3 / 44
第3話 王太子様登場! ぼく、命の保証なし!?
しおりを挟む
「待て。そこを動くな」
だだだ、大ピンチ! 大変!
記憶が戻った翌日、部屋から出て10歩のところで危機。
さっそくダメかも。
おどろくべき速さ。あまりにも素早いピンチの陥り方。
侍女さんたちの目を盗んでこっそり王宮内を探検すべく部屋を出て約5秒。
あまりにも短い探検、そして特大のピンチ。
「いいか。一歩も動くなよ」
ビックリするほど王子様な見た目の王子様が、厳しい顔でにらみつけてくる。
まだ、回廊の向こうの階段の途中にいるのに、威圧感がビシッと伝わってくる。
言われなくても動ける気はしない。あ、でも足はちょっと動いてるかも。動いてるっていうか震えてる。
「動けば命の保証はないぞ」
「ひえっ!」
言われた瞬間、ちょっと飛んだかな?ってくらい、ビクッとなった。
あああ、もうダメかもぉぉぉ!
えっ、もしかしてもう処刑? 早くない? 誰も真似できないスピード感すぎない?
処されるのは10年後では? あまりにも早すぎて震える。
ぼく、部屋を出て10歩だし、まだなにもしてないのにぃぃ。
すんごい王子様な見た目の王子様は、この国の王太子様で、もうそれはそれは偉い。なんといっても次の王様だ。まだ12才とはいえ、とてつもない権力者なのだ。
この人が、こいつダメー!って言ったら、いつ処されてもおかしくない。
いま捕まって、「お前なんかダメだから処刑!」って言われたら、ぼく明後日くらいに終わりそう。明日処刑が決まって、明後日処刑。それくらいの速度でやっちゃえる偉さ。
「今そちらに行く」
10年後の処刑を回避するべく、今から「何も企んでなさそうないい子」を頑張るはずだったのにぃ……
はわわわわ……
前世の記憶が戻ってたった1日。
部屋から出てたって10歩。
ぼくの人生、原作の悪役王子様より超特急で終わりそう。
うう、こんなのあんまりだ。
これじゃあ死ぬために生まれ変わったみたいだし、思い出した意味もない。
「グスン……ひっく……」
そう思ったらしみじみ悲しくなってくる。じわっと目の端から水が漏れてきた。いったん漏れはじめたら、蛇口はないので水漏れっぱなしだ。すぐに、ほっぺたがべしょべしょになる。
「……っ!? なにを泣いている?」
「ひぇぇッ!」
びっっっくりした!びっくりしたびっくり――
「そなた、どうした?」
びっくりし過ぎてカチコチになったぼくの腕を、がば、とつかむ。その拍子に、両目の水漏れがパッと止まった。
お……王太子様、いつの間にここに? え、もしかしてこの国の偉い人って瞬間移動とかいけるタイプ? 魔法とか使っちゃう? 明後日じゃなくて今、処刑する? ぼく、処される?
「うえっ……、し――」
「し? なんだ?」
「死にたくない……うう……」
「えっ」
王太子様はぼくの腕をつかんだまま、めちゃくちゃビックリした声を出した。
え、どういうこと? 王太子様、自分で「動けば命の保証はない」って言ったのに、なんでそんな驚いてるの? 瞬間移動した拍子に忘れちゃった?
それならまだ生きられる? 可能性ある?
「――そうか、動いたら命が危ないと言ったからか」
違います王太子様。動けば命の保証はない、です。そこ重要なので。ニュアンスがだいぶ違います。
「もう大丈夫だ。心配しなくていい」
「え、ほんとに?」
がば、と顔を上げると、王太子様は面食らったみたいな顔になった。
しまった。ちょっと現金過ぎた? いやだって、ほら、ほんとかなって思ってつい。
「ああ、私が来たからもう安心だ」
「……」
ぼくはがっかりしてまた顔をふせた。同時に止まった蛇口からまたじわじわ水が漏れる。
「お、おい。なぜまた泣く? 大丈夫だと言っただろう」
「うぐっ……本当に?」
ちらっと見上げると、王太子様は眉をぎゅっとしてぼくを見ていた。
「うう……」
まだ蛇口が閉まらないぼくがグスグスしていると、王太子様はそうっと掴んでいた腕を放して……ちょっと優しくつかみ直した。
なんで。そのまま放してくれたらいいのに。
「そなた、なぜ一人で歩いている? 危ないだろう。侍女や護衛はどうした?」
ぎくっ! となって、蛇口が閉まった。
「部屋にいて、あの、ちょっとひとりで歩いてみたいな~って」
「なぜだ」
――王太子様、さっきからちらっと思ってたんですが、なんでそんな偉いじーさまみたいなしゃべり方? え、若く見えてもしかしておじいちゃ……や、それはないか。原作の設定だと12歳のはず。
「どうした? 怒らないから言ってみよ」
「あんまり、ぼくあの、部屋の外がわからないから知りたいなって」
怒らないと言われて、僕は勢いづいてすらーっと説明する。我ながら現金だ。
「しかしひとりでは危ないだろう。転んで頭を打って、発見されるのが遅くなりでもしたら、命の保証はないぞ?」
「……!!」
命の保証はないぞは、これーーー!?!?
よかった! 私の王宮を勝手にうろうろするような不届き者は今すぐ処するぞ! じゃなかったーーー!?
「よかったーー!!」
「いや、よくないぞ。1人で出歩いてなにかあったらどうする。今後は誰かに供をさせよ」
「……」
えー、それはやだなー、とか思ってたら、うっかり王太子様の言葉を無視するような沈黙ができてしまっていた。
え、しまった! どうしよう! 今度こそ処される?
「どうした。供を連れるのは嫌か? もしや侍女たちになにか問題でも――」
「いえ! 違うます!」
あ、焦って噛んだ。
ぼくが独り歩き自粛要請に渋い返事をしたせいで、侍女さんたちが怒られたら悪い。
「侍女さんたちは、なにも問題ないです。……まぁ、ちょっと、1.2.3じゃないし3姉妹でも三つ子でもなくていろいろややこしいけど――」
あ、どうでもいいこと言っっちゃった。
「……ややこしい?」
「いえ! あの! ちょっとにぎやかなだけで、とくに問題は――」
あ、また余計なこと言ったような気が……。
「ああ、にぎやか、な……うむ」
けど、王太子様は妙に納得顔で、うむーとうなずいた。
王太子様、侍女さんたちがちょっとにぎやかってこと知ってるんだ。やっぱちょっと、そうだよね、うん。
「そうだな。たまにはのんびり歩きたいこともあるだろうな」
急にわかってくれた! 侍女さんたち、にぎやかでありがとう!
「はい!」
「う、うむ」
返事、勢いよすぎたかも。王太子様はちょっとひるんだみたいに目をパチっとさせた。
そうするとちょっとだけ、子供っぽくみえるというか年相応にみえて、なんだかホッとする。
「わかった。では、私が一緒に行こう」
「え」
予想のはるか斜め上からきた提案に、食い気味の「え」が口から飛び出した。
「……嫌か」
王太子様が気のせいかしょぼんとして見える。多分気のせいだけど。
「私では、駄目か」
あー、気のせいじゃないかも。まずい! ここで機嫌を損ねるようなことをしたら処刑いっちょくせん!
「ダメじゃないです! ぜんぜんありがとうございます!」
「そうか。では、今日はこれから予定があるから、明日の午後、迎えにいこう」
「え」
まさかの王太子様がぼくをお迎え。
「嫌か」
「ぜんぜんです! おねがいします! たのしみです!」
ぼくはスキルが少し上がった。王太子様の微かなしょんぼりを速攻で感知して対応するスキルを身に着けた。
「決まりだな。それまでいい子で待っているように」
「はい!」
「サファさまー! どちらにいらっしゃいますかー!」
「サファさまー!」
「サファさまー!」
そのとき、部屋の中から、ぼくを呼ぶ三重奏が聞こえてくる。
「ほら、侍女たちが探しているぞ。すぐに戻るといい」
「はい!」
ぼくは元気よく返事をして、元気よく振り返って、元気よく走り出して、
「あっ――!」
そのまま元気よく転けそうになった。
「あぶない!」
「あわわわ」
「ほら、ひとりは危ないだろう?」
「は、はい」
「急がずゆっくり戻れ」
「はい! ありがとうございました!」
ぼくは元気よく返事をして、今度は慎重に足を進めた。
「…………」
背中に、じーっと見守る視線を感じながら。
ちょ、あんまり偉い人に凝視されると……もぞもぞする、ような。
え、大丈夫? 背中に穴、開いちゃったり……しない?
あ、あとで侍女さんに、見てもらお……。
だだだ、大ピンチ! 大変!
記憶が戻った翌日、部屋から出て10歩のところで危機。
さっそくダメかも。
おどろくべき速さ。あまりにも素早いピンチの陥り方。
侍女さんたちの目を盗んでこっそり王宮内を探検すべく部屋を出て約5秒。
あまりにも短い探検、そして特大のピンチ。
「いいか。一歩も動くなよ」
ビックリするほど王子様な見た目の王子様が、厳しい顔でにらみつけてくる。
まだ、回廊の向こうの階段の途中にいるのに、威圧感がビシッと伝わってくる。
言われなくても動ける気はしない。あ、でも足はちょっと動いてるかも。動いてるっていうか震えてる。
「動けば命の保証はないぞ」
「ひえっ!」
言われた瞬間、ちょっと飛んだかな?ってくらい、ビクッとなった。
あああ、もうダメかもぉぉぉ!
えっ、もしかしてもう処刑? 早くない? 誰も真似できないスピード感すぎない?
処されるのは10年後では? あまりにも早すぎて震える。
ぼく、部屋を出て10歩だし、まだなにもしてないのにぃぃ。
すんごい王子様な見た目の王子様は、この国の王太子様で、もうそれはそれは偉い。なんといっても次の王様だ。まだ12才とはいえ、とてつもない権力者なのだ。
この人が、こいつダメー!って言ったら、いつ処されてもおかしくない。
いま捕まって、「お前なんかダメだから処刑!」って言われたら、ぼく明後日くらいに終わりそう。明日処刑が決まって、明後日処刑。それくらいの速度でやっちゃえる偉さ。
「今そちらに行く」
10年後の処刑を回避するべく、今から「何も企んでなさそうないい子」を頑張るはずだったのにぃ……
はわわわわ……
前世の記憶が戻ってたった1日。
部屋から出てたって10歩。
ぼくの人生、原作の悪役王子様より超特急で終わりそう。
うう、こんなのあんまりだ。
これじゃあ死ぬために生まれ変わったみたいだし、思い出した意味もない。
「グスン……ひっく……」
そう思ったらしみじみ悲しくなってくる。じわっと目の端から水が漏れてきた。いったん漏れはじめたら、蛇口はないので水漏れっぱなしだ。すぐに、ほっぺたがべしょべしょになる。
「……っ!? なにを泣いている?」
「ひぇぇッ!」
びっっっくりした!びっくりしたびっくり――
「そなた、どうした?」
びっくりし過ぎてカチコチになったぼくの腕を、がば、とつかむ。その拍子に、両目の水漏れがパッと止まった。
お……王太子様、いつの間にここに? え、もしかしてこの国の偉い人って瞬間移動とかいけるタイプ? 魔法とか使っちゃう? 明後日じゃなくて今、処刑する? ぼく、処される?
「うえっ……、し――」
「し? なんだ?」
「死にたくない……うう……」
「えっ」
王太子様はぼくの腕をつかんだまま、めちゃくちゃビックリした声を出した。
え、どういうこと? 王太子様、自分で「動けば命の保証はない」って言ったのに、なんでそんな驚いてるの? 瞬間移動した拍子に忘れちゃった?
それならまだ生きられる? 可能性ある?
「――そうか、動いたら命が危ないと言ったからか」
違います王太子様。動けば命の保証はない、です。そこ重要なので。ニュアンスがだいぶ違います。
「もう大丈夫だ。心配しなくていい」
「え、ほんとに?」
がば、と顔を上げると、王太子様は面食らったみたいな顔になった。
しまった。ちょっと現金過ぎた? いやだって、ほら、ほんとかなって思ってつい。
「ああ、私が来たからもう安心だ」
「……」
ぼくはがっかりしてまた顔をふせた。同時に止まった蛇口からまたじわじわ水が漏れる。
「お、おい。なぜまた泣く? 大丈夫だと言っただろう」
「うぐっ……本当に?」
ちらっと見上げると、王太子様は眉をぎゅっとしてぼくを見ていた。
「うう……」
まだ蛇口が閉まらないぼくがグスグスしていると、王太子様はそうっと掴んでいた腕を放して……ちょっと優しくつかみ直した。
なんで。そのまま放してくれたらいいのに。
「そなた、なぜ一人で歩いている? 危ないだろう。侍女や護衛はどうした?」
ぎくっ! となって、蛇口が閉まった。
「部屋にいて、あの、ちょっとひとりで歩いてみたいな~って」
「なぜだ」
――王太子様、さっきからちらっと思ってたんですが、なんでそんな偉いじーさまみたいなしゃべり方? え、若く見えてもしかしておじいちゃ……や、それはないか。原作の設定だと12歳のはず。
「どうした? 怒らないから言ってみよ」
「あんまり、ぼくあの、部屋の外がわからないから知りたいなって」
怒らないと言われて、僕は勢いづいてすらーっと説明する。我ながら現金だ。
「しかしひとりでは危ないだろう。転んで頭を打って、発見されるのが遅くなりでもしたら、命の保証はないぞ?」
「……!!」
命の保証はないぞは、これーーー!?!?
よかった! 私の王宮を勝手にうろうろするような不届き者は今すぐ処するぞ! じゃなかったーーー!?
「よかったーー!!」
「いや、よくないぞ。1人で出歩いてなにかあったらどうする。今後は誰かに供をさせよ」
「……」
えー、それはやだなー、とか思ってたら、うっかり王太子様の言葉を無視するような沈黙ができてしまっていた。
え、しまった! どうしよう! 今度こそ処される?
「どうした。供を連れるのは嫌か? もしや侍女たちになにか問題でも――」
「いえ! 違うます!」
あ、焦って噛んだ。
ぼくが独り歩き自粛要請に渋い返事をしたせいで、侍女さんたちが怒られたら悪い。
「侍女さんたちは、なにも問題ないです。……まぁ、ちょっと、1.2.3じゃないし3姉妹でも三つ子でもなくていろいろややこしいけど――」
あ、どうでもいいこと言っっちゃった。
「……ややこしい?」
「いえ! あの! ちょっとにぎやかなだけで、とくに問題は――」
あ、また余計なこと言ったような気が……。
「ああ、にぎやか、な……うむ」
けど、王太子様は妙に納得顔で、うむーとうなずいた。
王太子様、侍女さんたちがちょっとにぎやかってこと知ってるんだ。やっぱちょっと、そうだよね、うん。
「そうだな。たまにはのんびり歩きたいこともあるだろうな」
急にわかってくれた! 侍女さんたち、にぎやかでありがとう!
「はい!」
「う、うむ」
返事、勢いよすぎたかも。王太子様はちょっとひるんだみたいに目をパチっとさせた。
そうするとちょっとだけ、子供っぽくみえるというか年相応にみえて、なんだかホッとする。
「わかった。では、私が一緒に行こう」
「え」
予想のはるか斜め上からきた提案に、食い気味の「え」が口から飛び出した。
「……嫌か」
王太子様が気のせいかしょぼんとして見える。多分気のせいだけど。
「私では、駄目か」
あー、気のせいじゃないかも。まずい! ここで機嫌を損ねるようなことをしたら処刑いっちょくせん!
「ダメじゃないです! ぜんぜんありがとうございます!」
「そうか。では、今日はこれから予定があるから、明日の午後、迎えにいこう」
「え」
まさかの王太子様がぼくをお迎え。
「嫌か」
「ぜんぜんです! おねがいします! たのしみです!」
ぼくはスキルが少し上がった。王太子様の微かなしょんぼりを速攻で感知して対応するスキルを身に着けた。
「決まりだな。それまでいい子で待っているように」
「はい!」
「サファさまー! どちらにいらっしゃいますかー!」
「サファさまー!」
「サファさまー!」
そのとき、部屋の中から、ぼくを呼ぶ三重奏が聞こえてくる。
「ほら、侍女たちが探しているぞ。すぐに戻るといい」
「はい!」
ぼくは元気よく返事をして、元気よく振り返って、元気よく走り出して、
「あっ――!」
そのまま元気よく転けそうになった。
「あぶない!」
「あわわわ」
「ほら、ひとりは危ないだろう?」
「は、はい」
「急がずゆっくり戻れ」
「はい! ありがとうございました!」
ぼくは元気よく返事をして、今度は慎重に足を進めた。
「…………」
背中に、じーっと見守る視線を感じながら。
ちょ、あんまり偉い人に凝視されると……もぞもぞする、ような。
え、大丈夫? 背中に穴、開いちゃったり……しない?
あ、あとで侍女さんに、見てもらお……。
378
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さくら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。
imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。
今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。
あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。
「—っ⁉︎」
私の体は、眩い光に包まれた。
次に目覚めた時、そこは、
「どこ…、ここ……。」
何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
前世で孵した竜の卵~幼竜が竜王になって迎えに来ました~
高遠すばる
恋愛
エリナには前世の記憶がある。
先代竜王の「仮の伴侶」であり、人間貴族であった「エリスティナ」の記憶。
先代竜王に真の番が現れてからは虐げられる日々、その末に追放され、非業の死を遂げたエリスティナ。
普通の平民に生まれ変わったエリスティナ、改めエリナは強く心に決めている。
「もう二度と、竜種とかかわらないで生きていこう!」
たったひとつ、心残りは前世で捨てられていた卵から孵ったはちみつ色の髪をした竜種の雛のこと。クリスと名付け、かわいがっていたその少年のことだけが忘れられない。
そんなある日、エリナのもとへ、今代竜王の遣いがやってくる。
はちみつ色の髪をした竜王曰く。
「あなたが、僕の運命の番だからです。エリナ。愛しいひと」
番なんてもうこりごり、そんなエリナとエリナを一身に愛する竜王のラブロマンス・ファンタジー!
婚約者に捨てられた私ですが、なぜか宰相様の膝の上が定位置になっています
さくら
恋愛
王太子との婚約を一方的に破棄され、社交界で居場所を失った令嬢エリナ。絶望の淵に沈む彼女の前に現れたのは、冷徹と名高い宰相だった。
「君の居場所は、ここだ」
そう言って彼は、ためらいもなくエリナを自らの膝の上に抱き上げる。
それ以来、エリナの定位置はなぜか宰相様の膝の上に固定されてしまう。
周囲からの嘲笑や陰口、そして第一王子派の陰謀が二人を取り巻くが、宰相は一切怯むことなく、堂々とエリナを膝に抱いたまま権力の中枢に立ち続ける。
「君がいる限り、私は負けぬ」
その揺るぎない言葉に支えられ、エリナは少しずつ自信を取り戻し、やがて「宰相の妻」としての誇りを胸に刻んでいく。
舞踏会での公然の宣言、王妃の承認、王宮評議会での糾弾――数々の試練を経ても、二人の絆は揺らがない。むしろ宰相は、すべての人々の前で「彼女こそ我が誇り」と高らかに示し、エリナ自身もまた「膝の上にいることこそ愛の証」と誇らしく胸を張るようになっていく。
そしてついに、宰相は人々の前で正式に求婚を告げる。
「エリナ。これから先、どんな嵐が来ようとも――君の定位置は私の膝の上だ」
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる