62 / 102
第62話 あの手この手
しおりを挟む
実力測定が終わり〈勝利の大剣〉の面々の三人が学院の食堂で少し遅いお昼ご飯取っていた。しかし三人の表情は暗く落ち込んでおり食事も喉を通らない様子であった。
「・・・はぁ・・・お前のせいで依頼失敗じゃねーか!!何でこんな事ぐらい出来ねぇーんだよ?!どうすんだよ!?」
「・・・う、五月蝿いわねぇ!!!仕方ないでしょぉぉ!!元はと言えばあんたのせいでしょぉがっ!!それに私は!この世で生意気なガキが一番嫌いなのよ!!ふん!!」
アルグとカミラのいつもと変わらない不毛な言い合いをしていた。しかしリルーナはそんな言い合いを気にも止めずに手に持ったフォークに刺さった肉を食べるのも忘れて考え事をしていた。
「おい!リルーナ!お前からも何か言ってやれよ!!・・・おい・・リルーナ!!」
「あえっ!?あぁ・・・うん。」
「・・・まぁ・・妹が心配なのは分かるけど、あんたがしっかりしないと駄目よ!!それとも何か他に気になる事でもあるの?」
リルーナの様子がおかしい事に気付いた二人が顔を覗き込む。
「・・・う、うん。あのさ・・今日居た子供達の中に規格外な子がいたわよね?」
リルーナの言葉に二人の脳裏に同じ顔が浮かび同時に寒気を覚える。
「あ、あぁ・・・い、居たな・・・」
「え、えぇ・・・い、居たわ・・・」
アルグとカミラが一瞬顔を見合わせてすぐに顔を背ける。
「ねぇ。その子がカミラを治療した魔法って何だと思う?」
「えっ・・あぁ・・それは・・・多分・・聖魔法じゃ・・・」
カミラはリルーナの言いたい事に心当たりがあるような気がして言葉を止めた・・・
「あぁぁっ!!そうか!!ギルドの依頼書!!聖教会からの破格の依頼書ね!?」
「うん・・・まぁ、それはそうなんだけど・・・」
「お、おい何だよ?!何の事だよ?!」
アルグは訳がわからないとカミラとリルーナを交互に見る。
「あんたはちょっと黙ってなさい!!」
「うぐ・・・」
カミラとリルーナは冒険者ギルドの壁に貼ってある聖教会からの依頼書を思い浮かべていた。
依頼書
聖教会では〈聖魔法使い〉を募集しております。男女問わず年齢も問いません。破格の待遇をお約束いたします。
〈聖魔法使い〉の情報や紹介にも依頼内容に含みます。尚、情報提供の場合は内容を確認してから依頼達成の是非を判断致します。
情報料 金貨一枚
紹介料 金貨五枚
依頼者 聖教会教皇メリオル・シュルメール
「・・・だけど・・あいつさ、信じられないけどあの歳で詠唱してなかったよね・・・確か聖魔法は詠唱が必要だって言ってなかった?」
「・・・うん。そうなのよ。私も聖魔法だと思ったんだけど・・・だけど情報が正しくなければ報酬は無いわ。それよりも〈聖魔法〉を使えるなら・・・」
リルーナは言葉を止めて唇を真一文字に噛み締める。
「・・・そうね。あんたの妹を助ける事が出来るかもしれないわね・・・」
カミラは同情の目をリルーナに向けた。
〈勝利の大剣〉の三人は一ヶ月前までCランクで数年間燻っていた。しかしある日いつものように行き慣れたダンジョンに潜ると一階層の最深部でアルグのドジにより偶然にも隠し通路を見つける。先に進むとそこには長い間使われていないであろう部屋があった。そこでリルーナは小さな箱を見つける。その箱を開けると銀色に光る少し幅が広い指輪が入っていた。リルーナは誘惑に負けて思わず指輪を懐に入れてしまう。その後、冒険者ギルドが隠し部屋を調査すると部屋の奥に扉があり固く閉ざされていた。そして更なる調査が始まったのだった。〈勝利の大剣〉はその功績によりBランクへと昇格を果たした。しかしリルーナが持ち帰った指輪を誤って妹のメリーラが指にはめてしまう。メリーラの身体はドス黒い靄に包まれ生ける屍のように生気を失い寝たきりの日々を送る事になったのだった。
「・・・でもよ・・俺達、あのガキからすれば印象最悪だぜ?!」
黙って話を聞いていたアルグが肩をすくめる。
「えぇ・・・そうかもね。素直に話を聞いてくれるとは思えないわね。」
「・・・でも・・聖教会に行っても金貨200枚は掛かるわ・・・そんな大金・・・貯めるのに一体何年掛かるか・・・今はあの子に賭けるしかない・・・今、私が持ってる全財産叩いてもいい!背に腹は変えられない!私、行ってくる!」
リルーナは立ち上がり食堂の扉に小走りで駆け出した。
(はぁ・・・皆んな帰っちゃったし・・お昼ご飯も食べれずに連れて行かれたからお腹空いたよ・・・えっと食堂は・・・ここを曲がって・・・あった!)
ゼノアはラミリアの言う通り角を曲がり『食堂』の文字を見つけると無意識に足取りが軽くなる。
「ごっはんー!ごっはんーー!・・・よっと!」
ゼノアは軽く跳ねて食堂の入口に着地する。そして引き戸に手を掛けようとすると何故か勝手に勢いよく引き戸が開かれた。
ガラガラガラッッッ!!バァァン!!
「はうっ?!な、なに?!」
「きゃっ!!」
引き戸のレールを挟み二人が驚き目が合い記憶を辿る・・・そして暫しの沈黙・・・
「あっ・・・実力測定の時の・・・」
「ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!居たぁぁぁ!!!」
驚きと嬉しさの入り混じったリルーナの叫びがゼノアの声を掻き消す。
(えぇっ!?何?!・・・こ、これは・・面倒臭いやつだ・・・ここは・・・退散・・・)
「や、やっぱりお腹空いてないかな・・・」
ゼノアは咄嗟に昼ご飯を諦め方向転換をするとスキル〈加速〉を使う。しかしその刹那リルーナが逃すまいとゼノアの身体に両腕を絡ませた。
ばびゅん!!!
「う、うきゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ま、ま、まっ、待ってぇぇぇぇぇぇ!!!止まってぇぇぇぇぇ!!!」
リルーナはゼノアを両手で掴んだまま風にはためくマフラーのように風を切る。
(な、何?!さっ、さっきも同じ事があったような気が・・・はぁ・・もう・・・)
ゼノアがピタリと止まるとその反動でリルーナはゼノアを飛び越えて飛んでいく・・・
(あ・・・飛んでった・・・)
「きゃぁぁぁぁ・・・・」
どばぁぁぁん!
「うぎゃっ!!」
リルーナは勢いそのままで突き当たりの壁に叩きつけられ廊下に転がった・・・
「・・・大丈夫?」
仰向けに倒れているリルーナの顔を覗き込むと頭を摩りながらリルーナが上半身を起こす。
「い、痛たたたた・・・きゅ、急に止まらないでよね・・・」
「突然抱きつくからだよ。・・・大丈夫ならこれで・・・」
「まっ、待って!!」
リルーナは歩き出すゼノアを追うように膝を付いたまま慌てて這いずりながらゼノアの前にでる。
「だ、だから待ってって言ってるでしょ?!」
ゼノアは呆れ顔でリルーナを見据える。
「はぁ・・・僕はあんた達のように冒険者なのに冒険者になろうとしている子達を馬鹿にしたり大人気なく張り合う人達とは話すらしたくないんだよ。」
「うぐっ・・・そ、それは・・わ、悪かったわよ・・・この通りだから・・・だから一つ教えて欲しいのよ!」
リルーナが頭を下げるが間髪入れずにゼノアが口を開く。
「内緒です。」
「へっ?!な、何よ!!まだ何も言ってないじゃない!!」
「僕はじいじ達から僕に関する個人情報はよっぽど信用できる人以外には話さないように言われているんだよ。それに学院長からも許可なく魔法を使う事を禁止されたしね。もしそれ以外なら一つだけ聞いてあげるよ。」
リルーナは出鼻を挫かれ言葉に詰まった。
(こ、この子・・本当に七歳なの?!で、でも・・・)
「・・・た、確かに君の個人情報になるわ・・・だけど!私は君の力に賭けるしかないの!君は・・・〈聖魔法〉を使えるわよね?」
(・・・気付かれたか・・・何か理由があるみたいだけど・・ゴルじいからは僕のを利用しようと寄って来る奴、特に女には気を付けろって言われてるし・・・)
ゼノアの脳裏にゴルドの言葉が蘇る。
『いいか?お前の力に気付いて寄ってくる奴は相手にするな。特に女は要注意だ。あの手この手でお前を誘惑して来る。そこで一度でも力の一端でも見せれば・・・それをネタに脅迫されて好きなように使われるんだ。いいか?忘れるなよ?おっぱいには気をつけろ!』
(おっぱいには気を付けろ・・・)
しかし思わずリルーナの胸元に目が行ってしまう・・・
(・・・へー・・着痩せする方か・・・はっ!だ、駄目だ!駄目だ!こ、これがゴルじいの言っていた”あの手この手”か!ふう・・危ない所だった・・・その手には乗らないぞ・・・)
「・・・な、内緒です。」
ゼノアは緩みそうになった表情を引き締めて目を逸らす・・・
(・・・あれ?今・・顔が緩んだ・・・?)
リルーナは交渉の糸口を見つけたように今さっきの状況を冷静に思い出す・・・
(・・・さっきのこの子の目線・・・もしかして・・・よし・・・)
リルーナは表情を崩さずゼノアに真剣な眼差しを向けながら胸元を強調するように床に両手を付く。
「お願い・・・話を聞いて!ねっ?」
(・・・おっふ・・・くっ・・ひ、卑怯な・・だ、だけど・・・い、いや・・・だ、駄目だ・・・)
「・・・な、なな・・内緒です・・・」
目を逸らすがチラチラと見てしまうゼノアを見てリルーナは確信する・・・
(・・・ふふっ・・・やっぱり・・・ちゃんと男の子なんだ・・・それなら・・・)
リルーナはトドメとばかりにそっとゼノアを両手で包み込み自分の胸に収める・・・
「えっ・・ちょっ・・・」
(おっふ・・・こ、これは中々・・・)
「お願い・・・私の妹を・・・助けて・・・」
(・・・い、妹・・?それにこの人・・・)
ゼノアは一瞬リルーナの言葉が心からの悲痛な願いに聞こえた。
(・・・妹か・・ま、まぁ・・・話ぐらい聞いてもいいかな・・・)
「・・・はぁ・・・お前のせいで依頼失敗じゃねーか!!何でこんな事ぐらい出来ねぇーんだよ?!どうすんだよ!?」
「・・・う、五月蝿いわねぇ!!!仕方ないでしょぉぉ!!元はと言えばあんたのせいでしょぉがっ!!それに私は!この世で生意気なガキが一番嫌いなのよ!!ふん!!」
アルグとカミラのいつもと変わらない不毛な言い合いをしていた。しかしリルーナはそんな言い合いを気にも止めずに手に持ったフォークに刺さった肉を食べるのも忘れて考え事をしていた。
「おい!リルーナ!お前からも何か言ってやれよ!!・・・おい・・リルーナ!!」
「あえっ!?あぁ・・・うん。」
「・・・まぁ・・妹が心配なのは分かるけど、あんたがしっかりしないと駄目よ!!それとも何か他に気になる事でもあるの?」
リルーナの様子がおかしい事に気付いた二人が顔を覗き込む。
「・・・う、うん。あのさ・・今日居た子供達の中に規格外な子がいたわよね?」
リルーナの言葉に二人の脳裏に同じ顔が浮かび同時に寒気を覚える。
「あ、あぁ・・・い、居たな・・・」
「え、えぇ・・・い、居たわ・・・」
アルグとカミラが一瞬顔を見合わせてすぐに顔を背ける。
「ねぇ。その子がカミラを治療した魔法って何だと思う?」
「えっ・・あぁ・・それは・・・多分・・聖魔法じゃ・・・」
カミラはリルーナの言いたい事に心当たりがあるような気がして言葉を止めた・・・
「あぁぁっ!!そうか!!ギルドの依頼書!!聖教会からの破格の依頼書ね!?」
「うん・・・まぁ、それはそうなんだけど・・・」
「お、おい何だよ?!何の事だよ?!」
アルグは訳がわからないとカミラとリルーナを交互に見る。
「あんたはちょっと黙ってなさい!!」
「うぐ・・・」
カミラとリルーナは冒険者ギルドの壁に貼ってある聖教会からの依頼書を思い浮かべていた。
依頼書
聖教会では〈聖魔法使い〉を募集しております。男女問わず年齢も問いません。破格の待遇をお約束いたします。
〈聖魔法使い〉の情報や紹介にも依頼内容に含みます。尚、情報提供の場合は内容を確認してから依頼達成の是非を判断致します。
情報料 金貨一枚
紹介料 金貨五枚
依頼者 聖教会教皇メリオル・シュルメール
「・・・だけど・・あいつさ、信じられないけどあの歳で詠唱してなかったよね・・・確か聖魔法は詠唱が必要だって言ってなかった?」
「・・・うん。そうなのよ。私も聖魔法だと思ったんだけど・・・だけど情報が正しくなければ報酬は無いわ。それよりも〈聖魔法〉を使えるなら・・・」
リルーナは言葉を止めて唇を真一文字に噛み締める。
「・・・そうね。あんたの妹を助ける事が出来るかもしれないわね・・・」
カミラは同情の目をリルーナに向けた。
〈勝利の大剣〉の三人は一ヶ月前までCランクで数年間燻っていた。しかしある日いつものように行き慣れたダンジョンに潜ると一階層の最深部でアルグのドジにより偶然にも隠し通路を見つける。先に進むとそこには長い間使われていないであろう部屋があった。そこでリルーナは小さな箱を見つける。その箱を開けると銀色に光る少し幅が広い指輪が入っていた。リルーナは誘惑に負けて思わず指輪を懐に入れてしまう。その後、冒険者ギルドが隠し部屋を調査すると部屋の奥に扉があり固く閉ざされていた。そして更なる調査が始まったのだった。〈勝利の大剣〉はその功績によりBランクへと昇格を果たした。しかしリルーナが持ち帰った指輪を誤って妹のメリーラが指にはめてしまう。メリーラの身体はドス黒い靄に包まれ生ける屍のように生気を失い寝たきりの日々を送る事になったのだった。
「・・・でもよ・・俺達、あのガキからすれば印象最悪だぜ?!」
黙って話を聞いていたアルグが肩をすくめる。
「えぇ・・・そうかもね。素直に話を聞いてくれるとは思えないわね。」
「・・・でも・・聖教会に行っても金貨200枚は掛かるわ・・・そんな大金・・・貯めるのに一体何年掛かるか・・・今はあの子に賭けるしかない・・・今、私が持ってる全財産叩いてもいい!背に腹は変えられない!私、行ってくる!」
リルーナは立ち上がり食堂の扉に小走りで駆け出した。
(はぁ・・・皆んな帰っちゃったし・・お昼ご飯も食べれずに連れて行かれたからお腹空いたよ・・・えっと食堂は・・・ここを曲がって・・・あった!)
ゼノアはラミリアの言う通り角を曲がり『食堂』の文字を見つけると無意識に足取りが軽くなる。
「ごっはんー!ごっはんーー!・・・よっと!」
ゼノアは軽く跳ねて食堂の入口に着地する。そして引き戸に手を掛けようとすると何故か勝手に勢いよく引き戸が開かれた。
ガラガラガラッッッ!!バァァン!!
「はうっ?!な、なに?!」
「きゃっ!!」
引き戸のレールを挟み二人が驚き目が合い記憶を辿る・・・そして暫しの沈黙・・・
「あっ・・・実力測定の時の・・・」
「ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!居たぁぁぁ!!!」
驚きと嬉しさの入り混じったリルーナの叫びがゼノアの声を掻き消す。
(えぇっ!?何?!・・・こ、これは・・面倒臭いやつだ・・・ここは・・・退散・・・)
「や、やっぱりお腹空いてないかな・・・」
ゼノアは咄嗟に昼ご飯を諦め方向転換をするとスキル〈加速〉を使う。しかしその刹那リルーナが逃すまいとゼノアの身体に両腕を絡ませた。
ばびゅん!!!
「う、うきゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ま、ま、まっ、待ってぇぇぇぇぇぇ!!!止まってぇぇぇぇぇ!!!」
リルーナはゼノアを両手で掴んだまま風にはためくマフラーのように風を切る。
(な、何?!さっ、さっきも同じ事があったような気が・・・はぁ・・もう・・・)
ゼノアがピタリと止まるとその反動でリルーナはゼノアを飛び越えて飛んでいく・・・
(あ・・・飛んでった・・・)
「きゃぁぁぁぁ・・・・」
どばぁぁぁん!
「うぎゃっ!!」
リルーナは勢いそのままで突き当たりの壁に叩きつけられ廊下に転がった・・・
「・・・大丈夫?」
仰向けに倒れているリルーナの顔を覗き込むと頭を摩りながらリルーナが上半身を起こす。
「い、痛たたたた・・・きゅ、急に止まらないでよね・・・」
「突然抱きつくからだよ。・・・大丈夫ならこれで・・・」
「まっ、待って!!」
リルーナは歩き出すゼノアを追うように膝を付いたまま慌てて這いずりながらゼノアの前にでる。
「だ、だから待ってって言ってるでしょ?!」
ゼノアは呆れ顔でリルーナを見据える。
「はぁ・・・僕はあんた達のように冒険者なのに冒険者になろうとしている子達を馬鹿にしたり大人気なく張り合う人達とは話すらしたくないんだよ。」
「うぐっ・・・そ、それは・・わ、悪かったわよ・・・この通りだから・・・だから一つ教えて欲しいのよ!」
リルーナが頭を下げるが間髪入れずにゼノアが口を開く。
「内緒です。」
「へっ?!な、何よ!!まだ何も言ってないじゃない!!」
「僕はじいじ達から僕に関する個人情報はよっぽど信用できる人以外には話さないように言われているんだよ。それに学院長からも許可なく魔法を使う事を禁止されたしね。もしそれ以外なら一つだけ聞いてあげるよ。」
リルーナは出鼻を挫かれ言葉に詰まった。
(こ、この子・・本当に七歳なの?!で、でも・・・)
「・・・た、確かに君の個人情報になるわ・・・だけど!私は君の力に賭けるしかないの!君は・・・〈聖魔法〉を使えるわよね?」
(・・・気付かれたか・・・何か理由があるみたいだけど・・ゴルじいからは僕のを利用しようと寄って来る奴、特に女には気を付けろって言われてるし・・・)
ゼノアの脳裏にゴルドの言葉が蘇る。
『いいか?お前の力に気付いて寄ってくる奴は相手にするな。特に女は要注意だ。あの手この手でお前を誘惑して来る。そこで一度でも力の一端でも見せれば・・・それをネタに脅迫されて好きなように使われるんだ。いいか?忘れるなよ?おっぱいには気をつけろ!』
(おっぱいには気を付けろ・・・)
しかし思わずリルーナの胸元に目が行ってしまう・・・
(・・・へー・・着痩せする方か・・・はっ!だ、駄目だ!駄目だ!こ、これがゴルじいの言っていた”あの手この手”か!ふう・・危ない所だった・・・その手には乗らないぞ・・・)
「・・・な、内緒です。」
ゼノアは緩みそうになった表情を引き締めて目を逸らす・・・
(・・・あれ?今・・顔が緩んだ・・・?)
リルーナは交渉の糸口を見つけたように今さっきの状況を冷静に思い出す・・・
(・・・さっきのこの子の目線・・・もしかして・・・よし・・・)
リルーナは表情を崩さずゼノアに真剣な眼差しを向けながら胸元を強調するように床に両手を付く。
「お願い・・・話を聞いて!ねっ?」
(・・・おっふ・・・くっ・・ひ、卑怯な・・だ、だけど・・・い、いや・・・だ、駄目だ・・・)
「・・・な、なな・・内緒です・・・」
目を逸らすがチラチラと見てしまうゼノアを見てリルーナは確信する・・・
(・・・ふふっ・・・やっぱり・・・ちゃんと男の子なんだ・・・それなら・・・)
リルーナはトドメとばかりにそっとゼノアを両手で包み込み自分の胸に収める・・・
「えっ・・ちょっ・・・」
(おっふ・・・こ、これは中々・・・)
「お願い・・・私の妹を・・・助けて・・・」
(・・・い、妹・・?それにこの人・・・)
ゼノアは一瞬リルーナの言葉が心からの悲痛な願いに聞こえた。
(・・・妹か・・ま、まぁ・・・話ぐらい聞いてもいいかな・・・)
323
あなたにおすすめの小説
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる