【完結】知られてはいけない

ひなこ

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九・そして事件は起きた

そして事件は起きた(3)

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 金髪きんぱつがかった髪。見覚えある顔は……三村一紀(みむら・かずき)。
 えっ!またもやこの人?調子ちょうしに乗りすぎてる。
 むしろ、他の人が動けずにいるうちに、目いっぱいちをあつめてしまおうってこと?
「いやあ、助けて!」
「だから、おれが守ってやるっつってんだろう?だから、答えをおしえろよ」
 思った通り、一紀はおどすことで答えを聞き出していたのだ。
 そうでもない限り、ほとんど会話もせずにバトルで当てられるわけない。
 でも、なぜ円は止めないの?暴力ぼうりょくるったら、消去しょうきょするって言ってたくせに。
 女の子は宮内紗英(みやうち・さえ)だ。最初に円に質問しつもんしてた子。
 わたしは二人の間にって入る。
「ちょっと!何してんのよ!」
 こわいとか、そういうのはもう飛んでいた。

「何だお前?邪魔じゃますんなよ」
「ああ、あなたは遠野(とおの)さん!助けて!」紗英はわたしの背後はいごいた。
「いい加減かげんにして?あなた、どんだけ人を消したら気がむの?」
 わたしは怒っていた。
 これ以上、こいつに人をさせない!

「ああん?ばかかお前?この世界は、弱肉強食じゃくにくきょうしょくだろうが?早いもんちなんだよ。何ならこいつより先にお前から当ててやろうか?」
 一紀はわたしに向き直る。
 けもののような、にぶく光る目がわたしをねらった。
 どうしよう。こいつはわたしにきっと、簡単かんたんにバトルするだろう。
 これまでだって、おどせば聞き出せて来てしまってるんだから。
 
  ”危険きけんせまったら、しなきゃいけないときも来る”。
 
 恩田桜(おんだ・さくら)の声が頭にひびく。
 本当に実行じっこうする??できる?
 わたしが?
 これまで散々さんざんいやだ、って言っていた"消すため”のバトルを?
 わたしは、やりたくないけれどやらなくてはいけない場合、の気持ちをどうにか必死で考える。
 ああ、とても気分が悪い。

 でもこいつの答えって?
 今までの行動こうどうから考えたら、いくつかの言葉は思いつく。
 それも、ほめられないような言葉たちが。
 「け」?それとも「ずるさ」?「やったものち」??
 それとも……。
 
 ダッダッダン!

 ふいに、後ろからだれかの大きな足音あしおとがしてり向いた。
「えっ!」

 準だった。目がつり上がり、気が立っているようだった。
 三村一紀を、怒りにちた目でにらんだ。
「お前、いい加減かげんにしろって言ったはずだ。弱い者につけ込むのは、最低さいていだ」
「はあ?何いい子ぶってんだよ。お前もバトルしてやるか?」
 そのとき、準が一紀に手をり上げた。

「バトル!」
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