97 / 137
策謀の宙域
第97話 違いすぎる『敵』
しおりを挟む
誠を見送った嵯峨はくわえタバコを放り投げると、静かに身を起こして展望ルームのガラスに目を向けた。何もないはずの展望ルームのガラス一面に、水色の髪の女性の姿が浮き上がった。
「パーラか?通信の当番だったな……今の時間は。すまねえな」
そう言って嵯峨はニヒルな笑みを浮かべた。
『隊長……どうしたんですか?同盟会議からの無茶な命令なんて、いつものことじゃないですか!』
嵯峨は思った。『戦うことしかできなかったはずのパーラ・ラビロフ中尉が、いつの間にか実に魅力的な女性になった……』と。
満足した笑みを浮かべた後、嵯峨の表情が難解な問題を解く学生のような感じに変わる。
「……いや、いい。それよりも、今つながってる通信は、どこからだ?」
パーラの戸惑う顔に中年男らしい老成した表情を浮かべた嵯峨はそう言った。
『……それが……よくわからなくて……『甲武国陸軍憲兵少将嵯峨惟基に回せ』と言う電文が連続して届いているので、隊長に報告を……と』
目の前の巨大モニターの中でパーラは頭を掻きながらそう言った。
「わかったよ。俺の予想した通りなら、またすぐに同じような電文が届く。それをなんとかキャッチしろ」
嵯峨はそう言って静かに目をつぶった。
モニターに投影されていたパーラの表情がすぐに緊張を帯びる。
『電文来ました!回線回します!』
パーラの言葉に嵯峨は表情を変えずに、パーラと切り替わって画面に投影された『近藤貴久中佐』中佐の顔を眺めた。
『甲武国、『四大公末席』、嵯峨惟基憲兵少将閣下……』
「違うよ。俺はただの『嵯峨特務大佐』。『特殊な部隊』の隊長だ……閣下なんて柄じゃねえよ」
画面に映った近藤はそう嵯峨に向けて言った。少し考えごとをしているようなぼんやりとした表情の嵯峨は、静かに胸のポケットのタバコを取り出しながら近藤を見つめながら口を開いた。
『ならば嵯峨大佐。少しお話はできないでしょうか?』
近藤はそう言ってにやりと笑った。嵯峨はめんどくさそうにタバコに火をつけて展望ルームの画面いっぱいに映る意志の強そうな男の顔をにらみつけた。
「近藤さん……命乞いかい?」
嵯峨はそう言ってタバコをふかした。その目はぼんやりと展望ルームのガラスに映し出される『海軍官派決起の中心人物』近藤貴久中佐を眺めていた。
『自分は、閣下のように『生きることに執着する』タイプではありません』
近藤ははっきりそう言って挑発するような視線で嵯峨をにらみつける。
「そうかい、生きてりゃ俺に復讐する機会もあるんだが……あんたの『八丁味噌』が詰まった頭じゃわからんか」
タバコをくゆらせる嵯峨に近藤は見下したような笑みを浮かべた。
しばらく二人の間に沈黙が流れる。
嵯峨は静かにタバコを吸うばかりで口を開こうとしない。近藤もまた、目の前の『異様に若く見える策士』の考えが読み切れずに黙り込んでいた。
「話は変わるが、カーンの爺さんはどうした?逃げたのかな?俺の前から」
この嵯峨の言葉は効果的な『一言』だった。
表情を殺していた近藤の鉄面皮が完全に動揺の色に染まる。
『……貴様……なんでそれを……』
近藤は我慢してきた一言を漏らしてしまった。この通信は完全に『策士嵯峨惟基』の独壇場と化した。
「あの爺さん。変な妄執にとらわれてるが、あの人の頭には『脳味噌』が詰まってる。あんたみたいな『八丁味噌』じゃなくて、人間にふさわしい『脳味噌』って奴がね……」
力みの感じられない嵯峨の言葉はどこまでも自然だった。その態度が近藤をいらだたせるが、嵯峨はかまわず続けた。
「逃げたろうなあの爺さんは。あんたみたいにプライドだけで逃げることを知らない『糞袋』に義理立てする人じゃねえわな。それじゃあ無ければもうとうに『地球の敵対政府』に『戦争犯罪』容疑でお縄になってる。あんたは単なる囮。遊ばれてるんだよ、あんたは」
そう言って嵯峨は吸いかけのタバコを床に投げた。近藤は何も言えずにただ怒りの表情で嵯峨をにらみつけるだけだった。
「もっと言おうか?あんたの部下で実際使えるのは1割以下なんだ。他は単なるあんたへの『義理立て』で戦場にいるだけの『障害物』なんだよ、俺達から見たら」
『そんな馬鹿な!我々の意思は決して揺るぐことが無い!『貴族の名誉』を回復して『真の甲武国』に革新するために……』
近藤が演説を始めようとするのを嵯峨は手で制した。
「ヒトラー亡き後のナチスは、代行の総統がちゃんと連合軍に降伏してるよ。関係者もすぐに地下に潜って逃げ出してる。あの『鉄の団結』とかを掲げる、『ナチスドイツ』ですらそうなんだ。歴史はそう教えてるんだから認めなよ。近藤さん」
『『歴史』は『歴史』だ!我々が新たな『秩序』を打ち立てればそれでいい!』
唾を飛ばしながら近藤は叫んだ。
だが、嵯峨はそんな嵯峨に興味がないというようにぼんやりと近藤の顔を眺めていた。
「人間は基本的に『生きたいんだ』。理想のために死ぬのは格好がいいけど、そんなに簡単に死ねるのは一握りなの。おまえさんの乗艦の『那珂』のブリッジの連中は、確かにそのレアスキルを持っていて戦力にはなる」
嵯峨は退屈そうに話を続けた。近藤は仕方なくその言葉を聞いているだけだった。
「だけどさ、他の兵隊はどうかな?俺がちょっと、そいつらの家族にあてた『私信』をのぞき見たら……死ぬ気はないよ、あいつ等。あんた等『士族』と違って連中は『平民』だもの、主君に義理立てする必要はないもの。日々の生活で精いっぱいなんだ。近藤さん達と一緒に地獄に落ちるつもりは無いよ……さて、そいつ等が戦力になるかな?」
何気なくつぶやく嵯峨の言葉に近藤は激高してこぶしを握り締めた。
『『私信』だと!そんなものを見て恥ずかしくないのか!貴様は正々堂々と戦うつもりはないのか!』
「うん、無いよ。俺はプライドゼロが売りだもの。前だけ向いて勝てるなら将棋でもやりな。ついでに戦争もサバゲにしといた方がいいや……撃ち合うのはBB弾でやろうや……我ながらいいアイデアだな」
怒りに任せて叫ぶ近藤に嵯峨はやる気のない表情で答える。
「『甲武国』の憲兵資格ってのは便利でね。『司令部勤め』の近藤さんには理解できないでしょ?そんなところに戦争の結果が噛んでるなんて。兵隊もね、人間なんだ。彼等には『戦後』を生きる義務と権利がある。俺達職業軍人はそれを時々忘れちまうんだよ。でも、あんたも前の戦争が終わった後まで連中の面倒見たの?見てないでしょ?それがあんたの頭の中の『八丁味噌』の限界だ」
近藤の怒りに震える顔を見ながら嵯峨はそう言い放った。
「そこまで見れちゃうんだな、俺達諜報や憲兵をやってた人間には。憲兵隊には兵士の『私信』を検閲する権限があるんだ。『甲武国』の軍人の家族とか恋人とかに宛てた手紙を見る権限が俺にはある。他の軍隊にも大体あるよ、似たようなのが。俺はそいつに『嘘』を混ぜてその『兵隊』を使い物にならなくするようなお仕事もした経験があるわけ。いやあ、見事に引っかかったよ『お馬鹿な地球圏の兵隊』達。おかげであんた等『甲武国軍上層部』の無能を証明するような作戦でも通用したんだ。その点は感謝してもらわないと『作戦屋さん』」
近藤は嵯峨と言う男を図りかねていた。
同志であるルドルフ・カーンが言うように、嵯峨が『食えない男』であることは認める。
だが、やり方が汚すぎる。私情を利用して兵隊をかく乱しての勝利など近藤は望んではいなかった。
「汚いものを見るような視線だね、近藤さん。戦争とはそもそも殺し合い。『きれい』とか『汚い』とか贅沢は言えないんだ。違うかな?俺は間違ってるかな?」
近藤は『年齢と見た目が一致しない化け物』を目にしている事実に気づかないほど愚かではなかった。
「俺は『東都共和国二等武官』の仮面の下でそんなお仕事をしていたわけ。大使館の中で消息を絶った俺は『戦争の汚さ』をうんざりするほど見てきたんだ。だから、俺は戦争は嫌いだよ。近藤さんみたいに自分にとって都合のいい作戦を立案することで『甘い蜜』を吸ったことがねえからな、俺は」
そう言って嵯峨は画面に映し出される近藤を『殺意』を込めた力強い視線で睨みつけた。
「近藤さん。俺達『特殊な部隊』、遼州同盟司法局実働部隊は、あんたを『クーデター首謀者』として処刑する。俺と高名な『偉大なる中佐殿』ことクバルカ・ラン中佐がその首を落とす。多少の被害が出るが、くたばるあんたの知ったことじゃねえがな」
画面が突然消えた。近藤が不愉快さのあまり通信を遮断した結果だった。
「自分の都合のいいようにしか物事を考えられない『脳なし』には、綺麗に見えるのかな?『戦い』は。さっき歴史云々言ってたけど……『歴史』は生き残った人間が書くんだ。死んだ人間には『歴史』を書く資格がねえんだよ。それは単なる『ファンタジー』って奴さ」
そう言うと嵯峨は、大きな展望ルームのガラスの外に広がる世界に目をやった。
そこには宇宙のごみとなった『戦闘機械の残骸』が無数に浮かんでいた。それはかつての激戦の跡を思い出させる遺構だった。
「パーラか?通信の当番だったな……今の時間は。すまねえな」
そう言って嵯峨はニヒルな笑みを浮かべた。
『隊長……どうしたんですか?同盟会議からの無茶な命令なんて、いつものことじゃないですか!』
嵯峨は思った。『戦うことしかできなかったはずのパーラ・ラビロフ中尉が、いつの間にか実に魅力的な女性になった……』と。
満足した笑みを浮かべた後、嵯峨の表情が難解な問題を解く学生のような感じに変わる。
「……いや、いい。それよりも、今つながってる通信は、どこからだ?」
パーラの戸惑う顔に中年男らしい老成した表情を浮かべた嵯峨はそう言った。
『……それが……よくわからなくて……『甲武国陸軍憲兵少将嵯峨惟基に回せ』と言う電文が連続して届いているので、隊長に報告を……と』
目の前の巨大モニターの中でパーラは頭を掻きながらそう言った。
「わかったよ。俺の予想した通りなら、またすぐに同じような電文が届く。それをなんとかキャッチしろ」
嵯峨はそう言って静かに目をつぶった。
モニターに投影されていたパーラの表情がすぐに緊張を帯びる。
『電文来ました!回線回します!』
パーラの言葉に嵯峨は表情を変えずに、パーラと切り替わって画面に投影された『近藤貴久中佐』中佐の顔を眺めた。
『甲武国、『四大公末席』、嵯峨惟基憲兵少将閣下……』
「違うよ。俺はただの『嵯峨特務大佐』。『特殊な部隊』の隊長だ……閣下なんて柄じゃねえよ」
画面に映った近藤はそう嵯峨に向けて言った。少し考えごとをしているようなぼんやりとした表情の嵯峨は、静かに胸のポケットのタバコを取り出しながら近藤を見つめながら口を開いた。
『ならば嵯峨大佐。少しお話はできないでしょうか?』
近藤はそう言ってにやりと笑った。嵯峨はめんどくさそうにタバコに火をつけて展望ルームの画面いっぱいに映る意志の強そうな男の顔をにらみつけた。
「近藤さん……命乞いかい?」
嵯峨はそう言ってタバコをふかした。その目はぼんやりと展望ルームのガラスに映し出される『海軍官派決起の中心人物』近藤貴久中佐を眺めていた。
『自分は、閣下のように『生きることに執着する』タイプではありません』
近藤ははっきりそう言って挑発するような視線で嵯峨をにらみつける。
「そうかい、生きてりゃ俺に復讐する機会もあるんだが……あんたの『八丁味噌』が詰まった頭じゃわからんか」
タバコをくゆらせる嵯峨に近藤は見下したような笑みを浮かべた。
しばらく二人の間に沈黙が流れる。
嵯峨は静かにタバコを吸うばかりで口を開こうとしない。近藤もまた、目の前の『異様に若く見える策士』の考えが読み切れずに黙り込んでいた。
「話は変わるが、カーンの爺さんはどうした?逃げたのかな?俺の前から」
この嵯峨の言葉は効果的な『一言』だった。
表情を殺していた近藤の鉄面皮が完全に動揺の色に染まる。
『……貴様……なんでそれを……』
近藤は我慢してきた一言を漏らしてしまった。この通信は完全に『策士嵯峨惟基』の独壇場と化した。
「あの爺さん。変な妄執にとらわれてるが、あの人の頭には『脳味噌』が詰まってる。あんたみたいな『八丁味噌』じゃなくて、人間にふさわしい『脳味噌』って奴がね……」
力みの感じられない嵯峨の言葉はどこまでも自然だった。その態度が近藤をいらだたせるが、嵯峨はかまわず続けた。
「逃げたろうなあの爺さんは。あんたみたいにプライドだけで逃げることを知らない『糞袋』に義理立てする人じゃねえわな。それじゃあ無ければもうとうに『地球の敵対政府』に『戦争犯罪』容疑でお縄になってる。あんたは単なる囮。遊ばれてるんだよ、あんたは」
そう言って嵯峨は吸いかけのタバコを床に投げた。近藤は何も言えずにただ怒りの表情で嵯峨をにらみつけるだけだった。
「もっと言おうか?あんたの部下で実際使えるのは1割以下なんだ。他は単なるあんたへの『義理立て』で戦場にいるだけの『障害物』なんだよ、俺達から見たら」
『そんな馬鹿な!我々の意思は決して揺るぐことが無い!『貴族の名誉』を回復して『真の甲武国』に革新するために……』
近藤が演説を始めようとするのを嵯峨は手で制した。
「ヒトラー亡き後のナチスは、代行の総統がちゃんと連合軍に降伏してるよ。関係者もすぐに地下に潜って逃げ出してる。あの『鉄の団結』とかを掲げる、『ナチスドイツ』ですらそうなんだ。歴史はそう教えてるんだから認めなよ。近藤さん」
『『歴史』は『歴史』だ!我々が新たな『秩序』を打ち立てればそれでいい!』
唾を飛ばしながら近藤は叫んだ。
だが、嵯峨はそんな嵯峨に興味がないというようにぼんやりと近藤の顔を眺めていた。
「人間は基本的に『生きたいんだ』。理想のために死ぬのは格好がいいけど、そんなに簡単に死ねるのは一握りなの。おまえさんの乗艦の『那珂』のブリッジの連中は、確かにそのレアスキルを持っていて戦力にはなる」
嵯峨は退屈そうに話を続けた。近藤は仕方なくその言葉を聞いているだけだった。
「だけどさ、他の兵隊はどうかな?俺がちょっと、そいつらの家族にあてた『私信』をのぞき見たら……死ぬ気はないよ、あいつ等。あんた等『士族』と違って連中は『平民』だもの、主君に義理立てする必要はないもの。日々の生活で精いっぱいなんだ。近藤さん達と一緒に地獄に落ちるつもりは無いよ……さて、そいつ等が戦力になるかな?」
何気なくつぶやく嵯峨の言葉に近藤は激高してこぶしを握り締めた。
『『私信』だと!そんなものを見て恥ずかしくないのか!貴様は正々堂々と戦うつもりはないのか!』
「うん、無いよ。俺はプライドゼロが売りだもの。前だけ向いて勝てるなら将棋でもやりな。ついでに戦争もサバゲにしといた方がいいや……撃ち合うのはBB弾でやろうや……我ながらいいアイデアだな」
怒りに任せて叫ぶ近藤に嵯峨はやる気のない表情で答える。
「『甲武国』の憲兵資格ってのは便利でね。『司令部勤め』の近藤さんには理解できないでしょ?そんなところに戦争の結果が噛んでるなんて。兵隊もね、人間なんだ。彼等には『戦後』を生きる義務と権利がある。俺達職業軍人はそれを時々忘れちまうんだよ。でも、あんたも前の戦争が終わった後まで連中の面倒見たの?見てないでしょ?それがあんたの頭の中の『八丁味噌』の限界だ」
近藤の怒りに震える顔を見ながら嵯峨はそう言い放った。
「そこまで見れちゃうんだな、俺達諜報や憲兵をやってた人間には。憲兵隊には兵士の『私信』を検閲する権限があるんだ。『甲武国』の軍人の家族とか恋人とかに宛てた手紙を見る権限が俺にはある。他の軍隊にも大体あるよ、似たようなのが。俺はそいつに『嘘』を混ぜてその『兵隊』を使い物にならなくするようなお仕事もした経験があるわけ。いやあ、見事に引っかかったよ『お馬鹿な地球圏の兵隊』達。おかげであんた等『甲武国軍上層部』の無能を証明するような作戦でも通用したんだ。その点は感謝してもらわないと『作戦屋さん』」
近藤は嵯峨と言う男を図りかねていた。
同志であるルドルフ・カーンが言うように、嵯峨が『食えない男』であることは認める。
だが、やり方が汚すぎる。私情を利用して兵隊をかく乱しての勝利など近藤は望んではいなかった。
「汚いものを見るような視線だね、近藤さん。戦争とはそもそも殺し合い。『きれい』とか『汚い』とか贅沢は言えないんだ。違うかな?俺は間違ってるかな?」
近藤は『年齢と見た目が一致しない化け物』を目にしている事実に気づかないほど愚かではなかった。
「俺は『東都共和国二等武官』の仮面の下でそんなお仕事をしていたわけ。大使館の中で消息を絶った俺は『戦争の汚さ』をうんざりするほど見てきたんだ。だから、俺は戦争は嫌いだよ。近藤さんみたいに自分にとって都合のいい作戦を立案することで『甘い蜜』を吸ったことがねえからな、俺は」
そう言って嵯峨は画面に映し出される近藤を『殺意』を込めた力強い視線で睨みつけた。
「近藤さん。俺達『特殊な部隊』、遼州同盟司法局実働部隊は、あんたを『クーデター首謀者』として処刑する。俺と高名な『偉大なる中佐殿』ことクバルカ・ラン中佐がその首を落とす。多少の被害が出るが、くたばるあんたの知ったことじゃねえがな」
画面が突然消えた。近藤が不愉快さのあまり通信を遮断した結果だった。
「自分の都合のいいようにしか物事を考えられない『脳なし』には、綺麗に見えるのかな?『戦い』は。さっき歴史云々言ってたけど……『歴史』は生き残った人間が書くんだ。死んだ人間には『歴史』を書く資格がねえんだよ。それは単なる『ファンタジー』って奴さ」
そう言うと嵯峨は、大きな展望ルームのガラスの外に広がる世界に目をやった。
そこには宇宙のごみとなった『戦闘機械の残骸』が無数に浮かんでいた。それはかつての激戦の跡を思い出させる遺構だった。
0
あなたにおすすめの小説
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
孤児が皇后陛下と呼ばれるまで
香月みまり
ファンタジー
母を亡くして天涯孤独となり、王都へ向かう苓。
目的のために王都へ向かう孤児の青年、周と陸
3人の出会いは世界を巻き込む波乱の序章だった。
「後宮の棘」のスピンオフですが、読んだことのない方でも楽しんでいただけるように書かせていただいております。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる