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始まり
始まりと旅立ち2
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この世界は日本とはまるで違っていた。言うなれば中世ヨーロッパ、けれど地球とは全く違う場所。貴族社会なんてものがあり、騎士団やギルド、魔術協会なんてものもある。
文明が進んでいない頃の世界なのかと言われたら、そうでないと言い切れる。何故ならこの世界には、魔術や魔物といわれるものが存在するからだ。
「……うっわ、蛇だ。」
鬱蒼とした森の中を器用に走り抜ける一人の少年。腰には剣を佩き、手に弓を番えた彼はとあるものを見つけて瞬時に大木へと身を寄せて息を潜める。
そろりと気配のする場所を覗けばそこにいるのは大蛇。昔映画で見た事のある人食い蛇と同じか、それ以上の体を持つその怪物の姿に少年は笑みを浮かべた。
魔物と呼ばれる生物は、所謂突然変異というやつで通常の生物がなんらかの原因で巨大化してしまったものを指す。その原因は未だ不明であり、見つけた場合処分するのが国としての決まり事だ。
「……脱皮したてか、ラッキー」
けれど生物としての機能はあまり変わらないらしく目の前にいる大蛇の側には抜け殻になった皮がある。それならば今この個体の防御力は著しく低いということに気付いた少年は更にその笑みを深くした。
手に持っていた弓を背にしまい、代わりに取り出したのは剣。上手く捌いた方が後々便利だと、少年は一つ呼吸をしたと同時に地面を蹴った。
気配に気づいた大蛇が鋭い牙を剥き出しにして襲いかかる。それをひょいとかわして少年は大きく跳躍した。普通ではあり得ない高さまで飛び上がり、異例の滞空時間を見せる彼は剣の柄を両手で持ち大蛇の頭にその切っ先の狙いを定めて己の体重ごと叩き込む。
骨を砕く感触と柔い肉を貫く感触、剣ごと地面に突き刺して手に伝わる命の終わりをじっと見つめた。
「……っし、終わり」
動かなくなったことを確認して彼は剣を抜く。
剣についた血を振って払えばそれを鞘に収めた。
「エル、あんまり一人で突っ走んなってあれほど…」
「ああ、ごめん。でももう終わったから。これ持って帰ろうか、アルフ」
毒がある牙と尾の先を切り落としていた時に背後から声をかけられる目を向ける。そこにいたのは明るい茶髪を短く刈った、大剣を背負った青年。
見知った人物なのか警戒するでもなく言葉を交わしていたが青年、アルフレッドの視線の先にいる先ほど倒したばかりの大蛇を見てラファエルは照れたように笑う。
「あはは、倒しちゃった」
まるで悪戯がバレた子供のように笑う彼を見てアルフレッドは溜息を吐いた。こんな事はもう慣れっこだが、だからと言って怒らないわけではない。
こめかみをひくつかせながら大きく息を吸い込んだ。
「…こんのクソ馬鹿野朗!!!!」
雷のような怒声に悪びれることも無くラファエルは笑う。
「ごめんってば。次からはしない」
「嘘だな。ぜーったいに嘘だ。お前の言葉は信用ならねえ!」
「ひどいなー、これでも真面目に言ってるよ?でも勝てちゃったから問題ないでしょ」
「…そういうことじゃねえんだよこのクソ馬鹿エルこの野郎」
「いったたたた、耳引っ張んないでよ痛いからさ」
拝啓神様、お元気ですか。
僕は元気でやっています。日々が充実していてとても楽しいです。あ、そうだ、最近ようやく狩に出られるようになりました。
そろそろ僕も十六になるので冒険の旅に出ようと思います。因みに狩は家の人達には秘密です。
けどそろそろ隠すのも限界みたいなので、今日辺りお話しようと思います。その時はどうか僕を見守っていて下さい。それでは。
文明が進んでいない頃の世界なのかと言われたら、そうでないと言い切れる。何故ならこの世界には、魔術や魔物といわれるものが存在するからだ。
「……うっわ、蛇だ。」
鬱蒼とした森の中を器用に走り抜ける一人の少年。腰には剣を佩き、手に弓を番えた彼はとあるものを見つけて瞬時に大木へと身を寄せて息を潜める。
そろりと気配のする場所を覗けばそこにいるのは大蛇。昔映画で見た事のある人食い蛇と同じか、それ以上の体を持つその怪物の姿に少年は笑みを浮かべた。
魔物と呼ばれる生物は、所謂突然変異というやつで通常の生物がなんらかの原因で巨大化してしまったものを指す。その原因は未だ不明であり、見つけた場合処分するのが国としての決まり事だ。
「……脱皮したてか、ラッキー」
けれど生物としての機能はあまり変わらないらしく目の前にいる大蛇の側には抜け殻になった皮がある。それならば今この個体の防御力は著しく低いということに気付いた少年は更にその笑みを深くした。
手に持っていた弓を背にしまい、代わりに取り出したのは剣。上手く捌いた方が後々便利だと、少年は一つ呼吸をしたと同時に地面を蹴った。
気配に気づいた大蛇が鋭い牙を剥き出しにして襲いかかる。それをひょいとかわして少年は大きく跳躍した。普通ではあり得ない高さまで飛び上がり、異例の滞空時間を見せる彼は剣の柄を両手で持ち大蛇の頭にその切っ先の狙いを定めて己の体重ごと叩き込む。
骨を砕く感触と柔い肉を貫く感触、剣ごと地面に突き刺して手に伝わる命の終わりをじっと見つめた。
「……っし、終わり」
動かなくなったことを確認して彼は剣を抜く。
剣についた血を振って払えばそれを鞘に収めた。
「エル、あんまり一人で突っ走んなってあれほど…」
「ああ、ごめん。でももう終わったから。これ持って帰ろうか、アルフ」
毒がある牙と尾の先を切り落としていた時に背後から声をかけられる目を向ける。そこにいたのは明るい茶髪を短く刈った、大剣を背負った青年。
見知った人物なのか警戒するでもなく言葉を交わしていたが青年、アルフレッドの視線の先にいる先ほど倒したばかりの大蛇を見てラファエルは照れたように笑う。
「あはは、倒しちゃった」
まるで悪戯がバレた子供のように笑う彼を見てアルフレッドは溜息を吐いた。こんな事はもう慣れっこだが、だからと言って怒らないわけではない。
こめかみをひくつかせながら大きく息を吸い込んだ。
「…こんのクソ馬鹿野朗!!!!」
雷のような怒声に悪びれることも無くラファエルは笑う。
「ごめんってば。次からはしない」
「嘘だな。ぜーったいに嘘だ。お前の言葉は信用ならねえ!」
「ひどいなー、これでも真面目に言ってるよ?でも勝てちゃったから問題ないでしょ」
「…そういうことじゃねえんだよこのクソ馬鹿エルこの野郎」
「いったたたた、耳引っ張んないでよ痛いからさ」
拝啓神様、お元気ですか。
僕は元気でやっています。日々が充実していてとても楽しいです。あ、そうだ、最近ようやく狩に出られるようになりました。
そろそろ僕も十六になるので冒険の旅に出ようと思います。因みに狩は家の人達には秘密です。
けどそろそろ隠すのも限界みたいなので、今日辺りお話しようと思います。その時はどうか僕を見守っていて下さい。それでは。
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