【完結】知られてはいけない

ひなこ

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十四・結界からの脱出

結界からの脱出(2)

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「当てられるもんなら、当てて見ろ!お前だって失敗すればいい」
 島田圭吾(しまだ・けいご)は、目をいてわたしに言った。
 これまで答えを当てた人は、相手から聞き出したからわりとたやすかった。
 圭吾だって、リストを手に入れたからだ。それに比べて、人を観察かんさつして答えを想像そうぞうするのはかなりむずかしい。それでも、今は必死ひっしで考えるしか手がない。
 これまで知っている圭吾のいろいろを考えてみる。
 わたしのことを、さっきの発言はつげんのみで判断はんだんしたからこの人は外した。
 この人の最初さいしょの日から今までを、すべて考えて。一つの答えが見つかるかどうか?

 ……わかった。あなたの答えは。
 わたしは、ちゃんと聞こえるよう大声おおごえで言った。

「”臨機応変りんきおうへん”。の流れで次々つぎつぎと考えを変えていく。あなたの大切なものは、それ」
 一瞬、沈黙ちんもくおとずれた。そしてアナウンスが流れる。

 ”正解せいかいにします。本来ほんらいの答えは”出たとこまかせ”でしたが、広くみとめます”

「何だと!ちがうだろうが!」
 圭吾は、声の方を見上げて叫ぶ。
 かべからの糸が何本も、首をもたげてしゅるん、と圭吾の体へと巻きついた。
「うあっ!やめろってば。おれは勝つんだって!こらあ!」
 ギリギリとしめめ上げる糸の音。
 耳をふさいでも聞こえてくる。とても気味きみの悪い音。

「やめ……ろ!やめて、くれ。……う、わああ!」

 中村えりと同じに体が透け始めて、……圭吾も消えた。

「……勝った、の?」
 まだ実感じっかんがない。
 準が言っていた。あまりにも簡単かんたんに人が消える、と。 
 目の前に、白いぬいぐるみが……いや、ホログラムがふわふわと浮いている。
「円(えん)?」
「そうだよ。きみは勝った。けど本当にあぶなっかしいなあ。答えもおまけで正解せいかいにしたよ。感謝かんしゃしてよね?」
 そんなこと言える立場たちば?そもそも、こんなことになったのだって、全部あんたが原因げんいん
「島田先輩は、何でリストなんて持ってたの?」
「さあ?そんなことあったんだ?知らないなあ、ふふっ」
「そこになぜ、わたしの答えだけ書いてなかったの?」
 図書館ぐみをすべてねらったんなら、不自然ふしぜんだ。
「知らないってば。島田圭吾がウソついてたんじゃないの?」
 円は、ふいっとげて結界けっかいのかべでかえった。

「さ、そろそろ結界が消える。まだ外でも解決かいけつしないといけないことがあるよね。がんばって!」
「ちょっと待ってよ!」
「いいことをおしえてあげるよ。きみが信頼しんらいしている加川準(かがわ・じゅん)。あいつが勝てているのも、ぼくがリストをあげたからだよ」
 え、何?どういうこと?
不思議ふしぎじゃないか?そもそも、何であんなにバトルしてるのに、負けないかって。当然とうぜんからくりがある。さっきの島田圭吾と同じに」
 円。一度はリストを知らないと言ったくせに。
 次にはもう、当然とうぜんのようにあげたと言いる。
 めちゃくちゃだ。
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