前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu

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第66話 異端審問官

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ラミリアに連れられて教室に向かうゼノアは白地に黒で縁取りのされた制服を身に纏い胸にはサーメリア学院の印章が輝いている。

「ゼノア君は当然ですがSクラスです。Sクラスは人数が少ないので一年生から三年まで合同になっています。今年のSランクはゼノア君を含めて四人です。仲良くしてくださいね。」

「はい!すっごく楽しみです!」

ゼノアは同世代の子達と過ごす毎日を楽しみで足取りも軽くラミリアについて行く。

「ふふっ。それはよかったです。さあ。ここがSクラスの教室ですよ。」

ラミリアは教室の戸を開けゼノアと一緒に中に入ると十一名の生徒から一斉に注目の的になる。

(おい、あいつが噂の・・・)

(何だよ・・どんな厳つい奴かと思ったらただのガキじゃねぇーかよ!)

(本当ね・・・平民の癖にSクラスなんて・・絶対何かズルをしたに違いないわ!)

上級生の良からぬ話声を他所にゼノアは教壇の横に立ち満面の笑みで正面を向く。

「はい!皆んな静かに!!紹介します!学院長とのお話しで遅くなりましたが今年のSクラスに入る事になりましたゼノア君です。さあ!ゼノア君。自己紹介をしてください。」

「はい!」

Sクラスの担任であるルメローラは年配であるがシルバーの綺麗なロングヘアーで歳を感じさせない優しい笑顔をゼノアに向ける。

「僕はゼノアと言います!ゲイブルの街から来ました!この学院で冒険者の事を勉強して誰かを助ける事が出来る冒険者を目指してます!よろしくお願いします!」

ゼノアが元気にお辞儀をして顔を上げると上級生達は呆れ顔で嘲笑っていた。

(あれ・・・何か変なこと言ったかな・・・)

「はっ!!ばっかじゃねぇーの!!何を綺麗事言ってんだよ!冒険者は金を稼ぐ手段でしかないんだよ!!」

「はぁ・・・本当にお子様ね・・・こっちが恥ずかしくなるわ・・・」

(あぁ・・・そういう事か・・まぁ、冒険者はこういう人が多いよね・・・でも!ゴルじいの言う通り気にせず行こう!)

ゼノアの中では上級生の野次よりもこれからの学院生活の方が楽しみであり聞き流す事にした。野次を飛ばした上級生はゼノアが戸惑い焦る姿を期待したが焦るどころか笑顔のまま堂々としている姿に苛つきを覚える。

「ちっ・・面白くねぇ・・・」
「ふん・・無理しちゃって・・・」

「はい!はい!静かに!!将来の目標があるのはとても良い事です!!それではゼノア君。一年生は最前列です。好きなところに座りなさい。」

「はい!」

ゼノアが席を見渡すと最前列の端に小さく手を振るナリアの姿があった。

(あっ!ナリアちゃんもSクラスなんだ!)

この学院に来て初めて知り合った女の子に気分も上がる。思わずゼノアも小さく手を振り返しニッコリ笑いながらナリアの隣へ座った。

「な、なんだあいつ・・・余裕かましやがって・・」

「くっ・・・ナリアちゃんは俺が目を付けてたのに・・くそっ・・・」

「ふん!こんな面前でいちゃつくなんて・・所詮庶民ね・・・」

上級生達はゼノアの一挙手一投足に苛立ちを覚えゼノアに敵意を抱くのであった。

「それではメルローラ先生。くれぐれもよろしくお願いします。」

「は、はい。」

メルローラはラミリアの意味ありげな語彙と表情に違和感を覚える。

そしてラミリアは教室を出る間際にもう一度生徒達を一瞥し廊下に出る。しかし一抹の不安を抱く。

(・・・国王陛下の推薦とは言え・・小動物の檻の中に猛獣を入れた気分だわ・・・)

生徒という名の小動物達の無事を願いラミリアは後ろ髪を引かれながらその場を立ち去るのであった・・・



「そ、それは本当か?!」

「えっ・・あぁ・・本当だ。あの時光の柱がアメルダさんの家に消えて行ったんだ。」

「おう!そしたらよ!アメルダさんの下の娘が死んだかと思ったら突然元気になってよ!皆んな大騒ぎだったぜ!神のご慈悲だってよ!!」

リズナー枢機卿は街に溶け込むために普段着に着替えて光の柱の中心を目指して情報収集をしていた。そこであの日リルーナが立ち寄った道具屋で店主と客に話を聞いていた。

「な、何だって?!死んだ者が生き返ったと言うのか?!」

「えっ・・あぁ・・そうだ!現にアメルダさんはよ娘が死んだと泣いてたんだぜ!その後家に閉じ篭っちまってよ・・」

(し、死んだ者が生き返った・・・ま、まさか・・・あの聖魔力は・・・死者蘇生魔法・・伝説のリザレクション・・・い、いや、待て・・・まだ分からん・・・)

「・・・で、他には何か気付いた事はなかったか?」

「あぁ・・そう言えば、その少し前にアメルダさんの上の子のリルーナが小さな男の子を連れて慌てて来たんだ。必死に魔力ポーションを探していたんだがよその日は商業ギルドの馬車が遅れて魔力ポーションがなかったんだ。でよ・・・その男の子が魔力ポーションが無くても自分の魔力を渡せば良いなんて馬鹿な事を言ってたんだ・・・」

「自分の魔力を渡す?!」

「あぁ。確かにそう言ってたぞ。俺も無理だって言ったが・・・そういえば無属性・・魔法とか言ってたな・・・」

「なっ!何?!確かにそう言ったのか?!」

「あぁ。間違いねぇよ。」

(・・・無属性魔法・・魔力操作の極みと言われる魔法・・・英雄サーメリアの魔法と言われている。これもまた人間が使った記録は・・・未だ無い。)

「店主。その少年の素性の心当たりはないか?」

「いやー・・・名前も言ってなかったしな・・・ここらでは見ない子だったな・・・あっ!そう言えばリルーナはサーメリア学院の実力測定の手伝いに行くって言ってな!もしかしたら学院の新入生じゃねーか?」

「ほう・・・学院の新入生か・・・」

(・・・まさか・・・スタンピードの功労者か・・・こうしてはおれん!)

「店主。助かった。これで飯でも食ってくれ!」

リズナー枢機卿はカウンターの上に大銀貨を一枚置くと振り返らずに店を出て行った。

「えっ・・・あっ・・お、おい!!行っちまったか・・・一体誰だったんだ・・・ふっ・・気前のいい事で・・・何処ぞの貴族様か何かか?」

「いや・・・俺はどっかで見た事があるんだが・・・」

店主と常連の客が首を傾げていると店の隅で品物を見ていた男がそっと店の外に出て行った。



「何だと?死者蘇生に無属性魔法だと?!」

「はい。確かにそう話していました。」

聖教会異端審問官バルガーの前に先程店から出て行った男が跪いていた。バルガーも男の報告を聞きながら眉間に皺を寄せる。

「・・・ふんっ!あり得ん話だ!だが万が一という事もある・・・お前は引き続き枢機卿を見張れ。」

「はい。かしこまりました。」

バルガーは男が立ち上がり部屋を出ていくのを確認すると赤い髪をかき上げ不適な笑みを浮かべる。

「・・・もしそれが事実なら人間が持っていい力では無い・・・人間の皮を被った魔族に違い無い。くくっ・・それならば!このバルガーが成敗してくれるわ!!」
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