前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu

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第85話 エミリア王妃

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僕達はセルバイヤ王との謁見を終え、改めて応接室へと招かれた。そこでリズナー枢機卿はセルバイヤ王に聖教会の今の現状を報告していた。
何故かセルバイヤ王は面倒臭そうに顎を摩っていた。

「・・・むう。そこまで腐っておったか。民衆からも良い声が聞こえぬから気にはしておったのだ。だが・・・王宮への請求を水増ししておったとなれば・・・許される事ではない!マリスよ!早急にシュルメールを呼び出すのだ!・・・ふん!よくもこのわしをコケにしてくれたな・・・わしが直々に話をしてやる・・・」

目を細め怒りを滲ませるセルバイヤ王の姿に皆がシュルメール教皇の行末を想像し苦笑いを浮かべるのであった・・・。



「それはそうと・・・・」

セルバイヤ王はこれが本題なのだとゆっくりと立ち上がる。その表情は国王としての威厳では無く、憑き物が落ちたような優しい表情に見えた。

「ゼノア、リズナーよ。我が娘ナリアを危機から救ってくれた。一父親として改めて礼を言う。ありがとう。」

セルバイヤ王は腰を折り頭を下げた。ゼノアとリズナーは一国の王が貴族でもない者に頭を下げた事に驚き慌てて立ち上がる。

「えっ・・・?!い、いや!!へ、陛下!あ、頭を上げてください!!」

「陛下!先程も申し上げた通り当たり前の事をしたまででございます!頭をお上げください!」

「わしも王である前に父親なのだ。我が子の命の恩人に礼を言うのは至極当然の事だ。」

「私からもお礼を言わせて!リズナー枢機卿、ゼノア君。私達を助けてくれてありがとう。」

側にいたナリアもセルバイヤ王の隣に並び頭を下げる。
リズナーとゼノアは顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。

「わ、分かりました。お二人のお気持ちは受け取りました。ですから頭をお上げください。」

リズナーの言葉にセルバイヤ王とナリアが顔を上げる。するとその瞬間、応接室の扉が開く。

ガチャ・・・

全員が扉に注目する中、煌びやかなドレスに身を包んだ美しい女性が軽く一礼し入って来た。

(えっ・・あ、あの方は!!)

(・・あぁ・・えっ・・ま、まさか・・・)

(・・・お、お一人で・・歩いて・・)

それを見たリズナーを始め座ってお茶を啜っていたユフィリアとガベルが慌てて立ち上がり一礼を返した。

「えっ?!だ、誰?!な、何?」

ゼノアはその場の空気に固まる。

セルバイヤ王は示し合わせたかのように女性に頷くと女性は静々とセルバイヤ王の隣に立った。

「ゼノアは初めて会うな。これは我が妻のエミリアだ。」

セルバイヤ王がエミリアを紹介するとエミリアがゼノアを見つめながら微笑む。

(こ、この人が陛下の奥さん・・・綺麗な人・・・)

「貴方がゼノア君ね。初めまして私はエミリア・セルバイヤと言います。この度は娘のナリアを救ってくれてありがとう。」

物腰柔らかにエミリアが頭を下げた。

「えっ、あっ、さ、さっき、陛下からお礼は受けとりました!あ、頭を上げてください!!」

エミリアに見惚れていたゼノアが我に返り慌てふためく。

ゼノアが助けを求めるようにリズナーに目を向けると、リズナー、ガベル、ユフィリアがエミリアを見たまま唖然としていた。

(えっ・・・みんなどうしたの・・・?)

「・・・エ、エミリア様・・・お、お身体は・・・大丈夫なのですか・・・?」

リズナーがユフィリアとガベルが言いたい事を思わず溢した・・・

そして目を見開き肩を震わせながら一番驚いていたのはナリアであった。

「え、、あ、、、お、お、お母様・・・ど、どうして・・・お母様が一人で歩いて・・・お、お母様ぁぁぁぁぁ!!!」

ナリアは溢れる涙をそのままに両手を伸ばし母であるエミリアにしがみ付いた。

「・・・ナリア・・ナリアなのね・・・こんなに大きくなって・・・心配かけましたね・・・また我が子の顔が見られるなんて・・・」

エミリアは母の顔になり優しくナリアを見つめながら頭を撫でる。

「おがぁさまぁぁぁぁぁ!!よがったぁぁぁぁぁ!!よがったよぉぉぉぉ!!」

ナリアは溢れる感情を抑えきれずに母の胸に顔を埋めた。エミリアも我が子を優しくそして強く抱きしめ頬を濡らすのであった。

(えっ・・・何がどうなってるの・・?)

セルバイヤ王の妻エミリアはナリアを産んだ直後の身体が弱った所に病に倒れた。そして命は取り留めたものの失明し身体も思うように動かなくなった。それ以来約七年間王宮内でも付き添いが居なければ歩く事も出来なくなっていたのだった。

「・・・うっ・・ずずっ・・と、とにかく・・良かった・・」

「・・・え、えぇ・・・ぐすっ・・そうね・・・」

「・・・う、うむ・・・んぐっ・・でも・・・どうして・・・」

リズナー達も目頭を押さえて込み上げる感情で鼻を啜っていた。



「・・・でもお母様・・どうして急に良くなったの?」

ナリアが涙を拭きながら母の顔を見つめる。

「えぇ。つい数日前に不思議な暖かい何かに包まれたと思ったら突然目が見えるようになったの。身体もこの通り元気で以前より良くなったみたい。話に聞けばこの日はこの王都が巨大な魔法陣で包まれた日と聞きました。皆は”セルバイヤ王都の奇跡”と呼んでいるそうね。」

エミリアは優しく首を傾げてゼノアを見る。まるで誰の仕業かを知っているように。チラリと周りを見れば皆の視線が自分に集まっていた。

(・・・あっ・・・あれか・・・)

「ふん・・ゼノアよ。これに見覚えがあるだろう?」

コトッ・・・

突然セルバイヤ王が目尻の滴を軽く拭き豪華なテーブルの上に見慣れた小瓶を置いた。皆の視線がテーブルの上の小瓶に集まる。

(・・・やっぱりこれか・・・もう隠せないよね・・・)

「・・・は、はい。」

ゼノアは罰が悪そうに頭を縦に振った。

「やはりな。となるとお主は娘のナリアだけでなく我が妻のエミリアまで救った事になる・・わしは一体この恩にどうやって報いたら良いのか・・・教えてくれぬか・・・ゼノアよ。」

玉座に座っている時のセルバイヤ王のとは打って変わり優しく困った表情を浮かべゼノアを見つめていた。

「い、いえっ・・・そんな・・恩だなんて・・・」

「ふむ・・そうだな。急に聞かれても思いつかぬだろう。その話は後程するとしようか。」

(・・やっぱり使ったのね・・・)

(・・ああ。分かってはいたが・・まさか王都全域とはな・・・)

ユフィリアとガベルが呆れた顔で肩を落とす。しかしエミリアとナリアの笑顔を見てこれで良かったのだと笑みを溢しながら頷き合った。

しかし一人だけ理解が追いつかない者がいた・・・

「・・・こ、こ、これは・・・何なのですか・・・?みんなを・・・りざれくしょん・・・?こ、この小瓶は・・一体・・・これはポーションなのですか?!」

リズナーは震える手で小瓶を手に取り答えを求めるようにユフィリア達を見渡す。

「ふむ。そうだな。わしからも頼む。このポーションの事を詳しく教えてくれ。」

セルバイヤ王がリズナーに助け船を出すようにユフィリアとガベルを見据えた。

「まっ・・・その為に私達は呼ばれたのよね?」

ユフィリアはいつもの調子を取り戻し両手を腰に添えて微笑みゼノアの目を見てにっこり笑う。

(・・・これは・・今から全部話すつもりだ・・・うん・・僕もこの王都で僕の事を知ってくれている人がいるのは心強い・・全てを話せる人が居てくれるのは助かるよ・・・)

僕は何も言わずにユフィリアに頷いた。

「それじゃあ・・・百聞は一見に如かずね。ゼノア君。あんたのステータスを陛下に見せてあげなさい。」

「・・・うん。分かった。じゃあ・・・」

(自分を鑑定して・・・広げる!!)

ゼノアの鑑定によりゼノアの本当のステータスが虚空に映し出される・・・

ゼノア
Lv 176
称号 スキル神官
力   2845
体力  2689
素早さ 2475
魔力  2806

スキルポイント 1898

【固有スキル】〈神級スキル〉〈育成の種7〉〈寒耐性10〉〈苦痛耐性12〉〈状態異常耐性15〉〈運搬16〉〈料理15〉〈解体13〉〈剛腕2〉〈剛体力3〉〈剛脚2〉〈大魔力4〉〈鑑定7〉〈格闘7〉〈豪剣技6〉〈剛気4〉〈暗黒魔法4〉〈魔法防御6〉〈魔力創造7〉〈堅固4〉〈威圧4〉〈加速3〉〈神聖魔法2〉〈光魔法6〉〈身体強化5〉〈火炎魔法2〉〈風魔法3〉〈地魔法3〉〈水魔法2〉〈隠蔽3〉〈従魔契約3〉


「・・・な、なな・・・な、なんじゃこの馬鹿げたステータスはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ば、ば、馬鹿な・・・ス、スキル神官・・・か、神の称号か・・・ゴクリ・・」

セルバイヤ王と宰相のマリスは虚空に目を見開き小刻みに震えていた。

(あれ?・・・神聖魔法って・・・)

〈神聖魔法〉
幻想級。聖魔法の限界を超えて使用し聖魔法を極めた者のみが授かるスキル。

(・・・聖魔法が進化したんだ・・・幻想級・・・凄い。)


「・・・ふっ・・ふふふっ・・・か、神だ・・・神が降臨されたのだ・・・この世界を・・・この世界を正す為に神が君を遣わせたのだ・・・」

ゼノアのステータスを目の当たりにしたリズナーは両膝を付くと両手を組み祈りを捧げる。

(まあ・・・分かるわ。最初はそんな反応になるわよね・・・)

(そうだな・・・私も見た時は腰を抜かしたからな・・・)

ユフィリアとガベルは暫し皆の反応を楽しむように眺めていた。


「えっ!!あっ!!リ、リズナーさん!!や、止めてください・・・」

「その通りですわ。この者が言う通り我が主様は創造神アルフェリア様が遣わされた使徒様なのです。この世界の生きとし生けるもの全てが跪く存在なのです!!」

ゼノアがリズナーに手を伸ばそうとすると今まで沈黙を守っていたフェルネスがここぞとばかりにゼノアを称えるように両手を羽根のように広げる。

「こ、こら!フェルネス!話を大きくしないで!!」

「はい。主様、失礼致しました。しかしこれは事実です。この国の王よ。我が主がこの国に降り立ったのを感謝しなさい。」

「こら!フェルネス!」

フェルネスは微笑みながらゼノアに静かに一礼し一歩下がった。リズナーはフェルネスの言葉にそのまま祈りを捧げるように手を組んで佇んでいた。

(リズナーさん・・・)

セルバイヤ王は空気を変えようと思わず気になっていた事を口にする。

「・・・う、うむ・・・お主の事も報告があり気になっておった・・・お主はあのブラッドガルムなのだな?」

「はい。しかし今は主様のお力によりダークネスフェンリルに進化させて頂きました。そして私は主様の忠実なる僕。主様に仇なす者は例え国が相手でも・・・容赦はしませんわ・・・」

フェルネスは魔力を滲ませ眼を紅く染めるとセルバイヤ王を軽く威嚇するように見据える。セルバイヤ王はフェルネスの魔力に圧倒される。

(ダ、ダークネスフェンリル?!た、確かにこの魔力・・・あ、あの幻獣ダークネスフェンリルか!特Sランクの・・・幻獣・・・遥か昔に魔獣の王として君臨したと言われる幻獣ダークネスフェンリル・・・伝説かと思っていたが・・その伝説が今、目の前に・・・その伝説を従えるというのか・・・ゼノアよ・・・お主は一体・・・)

「う、うむ・・・フェルネスよ。あ、相わかった。我が国はゼノアに危害を加える事は無いと約束しよう。」

「・・・賢明な判断ですわ。」

フェルネスはセルバイヤ王に主であるゼノアを認めさせ口元に笑みを浮かべる。

(そ、そうだよね・・・今のフェルネスは僕よりも強いしね・・・もしフェルネスが暴れたら・・・王都が壊滅しかねないからね・・・皆が刺激しない事を祈るよ・・・)



「・・・して、ゼノアよ。お主は本当に創造神アルフェリア様の使徒なのか?」

セルバイヤ王が絞り出すように声を出す。

(うーん・・・神の使徒って・・そんな大袈裟な事じゃ無いんだけど・・・どうしよう・・・)

ゼノアが助けを求めるようにユフィリアを見上げる。それを見たユフィリアは”任せて”と言わんばかりににっこり笑う。

「陛下。私が説明致します。まず陛下も皆んなも今から話す事は他言無用です。これはゼノア君の意向です。良いですね?」

「うむ。分かった。」

セルバイヤ王の答えにエミリアとナリアも首を縦に振る。

「リズナー枢機卿も良いですね?」

ユフィリアは跪いて祈りを捧げたままのリズナーを見下ろす。

「えっ、あっ・・は、はい!か、神の仰せのままに!」

(リズナーさんの人格が変わったような気が・・・)


ユフィリアは腰を下ろして一口お茶を啜ると自分がゼノアに関して知る限りの話を語り出した。

ゼノアは大司祭メルミラの孫であり目を覆うような酷い人生を歩み創造神アルフェリアにより今この世界に転生した事。
創造神アルフェリアから貰った称号とスキル、その力を使ってマジックポーションを作った事を楽しそうに話した。

目を白黒させながら話を聞いていたセルバイヤ王は話しが終わると大きく息を吐きソファの背もたれに身体を預ける。

「・・ふうぅぅぅ・・・少し落ち着く時間をくれ・・・神廻転生・・・神に選ばれし者か・・・全く・・・想像の斜め上を行ってくれる・・・」

セルバイヤ王はソファに身体を埋め自分の理解を超える事象に頭を抱えていた。しかし妃のエミリアは目に涙を浮かべてゼノアの側に行きゼノアを我が子のように抱きしめる。

「わぶっ・・・お妃様!ど、どうしたんですか?!」

「・・・生まれる事なく両親の死を見るなんて・・・貴方はどれ程の苦痛に耐えて来たの・・・?その上、この国で・・・たった一人で・・・辛かったでしょう・・・寂しかったでしょう・・・そして・・・ミルトン・ライナード伯爵に一歳の幼子で売られた・・・許せません・・・この国で三度も貴方に辛い思いをさせた事・・・この私が謝罪します。本当にごめんなさい・・・本当に・・本当にごめんなさい・・・」

エミリアはゼノアを抱きしめ優しく胸に収めて行く・・・

(おっふ・・・柔くて良い匂い・・・なんて優しい人なんだ・・・)

ゼノアは抵抗もせずにエミリアの想いも他所になすがままに胸の感触を堪能していた・・・

「うおっほん!!は、話を進めるぞ!」

(はうっ!しまったつい・・・)

セルバイヤ王の声に我に返るとジト目のナリアと目が合った・・・

「あっ・・いや・・これは不可抗力で・・・」

(・・・やっぱり・・おっぱいなのね・・・)

ナリアが軽く胸に手を当てて目を逸らす。

(あうっ・・・)

エミリアから解放されたゼノアは言い訳する事も出来ずに項垂れるのであった。
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