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戦地
第114話 死を覚悟した女王様
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「アタシを狙って来たか……やっと、このふざけた体ともおさらばだな……」
西園寺かなめはモニターの中でミサイル発射管を開いて主砲の砲塔を自分に向けてくる敵艦『那珂』を見ながらそうつぶやいた。
彼女の230ミリロングレンジ狙撃用レールガンは『那珂』のブリッジを捉えていたが、彼女はトリガーを引かなかった。
「三歳の時、爺さんを狙ったテロでこの体になって……いつかこういう日が来るのを待ってたんだ……アタシは」
通信はランや誠、カウラや『ふさ』のブリッジクルーにも伝わっていた。
「人を殺すのはもう飽きたんだ……せっかく面白くなってきた人生だが……仕方がねえや」
かなめはそう言うとヘルメットを脱いで、腰のポーチから愛用のタバコ、『コイーバクラブ』を一本取り出した。
『待ってください!』
突然、新米の神前誠がそう叫んだ。それまでは胃の内容物の逆流に耐えながらヘルメットを抑えたりして気を紛らわせていた気の弱い誠の急変にかなめは少し驚いて葉巻用のガスライターに伸ばした手を止めた。
神前誠の専用機『05式特戦乙型』は最新機と言うことで大出力エンジンを搭載していた。
一気に機体は加速して先行していた機動部隊長、クバルカ・ラン中佐の『紅兎』弱×54を追い抜く。
『僕が囮になります!西園寺さん!今のうちに後退を!』
かなめの機体のコックピットに誠の叫びが響いた。誠のその声にかなめは何故かほっとして肩の力が抜けていくのを感じた。
「おいおい、誰に話してるつもりだ?オムツをつけた新入りに指図されるほど落ちぶれちゃいねえよ。敵さんのミサイルはアタシを狙ってる。アタシの『屠殺』を免れた家畜が二匹ほど伏せてる、そいつはオメエが食え!」
そう言うとかなめはロングレンジライフルを投げ捨てて、自機の重力波の想定位置に向けてキャノン砲を連射している火龍に向け突撃をかけた。火龍のセンサーは自分で撒いたチャフによって機能していないのは明らかだった。
「馬鹿が!いい気になるんじゃねえ!」
目視確認できる距離まで詰める。ようやく気づいた2機の火龍だが、近接戦闘を予定していない駆逐アサルト・モジュールには、ダガーを構え切り込んでくるエースクラスの腕前のかなめを相手にすることなど無理な話だった。
「死に損ないが!とっととくたばんな!」
すばやく手前の機体のコックピットにダガーが突き立つ。もう一機は友軍機の陰に隠れるかなめの機体の動きについていけないでいる。
「悪く思うなよ!恨むなら馬鹿な大将を恨みな!」
機能停止した火龍を投げつけながら、その影に潜んで一気に距離を詰めると、かなめは二機目の火龍のエンジン部分をダガーでえぐった。
かなめは敵機のパイロットが死亡したことによる機能停止を確認するともう一度『那珂』に目をやった。
すでに迎撃ミサイルは発射されていた。そして艦の主砲はかなめ機に砲身を向けて待機している。
「神前!来るな!巻き添えを食らうぞ!」
悲痛な『女王様』の悲しい願いが遼州星系のアステロイドベルトに響き渡った。
『西園寺さん……死なないでください……西園寺さん』
誠は口の中に酸を含んだ液体が湧き上がってくるのも構わずに機体を『那珂』めがけて突入させた。
西園寺かなめはモニターの中でミサイル発射管を開いて主砲の砲塔を自分に向けてくる敵艦『那珂』を見ながらそうつぶやいた。
彼女の230ミリロングレンジ狙撃用レールガンは『那珂』のブリッジを捉えていたが、彼女はトリガーを引かなかった。
「三歳の時、爺さんを狙ったテロでこの体になって……いつかこういう日が来るのを待ってたんだ……アタシは」
通信はランや誠、カウラや『ふさ』のブリッジクルーにも伝わっていた。
「人を殺すのはもう飽きたんだ……せっかく面白くなってきた人生だが……仕方がねえや」
かなめはそう言うとヘルメットを脱いで、腰のポーチから愛用のタバコ、『コイーバクラブ』を一本取り出した。
『待ってください!』
突然、新米の神前誠がそう叫んだ。それまでは胃の内容物の逆流に耐えながらヘルメットを抑えたりして気を紛らわせていた気の弱い誠の急変にかなめは少し驚いて葉巻用のガスライターに伸ばした手を止めた。
神前誠の専用機『05式特戦乙型』は最新機と言うことで大出力エンジンを搭載していた。
一気に機体は加速して先行していた機動部隊長、クバルカ・ラン中佐の『紅兎』弱×54を追い抜く。
『僕が囮になります!西園寺さん!今のうちに後退を!』
かなめの機体のコックピットに誠の叫びが響いた。誠のその声にかなめは何故かほっとして肩の力が抜けていくのを感じた。
「おいおい、誰に話してるつもりだ?オムツをつけた新入りに指図されるほど落ちぶれちゃいねえよ。敵さんのミサイルはアタシを狙ってる。アタシの『屠殺』を免れた家畜が二匹ほど伏せてる、そいつはオメエが食え!」
そう言うとかなめはロングレンジライフルを投げ捨てて、自機の重力波の想定位置に向けてキャノン砲を連射している火龍に向け突撃をかけた。火龍のセンサーは自分で撒いたチャフによって機能していないのは明らかだった。
「馬鹿が!いい気になるんじゃねえ!」
目視確認できる距離まで詰める。ようやく気づいた2機の火龍だが、近接戦闘を予定していない駆逐アサルト・モジュールには、ダガーを構え切り込んでくるエースクラスの腕前のかなめを相手にすることなど無理な話だった。
「死に損ないが!とっととくたばんな!」
すばやく手前の機体のコックピットにダガーが突き立つ。もう一機は友軍機の陰に隠れるかなめの機体の動きについていけないでいる。
「悪く思うなよ!恨むなら馬鹿な大将を恨みな!」
機能停止した火龍を投げつけながら、その影に潜んで一気に距離を詰めると、かなめは二機目の火龍のエンジン部分をダガーでえぐった。
かなめは敵機のパイロットが死亡したことによる機能停止を確認するともう一度『那珂』に目をやった。
すでに迎撃ミサイルは発射されていた。そして艦の主砲はかなめ機に砲身を向けて待機している。
「神前!来るな!巻き添えを食らうぞ!」
悲痛な『女王様』の悲しい願いが遼州星系のアステロイドベルトに響き渡った。
『西園寺さん……死なないでください……西園寺さん』
誠は口の中に酸を含んだ液体が湧き上がってくるのも構わずに機体を『那珂』めがけて突入させた。
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