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第45話 闇ギルド
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ナルベスが仄かに照らされている階段を降りて行く。突き当たりにある扉の前には大きく筋肉質な男が立っていた。男はナルベスと目が合うと何も言わずに扉を開けて中に招き入れる。ナルベスは何度もここへ脚を運び顔見知りなのである。そして扉を潜るとまた見知ったメイドが一礼する。
「ナルベス様。ドーランド様がお待ちです。」
「あぁ・・そうだろうな・・・」
(はぁ・・・本当に面倒だ・・・)
ナルベスは苦虫を噛み潰したような表情でメイドに案内され目的の部屋の前に立つ。メイドは役目を果たすように扉を開けると部屋の奥に不機嫌さを顔面で模った隻眼の男ドーランドが机の上に両足を投げ出していた。
「どうぞ。」
(はぁ・・・不機嫌なのはこっちも同じだ・・・)
ナルベスは仕方なくドーランドを見据えながら部屋に入るとメイドに容赦なく扉を閉めらる。部屋の入口の左右には側近であろう筋骨隆々の男が腕を組み立っており部屋の中に緊張感が漂う。するとドーランドが怒気を含んだ声で静かに口を開く。
「おい・・ナルベスさんよ・・なぜ奴等の護衛に魔族が居るんだ?!そんなもん聞いてねぇぞ?!お陰でこっちは十八人も死んだぞ!!後の7人はかろうじて生きてるだけだ!!さあ!納得いく説明をしてもらおうか!!」
「なっ・・ま、魔族!?なんの事だ?!」
「しらばっくれるな!!かろうじて生き残った奴が見たんだよ!巨大な赤黒いオーラを纏った魔族をな!」
(こいつ・・・馬鹿か・・・)
ナルベスは苛つきを露わにした足取りで頭を抱えながらドーランドが脚を乗せている机まで突き進む。
「・・全く・・・馬鹿馬鹿しい!!闇ギルドのギルドマスターが聞いて呆れる!!よく考えろ!!人間に加担する魔族が居るか!!そこらの子供でも分かるぞ!!」
バァァァァン!!
ナルベスは苛つきをそのままに両手の拳握りハンマーのように机に叩きつける!ドーランドも心なしか肩が揺れる。
「いいかよく聞け!!その馬鹿共が見たのは元Sランク冒険者〈鋼の意思〉だ!!お前もゲイブルの町の魔族のスタンピードは知っているだろう!?その功労者としてここに来ていたんだ!!そしてその帰りにお前らと鉢合わせしたんだよ!!何が魔族だ!!失敗した言い訳のつもりか?!それにこっちは命懸けのリスクとしてお前が請求した馬鹿高い金を払っているんだ!!死んだところで覚悟の上だろう!!プロなら最後まできっちり仕事をしてもらうぞ!!」
ナルベスは胸に溜まった鬱憤を吐き出すように捲し立てるとドーランドの顔にナルベスの唾が飛び散る。
「ふ、ふん!そうかい・・・だがよアルバン・ロディアスは始末したぜ。生き残った奴の報告だ。間違いないぜ。」
「何?!始末した?!な、なら書類は!?書類はどうした!?依頼しただろ!!」
「はん!!こっちは全滅したんだぞ?!ある訳ないだろう!!よく考えろ!!馬鹿野郎が!!」
「なんだと?!中途半端な仕事して開き直るんじゃない!!それにアルバン・ロディアスは生きている!!もし死んでいるなら一番近いセルバイヤ店に来るはずだ!!ロディアス商会の決まりで道中の緊急時にはそうするようになっている!!それなのに奴等が先に進んでいるという事は・・・アルバン・ロディアスは生きてるんだよ!!この馬鹿が!!」
「な、なんだと?まさか・・・ど、どういう事だ・・・報告では何度も剣を突き立てたと・・・」
「ふん!解ってないな!〈鋼の意思〉には回復系専門職の大司祭メルミラがいるんだ。偶然そこに居合わせたんだろう・・・それしか考えられん・・・悪運の強い奴だ・・・」
ドーランドは頬を引き攣らせながら言葉を失う。そして机の上から脚を下ろした。
「ちっ・・・厄介な仕事を持ち込みやがって・・・だがこのまま引いたらこのドーランドの名が廃る・・・ふん!やってやろうじゃねーか!」
(はぁ・・・仕方ねぇ・・・)
ドーランドは立ち上がると側近の男を睨む。
「おい!オーレンとメーリアを呼べ!!」
「えっ?!ふ、二人共ですかい?!」
「あぁ!そうだ!!いいから呼べ!!」
「へ、へい・・・」
側近の男は余程嫌なのであろう。渋々部屋を出て行った。
(ふうぅ・・・あいつら実力だけ見れば二枚看板なんだが・・・いかんせん・・・って・・あっ・・・」
ドーランドが肩の力を抜いて天井を仰いだその時、天井の一画が開き黒い影がナルベスのすぐ隣に降り立った。
「なっ?!だ、誰だ?!」
ナルベスが焦って飛び退く。
男は全身黒ずくめでやたらと襟が高いコートを着ていた。男は片手で顔を隠すようにポーズを決め何やら気持ちよさそうに語りだした。
「我はオーレン。闇の住人。闇を纏い闇の中に迷いし子羊を狩る者。今宵の子羊アルバン・ロディアスは明日の陽の光を浴びる事はないだろう。」
「えっ・・・何?」
ナルベスが呆気に取られていると同じく天井から黒い影がオーレンの隣に降り立つ。
その女はオーレンとお揃いのコートを着て自分を抱きしめ妖艶な雰囲気を醸し出す。
「我はメーリア。闇を纏い闇に咲く一輪の花。闇に生き闇に散る者。さあ。今宵の花アルバン・ロディアスはどんな散り際を見せてくれるのかしら?」
黒ずくめの二人は決まったとばかりに口元を緩ませてドーランドをドヤ顔で見つめていた。
(あー・・・これさえ無ければ・・・)
ドーランドが頭を抱える。
「お、おい!!お前ら!!ずっと天井にいたのか?!・・・全く・・素直に扉から入って来い!!」
「ふっ・・・扉は陽の下を歩く者が使う天国への入口。我ら闇の住人には眩しくて使えぬ。・・・そう・・・それが・・・」
「「闇の掟!!」」
二人は声を揃えポーズを決めると決め顔でドーランドを見据える。
しかしドーランドを始め側近達はいつもの事ながら恥ずかしさのあまり俯き首を横に振るのであった。
「ナルベス様。ドーランド様がお待ちです。」
「あぁ・・そうだろうな・・・」
(はぁ・・・本当に面倒だ・・・)
ナルベスは苦虫を噛み潰したような表情でメイドに案内され目的の部屋の前に立つ。メイドは役目を果たすように扉を開けると部屋の奥に不機嫌さを顔面で模った隻眼の男ドーランドが机の上に両足を投げ出していた。
「どうぞ。」
(はぁ・・・不機嫌なのはこっちも同じだ・・・)
ナルベスは仕方なくドーランドを見据えながら部屋に入るとメイドに容赦なく扉を閉めらる。部屋の入口の左右には側近であろう筋骨隆々の男が腕を組み立っており部屋の中に緊張感が漂う。するとドーランドが怒気を含んだ声で静かに口を開く。
「おい・・ナルベスさんよ・・なぜ奴等の護衛に魔族が居るんだ?!そんなもん聞いてねぇぞ?!お陰でこっちは十八人も死んだぞ!!後の7人はかろうじて生きてるだけだ!!さあ!納得いく説明をしてもらおうか!!」
「なっ・・ま、魔族!?なんの事だ?!」
「しらばっくれるな!!かろうじて生き残った奴が見たんだよ!巨大な赤黒いオーラを纏った魔族をな!」
(こいつ・・・馬鹿か・・・)
ナルベスは苛つきを露わにした足取りで頭を抱えながらドーランドが脚を乗せている机まで突き進む。
「・・全く・・・馬鹿馬鹿しい!!闇ギルドのギルドマスターが聞いて呆れる!!よく考えろ!!人間に加担する魔族が居るか!!そこらの子供でも分かるぞ!!」
バァァァァン!!
ナルベスは苛つきをそのままに両手の拳握りハンマーのように机に叩きつける!ドーランドも心なしか肩が揺れる。
「いいかよく聞け!!その馬鹿共が見たのは元Sランク冒険者〈鋼の意思〉だ!!お前もゲイブルの町の魔族のスタンピードは知っているだろう!?その功労者としてここに来ていたんだ!!そしてその帰りにお前らと鉢合わせしたんだよ!!何が魔族だ!!失敗した言い訳のつもりか?!それにこっちは命懸けのリスクとしてお前が請求した馬鹿高い金を払っているんだ!!死んだところで覚悟の上だろう!!プロなら最後まできっちり仕事をしてもらうぞ!!」
ナルベスは胸に溜まった鬱憤を吐き出すように捲し立てるとドーランドの顔にナルベスの唾が飛び散る。
「ふ、ふん!そうかい・・・だがよアルバン・ロディアスは始末したぜ。生き残った奴の報告だ。間違いないぜ。」
「何?!始末した?!な、なら書類は!?書類はどうした!?依頼しただろ!!」
「はん!!こっちは全滅したんだぞ?!ある訳ないだろう!!よく考えろ!!馬鹿野郎が!!」
「なんだと?!中途半端な仕事して開き直るんじゃない!!それにアルバン・ロディアスは生きている!!もし死んでいるなら一番近いセルバイヤ店に来るはずだ!!ロディアス商会の決まりで道中の緊急時にはそうするようになっている!!それなのに奴等が先に進んでいるという事は・・・アルバン・ロディアスは生きてるんだよ!!この馬鹿が!!」
「な、なんだと?まさか・・・ど、どういう事だ・・・報告では何度も剣を突き立てたと・・・」
「ふん!解ってないな!〈鋼の意思〉には回復系専門職の大司祭メルミラがいるんだ。偶然そこに居合わせたんだろう・・・それしか考えられん・・・悪運の強い奴だ・・・」
ドーランドは頬を引き攣らせながら言葉を失う。そして机の上から脚を下ろした。
「ちっ・・・厄介な仕事を持ち込みやがって・・・だがこのまま引いたらこのドーランドの名が廃る・・・ふん!やってやろうじゃねーか!」
(はぁ・・・仕方ねぇ・・・)
ドーランドは立ち上がると側近の男を睨む。
「おい!オーレンとメーリアを呼べ!!」
「えっ?!ふ、二人共ですかい?!」
「あぁ!そうだ!!いいから呼べ!!」
「へ、へい・・・」
側近の男は余程嫌なのであろう。渋々部屋を出て行った。
(ふうぅ・・・あいつら実力だけ見れば二枚看板なんだが・・・いかんせん・・・って・・あっ・・・」
ドーランドが肩の力を抜いて天井を仰いだその時、天井の一画が開き黒い影がナルベスのすぐ隣に降り立った。
「なっ?!だ、誰だ?!」
ナルベスが焦って飛び退く。
男は全身黒ずくめでやたらと襟が高いコートを着ていた。男は片手で顔を隠すようにポーズを決め何やら気持ちよさそうに語りだした。
「我はオーレン。闇の住人。闇を纏い闇の中に迷いし子羊を狩る者。今宵の子羊アルバン・ロディアスは明日の陽の光を浴びる事はないだろう。」
「えっ・・・何?」
ナルベスが呆気に取られていると同じく天井から黒い影がオーレンの隣に降り立つ。
その女はオーレンとお揃いのコートを着て自分を抱きしめ妖艶な雰囲気を醸し出す。
「我はメーリア。闇を纏い闇に咲く一輪の花。闇に生き闇に散る者。さあ。今宵の花アルバン・ロディアスはどんな散り際を見せてくれるのかしら?」
黒ずくめの二人は決まったとばかりに口元を緩ませてドーランドをドヤ顔で見つめていた。
(あー・・・これさえ無ければ・・・)
ドーランドが頭を抱える。
「お、おい!!お前ら!!ずっと天井にいたのか?!・・・全く・・素直に扉から入って来い!!」
「ふっ・・・扉は陽の下を歩く者が使う天国への入口。我ら闇の住人には眩しくて使えぬ。・・・そう・・・それが・・・」
「「闇の掟!!」」
二人は声を揃えポーズを決めると決め顔でドーランドを見据える。
しかしドーランドを始め側近達はいつもの事ながら恥ずかしさのあまり俯き首を横に振るのであった。
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