【完結】知られてはいけない

ひなこ

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十七・破られた関係

破られた関係(3)

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「宮内。お前、おれたちの答えを、当てられるのか?」
「だって、そばでずっと観察かんさつしてたもの。考えていることはだいたいわかる。どちらか一方くらいは当てられるわ。きっと」
 ふっ、と笑って準に向き合った。

「加川さん。あなたの答えは”冷静れいせい”。どんなひどいことがあっても、へっちゃらで向き合っていられる。取り乱したりせずに、平然へいぜんとしていたい。それがあなたの思い。どう?」
 続けてわたしへと顔をける。
「莉々亜(りりあ)。あなたの答えは”正義せいぎ”でしょう。ゲームのひどさにけまいと必死ひっし刃向はむかっている。でも、最後さいごにはこうして裏切うらぎられて負ける残念ざんねんな正義。どう?」
 数秒すうびょうして、アラートがひびいた。

 ”どちらも失敗しっぱいです。あなたは加川準(かがわ・じゅん)、遠野莉々亜どちらの答えも当てていません”

 ほっとした。わたしの行動こうどうは、そう見られていたんだ。
 でも、不幸中ふこうちゅうの幸いというか、わたしはそう入力にゅうりょくはしなかったんだ。

 ”同時どうじバトルの場合、特別事項とくべつじこうとして、もう一回ずつ答える権利けんり発生はっせいします”

 そうだ。同時バトルには、二回目がある。
「そう?じゃあもう一回、チャンスがあると言うことね?」紗英の顔がほころんだ。
 同時バトルで、わたしは一回め後攻こうこうであの島田圭吾(しまだ・けいご)を当てた。
 だけど、紗英を当てられるかはわからない。

 ”では加川準、遠野莉々亜、後攻のバトルをしますか?”

 わたしと準の前にパネルが出て、同時にイエスと答える。
 もはや、紗英に遠慮えんりょしている場合ではない。味方みかたではなくなったのだ。
 勝たなくては、円をもどせない。
 島田圭吾とたたかったとき、そして恩田桜(おんだ・さくら)の答えをうばったときにわたしはもっとバトルを軽蔑けいべつしていた。でも今は。
 紗英はわたしをてきと見なしたのだ。
 だったら、わたしも戦わなくてはいけない。今はもはや、自分ののこりというよりは準の思いを果たすために。
 
 準の妹、円(まどか)をたすける。ここで負けるわけにいかないんだ。
  
「じゃあ、おれから行く」そう言って紗英を見る目はもう、てきととらえていた。
「ふっ、でも無理だよ。わたしの答えは……絶対当たらないから」
 紗英はひらき直るように、豪語ごうごした。
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