に次ぐ食えない人物であることは司法局実働部隊の隊員なら誰もが知っていた。この場の全員の意識がアメリアが見つめているドアに集中した。
ドアが少しだけ開いていた。そしてその真ん中くらいに何かが動いているのが見えた。
「なんですか?もしかして……」
そう言いながらリンが扉を開いた。
明らかに泥酔へと向かうようなペースでかなめはラム酒の瓶を空けようとしていた。だが、アメリアはただ微笑みながらその濃紺の長い髪を軽くかきあげて入り口の扉を見つめていた。
「あちらが動かないなら、こちらも動かない。それも策よ。それに島田君がああなったと言うことは私の予想は合ってたってこと。もう勝利は見えているのよ」
アメリアは余裕を込めてそう言った。
「なんだよそりゃ?策になってねえじゃねえか。それは『無策』って言う策だ。策じゃねえ。それと島田をオメエがどう見てるか知らねえがアイツは結構やるとなったらやる男だぞ。敵には回したくない男を敵に回したんだ。それを覚悟しておけよ」
かなめはアメリアの言葉に納得できないような顔でラム酒を飲んでいた。
「かなめちゃん、まあそれは冗談。でもかえでちゃんの協力でほぼこちらの勝利が決まったんですもの、今更動く必要なんてないわ」
アメリアはあっさりとそう言うとリンが運んできた缶ビールを飲んだ。
「かえでの協力?なんだ?金でも配ったのか?日野家と言えば『金』だからな」
不思議がるかなめにアメリアはいやらしい笑みを浮かべた。
「かえでちゃんが誠ちゃんに夜のお供用に毎週あげてる動画をうちの陣営に投票してくれた男性の抽選30名にプレゼントすることを宣伝したのよ。修正付きデモ動画を付けて。そしたら野郎共の食いつきの良いことときたら……当然そんなのは噓なんだけどね。あんな無修正のエロ動画を配ってるとなったら犯罪でしょ?だから餌としてばらまいたわけ。中々に気の利いた策でしょ?びっくりした?」
アメリアのあまりの突然の策に一番驚いたのは誠だった。
「あれを出したんですか!修正付きとは言えアレはハードすぎますよ!あんなプレイ市販されてるAVでも無いような内容ですよ!アレを出したんですか!」
誠は驚愕するしかなかった。そしてあの内容が修正付きとは言えネットでばらまかれてそれを誠が所持していることが公にされたことにあっけにとられていた。そしてそのプレイ内容のあまりに過激なことを知っている誠は修正付きとは言えそれがネットに流れたことに衝撃を受けていた。
「おい、神前。日野少佐からそんなものを毎週貰ってるのか?俺にも見せろよ……ただとは言わないから」
動揺する誠に菰田が言い寄ってくる。
「なんで貴様なんぞのような汚らわしい男に僕達の美しい裸体が淫靡に乱れる姿を見られなければならないんだ?それにアメリアも言ったように今回のは釣りだ。修正動画なら投票バナーをクリックすれば見られるからそちらで満足していろ」
菰田は古参の隊員からだけでは無く、設立されたばかりの第二小隊のかえでからも嫌われていた。かえではすげなくそう言うと静かに自分用に持って来たワインを飲んでいた。
「まあね。かえでちゃんの画像はちょっと過激すぎるから修正が入った状態でも菰田君には刺激が強すぎるかも。それに今この場所に入りたくてしょうがない人がもうすぐ来るでしょうから。その人にかえでちゃんの無修正動画なんて見せるわけにはいかないもの」
「はあ?なんだそりゃ?」
かなめの言葉を聞くと誰もが同じ思いだった。アメリアが嵯峨に次ぐ食えない人物であることは司法局実働部隊の隊員なら誰もが知っていた。この場の全員の意識がアメリアが見つめているドアに集中した。
ドアが少しだけ開いていた。そしてその真ん中くらいに何かが動いているのが見えた。
「なんですか?もしかして……」
そう言いながらリンが扉を開いた。
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