【完結】知られてはいけない

ひなこ

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一・落とされた仲間たち

落とされた仲間たち(2)

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 仕方なく、各自部屋に並べられたせきに座った。
 ここからは出られないのだ。
 さっきは気づかなかったが、教室の四すみにはカメラがそなわっている。
 なるほど。あれでわたしたちを監視かんしする気なんだ。
 きれいな教室には、似合わないくらいの黒々くろぐろとしたにぶい光を放つカメラたち。
 何という牢獄ろうごくか。
 仮想空間と言ったが、だったら今、本当のわたしはどこにいるのだろう?
 わたしは、顔をつねってみた。でも、痛かった。夢じゃないのか。
 周りの子を見ると、わたしも含めて同じ制服せいふくを着ていた。
 もちろん現実の服とはデザインがちがう。グレイのブレザーに白いブラウス、女子はプリーツスカート。男子はチェック地のパンツ。
 たぶん、わたしと同じ中学一年……もしくは同年代の子たちだろう。
 みんな同じ制服を着せられていた。そして、わたしは……どの顔にも見覚みおぼえがない。

「まずは大事なこと。さっき言ったけど、一番たくさん”一番大切なもの”を当てた人が優勝ゆうしょうだ。でも、自分を当てられたらそこで終わりだからね。数が多いことと、生き残っていること。両方大事だよ!」
 円の発言が、黒板に自動じどうで表示されていく。
制限時間せいげんじかんは約四日。今日が六月二十二日だから、二十六日になる午前零時ごぜんれいじに終わり」
 わたしたちは、とまどったまま互いを見る。
 これはドッキリ?いや、悪夢あくむ?早くベッドから落ちて目が覚めたらいいのに。
 でも、今のところかなわないみたいだった。
「時計は黒板の横に、大きなデジタルがある。それを基準きじゅんにしよう。他の時計も同じに動いている。それまではここの学校と、りょうでみんな生活してもらう。後でみんなが地図を見たら、もう少しいろんなところまで行けるようにしておくよ」
 いちいち、円の許可きょかで進むのがどうにも腹立たしい。
「それから一日のタイムテーブルも各自、見ておくように」
 黒板の左にたて長の時間割じかんわりが出る。
 起床きしょうは朝七時、朝食は八時から。朝ミーティングは九時開始かいし。正午までは自由時間じゆうじかん、昼食が正午から。その後また自由行動。夕食は夜六時から。
 夜ミーティングは九時から。夜十時には寝ること。
 ここは学校なのに、勉強は一切しなくてもいいという不思議ふしぎな状況。
 勉強どころか。
 わたしたちは、とらわれの身としてここにいる。
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