前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu

文字の大きさ
81 / 102

第81話 勘違い

しおりを挟む
部下の男が首をカタカタとブリキ人形のように動かしてバルガーを見る・・・

「バ、バ、バルガー様・・・あ、あれは一体・・・ブ、ブラッドウルフが・・・人間を咥えて・・森に引き摺り込んで・・・」

部下の男達が怯えた目でバルガーに注目するがバルガーの目にはそれすらも目に入らず目の前の光景に驚愕し震えていた・・・

(ど、どうなっている・・な、何故だ・・い、一体何が起こっている・・・ブ、ブラッドウルフにあれ程の力は無い筈・・・あのガキ・・・ま、まさか・・そうか・・な、なるほど・・・そういう事か・・・テイマーだ・・あのガキ・・・ブラッドガルムとブラッドウルフを・・従魔にしやがった・・・聞いた事がある・・・従魔は主人の力によって強さが変わると・・・くっ・・・ブラッドウルフ如きがあれ程の力を得たという事は・・・やはりあのガキは魔人に違いない・・・)

バルガーの勘違いが加速し間違った方向に思考が進んで行く・・・

「・・・くっ・・人間の皮を被った魔人め!!遂に人間に牙を剥きやがった!!急げ!!〈封魔結界〉の準備はまだか?!」

焦るバルガーが苛立ち振り向けば部下達が額に汗を滲ませながら二つの蒼白い四角形錐の魔石に魔力を注いでいた。

「も、もう少しお待ちください!!」

バルガーはあからさまに焦りと苛立ちを浮かべる。

(・・・ちっ・・・強力な結界だが魔力の充填に時間が掛かるのが難点だ・・・それに充填して三十秒で使わなければ魔力が霧散してしまう・・・ここから奴等の所まで約100m・・・いや、120mか・・・)

バルガーはゼノア達までの距離を測りイメージを固める・・・

「バルガー様!!準備出来ました!!」

「むっ!!早く寄越せ!!」

バルガーは蒼白い光を放つ四角錐の魔石を部下から引ったくり両手に持つと一目散に森から飛び出し走り出した。

「どらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

(覚悟しろ!魔人め!このバルガー様が討ち倒してくれる!!)



「ん?誰かこっちに来る・・・」

ゼノアがバルガーの声に気付いて振り向く。皆もそれに釣られて皆の視線が白銀の鎧を揺らし迫るバルガーに集まった。

「あれは・・・バルガーかっ?!・・・ん?手に持っているのは・・・封魔結界石?!あいつは一体何をしようとしている?」

リズナーが迫り来るバルガーに目を細めているとバルガーの視線がゼノアに向いている事に気付く。

(・・・狙いはゼノア君か!・・・今までの経緯を見ていたな・・・なるほど・・確かに・・・そう思うのが普通か・・・)

「リズナーさん!あの人は誰なんですか?なんか必死な顔が怖いんですけど・・・」

ナリアがリズナーを見上げる。

「ふむ・・・あれは聖教会の異端審問官バルガーだ・・・あいつは今、盛大な勘違いをしながら向かって来ていると思われる・・・」

「えっ・・・勘違い?」

ナリアの考えが纏まる前にバルガーが気合いと共に両手を持った四角錐の魔石の底面同士を合わせる!

「魔人よ!!これでも喰らえ!!」

「えっ・・・魔人?」

ナリア達が首を傾げる・・・そんな空気の中お構いなしにバルガーは菱形になり蒼白い光を放つ封魔結界石を振りかぶり地面に突き立てた!

すると封魔結界石の継ぎ目から蒼白い光が広がり直径15m程の魔法陣が広がりゼノア達を包みこむ・・・

(ん?・・・これは・・・聖結界?・・何でこんな事を・・・)

ゼノアが首を傾げバルガーの必死な行動を眺める。そう・・ここにいる者はバルガーの言動に全くと言っていい程疑問を抱えて首を傾げているのである。

「あいつ・・何を言ってるんだ?」

「あぁ・・・だから勘違いか・・・だけど・・・あんな光景を目の当たりにしたら・・・気持ちは分からないでもない・・・」

「・・・そう言う事か・・・まあ、確かにな・・・」

ミレードとエルスがひそひそと話しているのが聞こえて来る・・・

(あー・・・そう言う事か・・・暗黒魔法まで使っちゃったし・・・ゴルじい達が言っていたのはこう言う事だったんだね・・・)

「はーっはっはっはーー!これで貴様は動けまい!!覚悟しろ!!このバルガー様がその魔人を成敗してくれる!!」

バルガーは勢いよく腰の剣を抜き放ち決まったとばかりに切先をゼノアに向けた。しかしゼノアは苦しむ様子も無くリズナーを始めその場にいる者達も苦笑いを浮かべていた・・・

「ん?・・って・・あれ・・・お前ら・・何で・・・何故そんなに落ち着いている?!こいつは魔人で!き、危険な存在なんだぞ?!その魔人を・・・この俺が・・・」

「バルガー・・・ちょっといいか?」

「な、なんだ?!」

「・・・勘違いだ。ここには魔人は居ない。信じられないだろうがゼノア君は正真正銘人間なんだ。その証拠に封魔結界の中でゼノア君は平気な顔で立っているだろう?魔の者であれば苦痛で膝を付くだろうな。」

バルガーはリズナーの言葉にはっとしてゼノアに目を向けると苦笑いを浮かべながら頬を人差し指で掻いているゼノアがいた。

「なっ?!ば、馬鹿な!!な、何故だ?!何故、封魔結界の中で平然としていられる?!人間は暗黒魔法は使えない筈だろう?!魔の者が使う魔法だ!!くっ・・な、何なんだ!!あのガキは・・・あのガキは・・・」

そしてその隣にはワナワナと肩わせドス黒いオーラを立ち昇らせるメイドの姿があった・・・

「・・・主様に剣を・・・向けたわね・・・」

「えっ・・・フェルネス?そ、そういえばフェルネスはこの中で大丈夫なの?」

「ご心配ありがとうございます。多少は影響はあるようですが私の中には主様のお力が渦巻いています。この程度の結界など一万が九千九百になった程度です。何も問題ありません。それより・・・主様に敵意を持ち剣を向けるあの輩を排除致します・・・っ」

「あっ・・・まっ・・・」

フェルネスはゼノアの言葉を待つ事なく軽々と大地を蹴ると殺気を漲らせ一瞬でバルガーの懐に入った・・・

「はっ?!なっ?!」

ずどぼぉぉぉぉぉぉ!!!

バルガーが最後に見た光景はフェルネスの胸元であった・・・次の瞬間、バルガーの頭は草原の中に叩きつけられ埋められた・・・

「・・・ふん。最後まで変態でしたわね。早く死ねばいいのに・・・」

フェルネスは始終バルガーからのいやらしい視線を感じていた。気を失い全身が痙攣しているバルガーを汚物を見るような目で見下ろし追い討ちのようにバルガーの頭を踏み躙るのであった。

(・・・この人・・勘違いでやって来て・・いきなりやられて・・・可哀想で残念な人だね・・・)

ゼノアが哀れみの目を向ける。

リズナーが頭を抱えてゆっくりと首を振った。

「・・・バルガー・・・いつも言っていただろう・・・お前は状況把握を疎かにするからいつか失敗すると・・・状況を見ていたのなら喧嘩を売っていい相手か分かる筈なんだが・・・」

「・・よくお父様が言っていました。いくら素晴らしい称号やスキルを持っていてもその人間が愚かであれば宝の持ち腐れだと・・・正にその見本ですね・・・良い勉強になりました。」

ナリアもリズナーの隣に立ち踏み躙られるバルガーを軽蔑の眼差しで見下ろすのであった。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」  騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。  この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。  ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。  これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。  だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。  僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。 「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」 「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」  そうして追放された僕であったが――  自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。  その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。    一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。 「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」  これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです

桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

処理中です...