35 / 74
旅行。29
しおりを挟む乱れ舞い散る桜を魅いり、君のこと思い出していた。
彼女は、2歳年下の元婚約者ダイアナ・エジンバラ伯爵令嬢、生きていたら22歳。
婚約期間は1年間だった。僕が10歳で彼女は8歳の誕生日会の日、とんでもない事件に、エジンバラ伯爵が巻き込まれたのだ。
王族への反逆罪、エジンバラ伯爵は投獄され、ダイアナは娼館に売られて、16歳になるまでは、下働きをすることになった。
彼女は僕に信じて欲しいと懇願していたが、子供の僕は守るすべも無く彼女が連れていかれたのを見てるだけだった。
いや子供だったからではない信じていなかったのだ。エジンバラ伯爵には昔から嫌な噂話が多く俺は噂を信じたのだ。
3年後エジンバラ伯爵の無実は晴れたが遅かった。
エジンバラ伯爵は処刑されていた。
娘ダイアナは娼館で下働きをしていたが、すでに誰かと脱走した後だった。
僕は後悔して泣いていた。
あんなに可愛いがって、くれていたエジンバラ伯爵を疑い、婚約者であるダイアナ令嬢も見捨てたんだ。
噂で娼館の下働きをしてると知っていたのに僕は迎えに行かず・・・。
あれから、婚約は3回して今はヴィヴィアンと言う伴侶がいる。酷い男だが、彼女を愛していたか覚えていないが、あの日の彼女を忘れられない!
❆
お菓子を食べながら、シェーン公爵の屋敷応接間で話しをしていた。
マイクが深い溜め息をした。
「最低だな!」
グサ シェーン公爵のハートに刺さった音。
「声に出してたのか?どこから聞いていた?」
ニヤニヤ笑いながらマイクが言う。
「婚約期間は、1年とかボソボソ小声だから」
グサ
ソリティ警部補とフランクリン巡査もニヤニヤしながら。
「「婚約者3人目いたんだね、愛していたか覚えていないのか!」」
グサ
ソリティ警部補は真顔で話した。
「でも、婚約者に対して酷い扱いだな、ダイアナだっけ?探し出して、ご免なさいくらいしたらどうだ?」
下を向き両手は膝におき暗い声で、あの頃の気持ちを語った。
「・・・俺は、怖いんだ彼女は多分、僕を好きでいてくれたと思うが僕は彼女を好きだったか解らないんだ」
3人は同じ気持ちで話した。
「「「推理は、ソコソコできるのに女心いまいち!」」」
「悪かったな警察は暇なんだな!何の用事で来たんだ!」
ソリティ警部補が話す。
「忘れてた!シルキーフックって聞いたことあるか?」
シェーン公爵は紅茶に蜂蜜を入れて、まぜながら答えた。
「路地裏にイタズラ書きは、見たこと有るな!それくらいの認識だよ」
「この前の事件あれは、シルキーフックだと解ったんだ!」
まだ、ダイアナが頭から消えていない!
「もしかしたら、彼女は僕の近くに居るのかも、最近視線を感じていたんだ」
ソリティ警部補が呆れて話す。
「う~ん公爵、寝た方がいいな今は、ポンコツになってるぞ」
マイクが真顔で話す。
「案外シェーン公爵の妄想かもよ、クソみたいな扱いされても相手は今でも好きで、いてくれるって?ないよ諦めて!」
グサ
「「うんうん、もう恋人いるな」」
グサ あれ?何でグサなんだ?
「お前達は・・・彼女を知らないだろう?それに俺にはヴィヴィアンがいるからな」
「ソリティ警部補さん、シェーン公爵様、結構未練タラタラですね奥さんいるのに」
「だね、マイク君、公爵を早く寝かそう、このまま起きていたら明日もポンコツだぞ!」
こんな話しを夜の帳が下りても延々続いた。
ヴィヴィアンが、いなくて良かった。
18
あなたにおすすめの小説
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
彼を追いかける事に疲れたので、諦める事にしました
Karamimi
恋愛
貴族学院2年、伯爵令嬢のアンリには、大好きな人がいる。それは1学年上の侯爵令息、エディソン様だ。そんな彼に振り向いて欲しくて、必死に努力してきたけれど、一向に振り向いてくれない。
どれどころか、最近では迷惑そうにあしらわれる始末。さらに同じ侯爵令嬢、ネリア様との婚約も、近々結ぶとの噂も…
これはもうダメね、ここらが潮時なのかもしれない…
そんな思いから彼を諦める事を決意したのだが…
5万文字ちょっとの短めのお話で、テンポも早めです。
よろしくお願いしますm(__)m
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ
みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。
婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。
これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。
愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。
毎日20時30分に投稿
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
【完結】愛していないと王子が言った
miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。
「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」
ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。
※合わない場合はそっ閉じお願いします。
※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる