【完結】知られてはいけない

ひなこ

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九・そして事件は起きた

そして事件は起きた(1)

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 夕食の時間には、何とかわたしの体調たいちょうも持ち直した。
 正直気は進まなかったけど、体力のためには食べておかないといけない。

「はいはいはーい!みなさん、夕飯ですよ。これからのためによく食べて下さい!」
 キンキンする、円の声。手足をばたつかせてちゅうで踊っている。機嫌きげんがよいのだろうか。
 わたしたちは無言むごんでただ、食べ続けるだけだ。
 
 メニューは充実している。
 和食、洋食、中華ちゅうか軽食けいしょくもそろっている。
 入り口で食事をえらびボタンを押すだけ。毎食まいしょく好きなものをえらべる。
 当然無料むりょうだ。
 って言うか、そんなもの元々いらないから!
 早く家に帰りたい。だれかに消される前に。

「そうそう。みんな、早速さっそく聞きたいでしょう?新しいバトルが増えたかどうか」
 さぐるみたいな言い方に、イライラする。さっさと言えば?
「はい、行きますね。一人目は昼にも言ったけど七番の三村一紀。いいねいいねー!そしてもう一人、今度は唯一ゆいいつ中三の十四番・渡部ライアンが六番の木野まなみにバトルして成功。以上です!」
 ライアンのことは見ていたから、わかってた。こんなことをできるのは、異常いじょうだ。
 まだ多くの人は、人を消すということがこわくて動けずにいる。

「ね、こんなにいろいろ工夫くふうしてあげてるのに、まだ気が進まないの?もっとたくさん挑戦ちょうせんしてよ?じゃないと自分が消えちゃうよ?」
 円の語尾ごびが、にゅるん、とへびが首をもたげるように上がる。
 気持ち悪い。でもスルーすることにした。気にしても、自分の立場は変わらない。
「で、ここでお待ちかねのルール追加ついかします。朝に宣言したやつを発表はっぴょうでーす。みんな楽しみだったでしょ?大サービスだよ?」
 みんながざわつきだした。今日一体、何回追加してるのか。もう十分、こっちはぐったりしているのに。
 今度はまた、何をする気なのか?

「じゃーん!大ヒントを投下とうかします。みんな、どうせ人の答えなんて当てられるわけない、って思いんでない?そんなことはないよ。なぜなら……」
 円は意外いがいなことを言った。
「だって、みんな十文字以内いないだから。長い言葉は、最初さいしょ入力にゅうりょくで入らないようにしているから。二つ以上の答えもない。答えはひとつだけ。簡単かんたんでしょ?」
 みんな静まりかえった。自分の答えを確認かくにんしているんだ。

 わたしも、自分の答えを頭の中でつぶやく。たしかに十文字以内だ。そもそも、そんな長い答えにするつもりもなかった。字数制限じすうせいげんがあったことも、気づかなかったし。
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