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十七・破られた関係
破られた関係(1)
しおりを挟む困った。どうしよう。こんなつもりじゃなかった。
でも、準だけに先に明かしたのもわたしだ。そう選んだのはわたし。
紗英(さえ)を後回しにする、と決めたのはわたしなんだ。
もし、司書室のパソコンの場に紗英もいたら……準は円が妹であることを明かしただろうか?もしものことを言っても、今さら変わることじゃない。
今となっては、相談する相手ももう、準しかいなかった。
時計を見ると、午前十一時半。ぐずぐずしてる場合じゃない。
バトルの最終可能時刻は、夜九時前。その三時間後、午前零時にこのゲームはいやでも終わる。わたしたちが生き残れるのかどうかが決まる。
窓から校庭を見下ろすと、バスケのゴールポストのところに準がいるのが見えた。
わたしはすぐに階段を駆け下りる。
校舎を出るとき、周りを見て紗英がいないのをたしかめる。大丈夫、今だ。
「準、準!そんなところにいたの?」わたしは小走りで駆けよった。
「ああ?何かあったのか?」
「あの、紗英が困ったことになった。円が、過去の優勝者だってことをさっき教えたら、わたしだけ仲間はずれだって怒り出した」
「……あいつ、臆病だからな。人よりもおそれが強い」
「うん。準に助けられたんでしょう?って言ったら、少し考え直してる風だったけど。でも、疑り深くなってる。注意した方がいい」
これだけ残り時間が少なくなって、仲間割れなんて。とても円と戦えない。
「そうだな。でも、あいつはバトルを一回もせずにここまで残ったんだ。臆病だけど、弱いわけじゃない、きっと」
「……それは考えなかった。たしかにそうだ。それからわたしは、まだ紗英に言ってない。円が、準の妹かもしれないってことも」
「おれが言う。このゲームじたい、妹がやらかした不始末だと言うのなら。宮内(みやうち)にもわかってもらう。三人で戦おう」
わたしもうなずいた。でも、そのときだ。
「莉々亜(りりあ)!許さない!」
と、背後から怒りのあふれた声がして、わたしたちは振り向く。
「紗英……。どうして?」
わたしは、紗英がいたことに気づかなかった。
「ひどい、もう許さない。またそいつと勝手に相談して。わたしなんて別に、いなくなってもいいんでしょう?どうせ点数ゼロだから?ねえ、莉々亜!」
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