前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu

文字の大きさ
26 / 102

第26話 報告

しおりを挟む
「陛下。先日領内のゲイブルの町にて魔人によるスタンピードが発生した件で詳しい事が分かりましたのでご報告致します。」

宰相のマリスが軽くため息を吐くと報告書を取り出して目を落とす。マリスは事前に報告書に目を通していた。調査に行った直属の部下に何度も話を聞き裏付けも取れているとの事である。しかしにわかには信じがたい内容に気が重かったのだ。

「うむ。確かゲイブルの町は元S級冒険者達が立ち上げた町だったな・・・それでどうなったのだ?!」

「は、はい。その前に陛下。落ち着いてお聞きください。」

「どうした改まって?良いからさっさと報告しろ!」

「は、はい・・それでは。ほ、報告書によれば・・・魔人は元S級冒険者ゴルドを始めとする町の冒険者達により撃退致しました。」

「おおう!流石現役を退いたとは言えS級冒険者であるな!」

セルバイヤ王は安堵して玉座の背もたれに身体を預ける。しかし報告書に目を落とすマリス宰相は首を傾げていた。

「マリスよ。どうした?何かあったのか?」

「い、いえ。申し訳ありません。ほ、報告を続けます。そ、そのスタンピードの戦いの中で一番の功労者と言うのが・・・うっ・・そ、その・・・ゼノアという5歳の子供という事です・・・。」

マリス宰相はセルバイヤ王の反応を覚悟しながら一気に報告書の内容を伝えた・・・すると案の定セルバイヤ王は背もたれに預けた身体を一気に前のめりに起こし目を見開いた。

「な、なんだと?!ば、馬鹿な事を言うな!S級冒険者を押し退けて5歳の子供が魔人を倒したと言うのか?!一体どうなっておるのだ!?」

「・・陛下。ですから落ち着いてください。報告書にはまだ続きが御座います。」

マリス宰相がセルバイヤ王を宥めるがマリス本人も報告書の先を読み声が震える。

「・・・陛下。こ、これから報告書を読み上げますが・・お、落ち着いて聞いてください。」

「う、うむ。わ、分かった。」

セルバイヤ王はマリス宰相の真剣な目にただ頷いた。

「それでは・・・ほ、報告書によりますと・・そのゼノアという子供は・・単身でオークジェネラルを倒しゴブリンキングを退けたそうです・・そ、その上・・・S級冒険者〈鋼の意志〉の危機を救い悪魔化したミノタウロスを一撃で撃破、そして〈鋼の意志〉と共に魔人族を撃退したとの事です・・・」

(そ、それにしても・・・これは本当に事実なのか・・・?よもやクロードの報告を疑う訳では無いが・・・)

マリス宰相も自ら読んでいて納得できる箇所が一つも無かった。当然聞いているセルバイヤ王も納得していないだろうと恐る恐る顔を上げると案の定セルバイヤ王の目尻が痙攣し今にも爆発しそうな程顔が真っ赤になっていた・・

(や、やはり・・・)

「ぬぐぐぐ・・・ば、馬鹿も休み休み言えぇぇぇぇぇ!!!この私を揶揄っておるのかぁぁぁぁぁ?!そんな5歳の子供がおるならここへ連れて来いぃぃぃ!!直ぐにだ!!早く連れて来い!!もし冗談や嘘ならただでは済まさんぞぉぉぉ!!!」

「へ、陛下!!お、落ち着いてください!!既に陛下のご命令により功労者としてここへ呼んであります!それにまだ続きがあるのです!!」

(はぁ・・直ぐ熱くなるのは何とかして欲しいものだ・・・)

「ぐっ・・・む、むう・・わ、分かった。つ、
続けろ・・」

「はい。そ、その子供は『ゲイブル人材派遣』に所属する者でした。」

「ほ、ほう。確か元S級冒険者のガベル・セルバン子爵が孤児や貴族の望まぬ子供を捨てるぐらいなら金を払ってでも引き取り独り立ち出来るように育てる施設だったな!だがな、我が国の貴族に子供を売り飛ばすようなクズはおらぬと信じておるがな!!」

マリス宰相は一瞬血の気が引くのを感じた・・・

「・・・は、はい・・た、ただ・・その・・・ゼ、ゼノアという子供は・・と、とある貴族に捨てられて売られたのです・・・」

歯切れの悪いマリス宰相の態度にセルバイヤ王は何かを察して再びこめかみを震わせる。

「・・マ、マリスよ・・まさか・・・ま、回りくどい言い方はよせ!!はっきり言ってみよ!!」

マリス宰相はその重い口を開く・・・

「・・・は、はい。そ、その貴族とは・・このセルバイヤ王国王都の・・・ミ、ミルトン・ライナード伯爵です・・・証拠の書類もここにあります・・・」

「・・・・・」

(く、来るぞ・・・)

マリス宰相は再び怒号が飛ぶだろうと肩に力を入れて構えていた。しかしいつものタイミングに怒号が飛ぶ事はなくマリス宰相が恐る恐る顔を上げると玉座の両方の肘置きを鷲掴みにし肩を震わせながら赤い闘気を立ち昇らせるセルバイヤ王の姿があった・・・

(・・・あっ・・これは・・一番まずいやつ・・・)

「・・・呼べ・・今すぐ呼べ・・奴を・・名を呼ぶのも腹立たしい・・・このセルバイヤ王の顔に泥を塗ったクズを・・・直ちに・・直ちにここへ呼べぇぇぇぇぇ!!!!!」

ずばきぁぁ!!!

セルバイヤ王は怒りのあまり闘気を解放し玉座の肘置きを握り潰す!

セルバイヤ王は気性は荒いが子供好きで有名であった。その為、ガベル・セルバン子爵が『ゲイブル人材派遣』を立ち上げる時には二言返事で承認し補助金まで出している程であった。

「おのれぇぇぇ・・・許さん・・・奴は確か二人目の子供が原因不明の病で死んだと言っておったな・・・ぬぐっ・・・儂は不憫に想い見舞金まで出してやったのだぞ?!・・・おのうをれぇぇぇ・・・この儂を謀りおって・・・この始末どうしてくれようか・・・」

「・・・へ、陛下。い、今し方ライナード伯爵の元に使いを出しました・・・恐らく時期に着くと思われます・・・」

マリス宰相はセルバイヤ王から立ち昇るレッドオーラに近寄る事が出来ずに額から大量の汗を流すのであった。



1週間前・・・

魔人マグリアルを倒したその日、ゼノアはゴルドの話から母メラリルと祖母メルミラに助けられた事を知った。ゼノアは自分の中の優しく温かい力の正体を知ったのだった。

「・・・お母さんとおばあちゃんが助けてくれたんだね・・・僕も会いたかったな・・」

コップを置きお茶に映る自分の顔を見つめる。ゴルドは口元を緩めながらゼノアの頭にに手を置いた。

「大丈夫だ。お前の中に2人は居るんだ。また会いに来るだろうよ。」

「・・うん。」

ゴルドはふっと笑い改って座り直す。そして本題を切り出す。

「・・それでよ・・ゼノア。俺はお前とこれから暮らしてぇんだ。親は違うけどよそんな事は関係ねぇ!お前は俺の孫なんだ!俺の唯一の家族なんだ!・・ゼノア・・だからこれから俺と一緒に暮らしてくれねぇか?」

ゴルドにいつもの強引さは無かった。盗賊に娘と孫を同時に奪われた日を1秒たりとも忘れた事は無かった。この手に抱く筈だった孫を毎日夢に見て夢から覚める度に拳を握り締め歯を食い縛る毎日を送っていたのだ。今ゼノアが自分の孫と知ったゴルドの姿は孫に嫌われない様に懇願するおじいちゃんであった。

「・・うん。家族は一緒に居るのが普通なんだよ・・僕も家族と呼べる人が居なかった・・生まれ一年で無能と言われここへ売られて来たんだ・・・だから僕を大切だと思ってくれるゴルドさんと僕は一緒にいたいよ!!僕も・・ゴルドさんと家族になりたい!!」

ゼノアの笑顔にゴルドの目尻に光るものが滲む。

「ゼ、ゼノアーーー!!!」

ゴルドは感極まり勢いよく立ち上がるとそのまま両手を伸ばしゼノアを抱き寄せる。

「ゼノア・・今日から俺はお前のじいちゃんだ・・・夢にまで見たじいちゃん・・こ、この手に孫を抱ける日が来るとはな・・・うくっ・・・」

ゴルドはゼノアを強く抱きしめる・・・力一杯抱き締める・・・これでもかと抱き締める・・・

「・・ゴ、ゴル・・ド・・さん・・う、うぐっ・・・お、お返しだ・・」

ゴルドの胸筋に押し付けられたゼノアも負けじとゴルドの身体にしがみ付き全力でゴルドの脇腹を締め上げる!

ミシッ・・メキメキメキッ・・・

ゴルドの脇腹がゼノアの力で悲鳴を上げる!

「ぐはぁぁぁ!!お、おめぇ!!じ、じいちゃんに何をする?!」

思わずゴルドはゼノアを離して膝を付いた。

「あはははは!!ゴルじいが締め殺す勢いで抱き締めるからだよーーー!!お返しだよ!」

ゴルドはゼノアの言葉で痛みを忘れるように動きが一瞬止まり肩を振るわす。

「ゼ、ゼノア・・お前、今・・俺の事をなんて呼んだ?」

「・・ゴルじい・・だよ・・今日から僕のおじいちゃんなんだよね?・・・駄目・・かな?」

ゴルドがゼノアの言葉を噛み締めるように頭の中で反復する。

「ふふっ・・・ゴルじい・・・ゴルじい・・か・・良いじゃねぇーか・・くくっ・・い、良いじゃねぇーかぁぁぁぁ!!ゼノアーーー!!!」

(ほら来た!)

ゼノアは再び飛び付くゴルドのタックルをひらりと躱すと家を支える大黒柱にゴルドが激突する・・

どかぁん・・・

「ごはぁぁ!!」

ゴルドが頭を摩りながら振り向く。

「・・お、おい!ゼノア!!じいじの抱擁を躱すんじゃねぇーー!!」

「あははは!!でもゴルじい!そんなタックルされたら普通の子供は死んじゃうよ?!」

しかしゴルドは鼻で笑いゼノアを見据える。

「ふん!そんなの分かってらぁ!!俺の全力を受け止められるのはお前だけなんだよ!!」

そんなゴルドを見ながらゼノアは悪い気はしなかった。これから始まる家族との生活が楽しみでしかなかった。

「・・ゴルじい・・これからよろしくお願いします。」

ゼノアが改めてゴルドに笑顔で頭を下げる。

「俺の方こそよろしく頼むぜ・・・ゼノアぁぁぁ!!!」

意表を付いて飛び付くゴルドを分かっていたかのようにひらりと躱すゼノアがいたのであった・・・

ごおぉぉん!

「ぐはぁぁぁ!!」
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」  騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。  この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。  ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。  これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。  だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。  僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。 「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」 「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」  そうして追放された僕であったが――  自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。  その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。    一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。 「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」  これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです

桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

処理中です...