前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu

文字の大きさ
32 / 102

第32話 近衛兵団長ベリオール

しおりを挟む
「さて・・ゼノアよ前に出よ。」

「えっ?・・は、はい。」

(な、なに?何をするの?!)

ゼノアがおずおずと前に歩み出たと同時にセルバイヤ王も徐に玉座から立ち上がりゼノアの前に歩を進めた。

「ゼノアよ。お主には苦労を掛けたな・・・彼奴の処分が軽いと感じているかもしれんがこの度の事、わしにも責任がある。それに彼奴にもお主と歳も変わらぬ子供がいるのだ。その子供の為に降格処分に留めたのだ。分かってくれ。この通りだ。」

セルバイヤ王が5歳のゼノアに躊躇いなく頭を下げた。周りの重臣達も騒つく。

「えっ!い、いや!へ、陛下!あ、頭を上げてください!!へ、陛下が決めた事に文句などありません!!それに、ぼ、僕は苦労なんかしてません!大丈夫ですから!!」

「・・・そうか。分かってくれたか。して、ゼノアよ苦労していないとはどういう事だ?」

セルバイヤ王は頭を上げると興味深そうにゼノアに問い掛けた。

「・・・はい。確かにその当時は恨みもしました。だけど『ゲイブル人材派遣』の人達はその恨みさえも吹き飛ばすように僕を温かく迎えてくれたんです。そしてガベルさんの治めるゲイブルの街の人達も皆んな親切で温かい人ばかりなんです。だから僕は皆さんのお陰で全然苦労なんかしていません!それどころか幸せに暮らしています!!」

ゼノアはセルバイヤ王の顔を真っ直ぐ見上げると満面の笑みを浮かべた。

「・・・う、うむ。そ、そうか・・・う、うむ・・そうか・・・そうであったか・・」

セルバイヤ王はゼノアの笑顔に胸が詰まった・・・目尻に光ものを浮かべ、幼い頃に親に売られたゼノアが気丈ではなく心から放った言葉に心を撃たれたのであった。

「・・ガベルよ。お主は本当に良き町を造ったのだな。ゼノアの言葉で儂は救われたぞ・・・」

「はっ!あ、ありがたき幸せ!」

ガベルもまたゼノアの言葉に心を撃たれていた。自分達が造り上げた町に改めて誇りを持てた瞬間であった。


「うむ。話を戻そう。ガベルよ。今一度聞くがこの度の魔族スタンピードの一番の功労者とはこのゼノアで間違いないのだな?」

「はい。間違いございません。ゲイブルの町にお越しになったクロード殿にも模擬戦を行い認めて頂きました。」

セルバイヤ王はガベルの顔色を見るが嘘を言ってはいないと感じる。

「ふむ。マリスよ。その模擬戦の相手は誰だ?」

マリス宰相が手元の報告書に目を落とす。

「はい。第一騎士団副団長レイドル殿とアルセル王子でございます。」

(ふむ・・あの負けず嫌いのアルセルが認めたと言うのか・・・だがこの小さな身体で魔族と戦ったと言っても俄には信じられん・・・)

セルバイヤ王はゼノアを見下ろし何気なくゼノアの頭に手を置くとギョッとする。

「なっ?!これは・・な、なんと・・・この頑丈な石柱に触れているような感覚・・身体の底から溢れ出る力・・・これは魔力か・・・」

セルバイヤ王はゼノアの頭に置いた手からゼノアの溢れる力を感じ取った。そして顔を上げてガベルとゴルドの顔を見ると口元は軽く笑い頷く。

「陛下。お気付きになられましたか?」

ゴルドが自慢げに口を開く。

「う、うむ。触れただけでゼノアの力の片鱗を感じたぞ。これならば魔族を相手にしたと言っても納得出来る・・・くふふ・・ガベルよ。先程、クロードが模擬戦で認めたと言ったな?」

(・・・あ・・陛下の悪い癖が・・・)

セルバイヤ王がゆっくり口元を歪めガベルを見据えた。その場にいる者全員がセルバイヤ王の武人の血が騒ぐのが分かった。もちろんゼノアもである。

(あぁ・・・またやるのかな・・・)

「ゼノアよ!わしにもお主の実力を見せてくれ!!ベリオール!ここへ来い!!」

謁見の間にセルバイヤ王の声が響くと重臣達がざわめく。思わずマリスも慌てて声を上げる。

「へ、陛下!5歳の子供にベリオール殿が相手などやり過ぎです!!それでは実力を見る事も出来ません!!」

ベリオール・リバンド。15人からなる王直轄の近衛兵団長である。聖騎士の称号を持つセルバイヤ王国最強の騎士である。

(べ、ベリオール?!だ、誰?!)

ゼノアがゴルドを見上げるとゴルドの口元が笑っていた。

「ほう・・ベリオールか。あの鼻垂れ小僧が偉くなったもんだな!!」

「えっ?!ゴルじいは知ってるの?!」

「あぁ。あいつが10歳ぐらいの時に半年ぐらい剣の手解きをしたんだ。負けず嫌いでよ鼻水垂らしながら向かって来るんだ。懐かしいな。」

「師匠!昔の話はやめてください!!」

ゴルドが思い出すように虚空を眺めると不意に玉座の後ろにある赤く分厚い緞帳から声がすると白地に金色の装飾がされた光輝く鎧を着た男が姿を現した。
身長も高く顔立ちは男から見ても羨むほど美形であった。立ち姿は堂々しそれだけで強者であると分かった。

「おーー!鼻垂れベリオール!大きくなったな!」

「師匠!その呼び方もやめてください!」

ベリオールは整った眉を痙攣させながらセルバイヤ王の側で跪く。

「ふむ。そうであったな。ゴルドがお主に剣の手解きをしたのであったな。そうであればこのゼノアはお主の弟弟子になる。少し胸を貸してやるのだ。」

「はっ!仰せのままに!!」

ベリオールは立ち上がりゼノアの前に立つ。

「君が噂のゼノア君か。第一騎士団副団長のレイドルから話は聞いているよ。君は強いんだってね。遠慮は要らない。陛下の前だ、君の実力を全力で見せるんだ。いいね?」

「う、うん・・・」

(いいのかな・・・?)

ベリオールの言葉に返事をしたもののチラリとゴルドを見ると困った顔で小刻みに首を横に振っていた。

(ゴルじい?!えっ?駄目なの?)

ゼノアが迷っているとガベルがしゃがんで耳打ちをする。

(ゼノア君。全力は駄目だ。この人はこの国で一番強いんだ。この人に圧勝してしまうと面倒な事になる。いいね?)

「・・う、うん。分かった・・・」

(とは言うものの・・・あっさり負けても駄目だよね・・・どうしよう・・・)

ゼノアが困った顔上目遣いで見上げると満面の笑顔で首を傾げるベリオールと目が合うのであった。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」  騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。  この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。  ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。  これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。  だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。  僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。 「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」 「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」  そうして追放された僕であったが――  自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。  その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。    一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。 「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」  これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです

桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

処理中です...