【完結】知られてはいけない

ひなこ

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一・落とされた仲間たち

落とされた仲間たち(3)

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「じゃあここで、それぞれ自己紹介をするといい。でも知り合いはいないから、安心するんだね」
 わたしたちは、それぞれ名前だけを言った。元々、進んで知り合いたいわけではない。妙なゲームにはまった、被害者仲間ひがいしゃなかまにすぎないんだから。そんなことよりも、早く元の世界に帰りたい。

「でも注意してね。仲良くなるのは構わないけど”一番大切なもの”を知られたら、終わりだからね」
 最初に、無理矢理むりやり登録させられた”あれ”か。
「どういうことだよ?」男子の一人がう。
「そのままの意味さ。これから、きみたちにはその答えを当てあって戦ってもらう。最後に残った 最高点さいこうてんの一人だけが、元の世界に帰れる。なんてすばらしいごほうびだろう?」
 みんながざわつき出した。
 たった一人?それも、入力した答えを当てる?当たると思ってるの?くだらなすぎる。でも、無視むししたらどうなる?
「はあ、バカにすんなよ?勝手に巻き込んでおいて!」
 がらの悪い男子……さっき三村一紀(みむら・かずき)と名乗なのった、……がイスを 蹴飛けとばした。金髪きんぱつの混じった、背中にかかる長い髪。人をじろじろと見るしぐさは、あまり感じが良くない。
「おれはそんな戦いなんてやらねえよ。とっとと脱落だつらくして、それで終わりでいい」
「脱落したら本当に終わりだよ。元の世界に帰るなら、ちゃんと戦った方がいい」と円。
「それに、あんまり目に余ることをすると、お仕置しおきをする。そっちで脱落する者もいるから、ほどほどに」明らかに、一紀を狙ったように言った。
「ああ、そうだ。他の子に乱暴らんぼうなことをしたり、かべや机をこわしたりしたらそれもこっちはわかるよ。無茶むちゃをしたら、ソッコーで消去されると言っておく」
「はあ?おれに命令めいれいすんのか?」
「命令はしていない。生きびたいんなら、よく考えて。かしこ行動こうどうを取ってくれたまえ」
「はあん?おれは痛みにも強いし、へでもねえぜ」
 まだ一紀は反撃はんげきを続けている。 
「では次のルール。一番大事な"バトル”の方法についてだ」
 黒板に、内容が表示された。

〔バトルについて〕
  攻撃者こうげきしゃは、防衛者 ぼうえいしゃ(相手)の答えがわかった時点で、手を相手向けてかざし”バトル”と声に出す。
 バトルができる時間帯は、朝九時ミーティング終了後から夜ミーティング開始前の九時まで。さらにミーティング中と、食事時間は禁止。
 起床時から朝食終了までと、夜ミーティング終了から後はバトルは禁止きんしだが会話は自由。
 一人の相手には原則げんそくとして一回のみ。答えを間違まちがった場合、二度同じ相手にバトルは申し込めない。
 注意して、答えを決めてから行動すること。

 バトルを発音すると、画面が目の前に表示される。確認ボタンを押すと取り消しはできない。
 攻撃者と防衛者だけが特別とくべつな空間・ 結界けっかいで閉ざされ、他にやりとりは知られなくなる。攻撃者が当てた場合、防衛者は負けになり消滅しょうめつする。
 攻撃者が失敗した後、続いて防衛者がバトルすることはできる。答えを当てた場合、当てられた側は消滅しょうめつする。 
 どちらも失敗した場合は引き分けになり、元の空間へ戻れる。ゲームは続けられるが、今後は他の相手を狙うしかなくなる。
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