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第一章 僕の話
己を知る
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その次の日の午後も僕とヤードは部屋の片付けを割り当てられた。
「…なんかスタク朝から疲れてる…?」
「ああ、馬鹿が少しな…」
疲労が滲む声で呟いた僕にヤードは苦笑した。
今日、というか昨日の夜から僕の疲労は続いている。就寝時間になり寝る準備をしていたら問答無用でシリウスに抱えられベッドに突っ込まれたからだ。一回だけと思っていた添い寝がまさか二日連続で起きるなんて予想していなくて僕はそれはもう抗議した。抗議したのだが、頑として譲らないシリウスに折れてまた一緒のベッドで夜を明かしてしまったのだ。
僕以外とも円滑なコミュニケーションをと言ったそばからこれだ。
その後の食堂でも雛鳥と言わんばかりに僕の後をついて周り、午後になって仕事が別れるまでそれが続いたのだ。疲労もする。
「…どうしてあいつはこう…」
「まあルーヴは昔からそうだから」
苦笑混じりに呟かれた言葉に書類を整理していた手が止まる。
「…そうだったか?」
「え、もしかして自覚無い?」
「いや、そういう訳じゃない。あいつはずっと僕にくっ付いてる。ただ最近は悪化しているような気がして」
「ああ」
ぺら、ぺら、とヤードが書類を分別する音がする。
「最近というか昨日からかな、悪化したの」
ある程度束になった書類の角を合わせる為に持ち上げてテーブルに数回落とす。
「大怪我して意識がなかったのが数日、そこからなんでか二人が喧嘩して約一週間。やっと仲直りしたと思ったら昨日のあれだもん。ルーヴのくっつき虫加減が加速するのはしょうがないと思うけどな」
「…僕は間違ったことは言ってない」
「うん、そうだね。スタクはいつだって正しいよ」
一つの書類の束が完成して、また次の束を作るために書類の山に手を伸ばす。
ハイルデンさんはまだ来ていない。
「ねえ、スタクはどうして昨日あんなこと言ったの」
「あんなことって?」
「ルーヴと班を分けろってやつ」
ああ、と僕は頷いた。
「ハイルデンさんに言われたんだ。僕たちがセット扱いされるのはここまでだって」
紙の音が止んでヤードが僕を見た。
「それを聞いて確かにそうだと思った。あいつは天才で、騎士団長の息子だ。ここは通過点でしかないだろうし、いずれは王都に戻るんだろう。でもそうなった時、僕はあいつの隣にはいない。王都にいられるような優秀な人材じゃないからな、僕は」
この八年間、多分誰よりも近い距離で一等星のことを見てきた。だからこそわかるのだ、自分の才覚がここまでだと、ここで頭打ちなのだと。
いつか一度くらいシリウスに土をつけてやりたかったが、きっと難しい。
魔力というものは生まれつき器が決まっている。僕の器はそこそこ大きいけれど、せいぜい浴槽くらいのものだ。それに比べてシリウスは湖か、それよりももっと広大な器を持っている。魔力量だけは生まれ持った才能だからどうしようもない。
けれど僕は僕なりに試行錯誤してきた。自分の持っている才能でどうすれば他と渡り合えるのかを学園にいるときも、今だってずっと模索し続けている。
最小限の攻撃で最大のダメージを。これが僕が演習や魔物と戦う時に常に考えて実践しているテーマだ。適当に斬りかかるのではなく、急所を確実に捉えた一突きで倒す。大きな魔法で焼き尽くすのではなく、小さな魔法で酸素の供給を絶って殺す。
そうして上手くやって来た。座学も実技もこなして来た。だから学園では評価されて、田舎者にしては大出世を果たしたと言ってもいい辺境に赴任できた。
でも僕はここに来て、自分の小ささを知ったのだ。
「ここには僕よりも魔法の才能が長けている人なんて沢山いる。そんな人達がいるのに、僕があいつの横に立ち続けるなんて出来るはずがない。それこそ王都なんてシリウスと似たようなお化けがそれなりにいるだろうからな」
輝く一等星の隣にはそれと同じくらいの星がいるべきだ。
「だから本当ならコミュニケーションの練習なんて必要が無いのかもしれない。天才同士ならきっと何も言わなくてもお互いの最大値がわかるだろうから。でも一緒に行動する人がそうじゃない可能性なんていくらでもある。そうなった時、今のままのシリウスだと勿体ないと思ったんだ」
きっとシリウスは十年もしないうちにこの国有数の人材となるだろう。
僕はその未来を信じて疑っていないからこそ、昨日した提案が間違いだなんて全く思っていない。
「…それはスタクがすることじゃないだろ」
思わずといった風に漏れた言葉に手が止まる。横を向くとヤードが髪色と同じ目で僕を見ていた。
「それはスタクがどうにかする問題じゃないだろ。それはルーヴの問題であって、スタクが提言するものじゃない。スタクはあいつの教師でも親でもなんでもないだろ。そうやって甘やかすから、ルーヴはいつまでも…」
「……」
真っ向から言われた言葉に虚を突かれた。
目を丸くしている僕にハッとしたヤードが眉尻を下げるのを見て僕は慌てて首を振る。
「驚いたんだ」
「ぇ」
「僕は今までシリウスの世話係ってフィルター越しからでしか見られてないと思っていたから、僕のことを叱ってくれたのに驚いた。ヤードは良い奴だな」
「いや、えっと、そんなことは」
「…八年だからなぁ」
ある程度束になった紙を整えて、ハイルデンさんが見やすいように整理する。
「十歳の頃からシリウスのことばかり考えて来たから、自然と優先順位が上になっているんだ。だからどうしても世話を焼いてしまう。いつまでも僕が世話を焼く訳じゃないのにな」
自嘲気味に笑う。
「──スタク」
「だああ! 来てやったぞゴルァ!」
けたたましく扉の開く音が響いた。
振り返るとそこには明らかに不機嫌なハイルデンさんがいて、その顔に息を吐く。
「おうスタクゴルァ、人様の顔見て溜息吐くなんて随分なご挨拶じゃねえかああん?」
「チンピラみたいな絡み方やめてくださいお疲れ様です」
「おめえはもっと可愛げってもんを身に付けやがれ! いつでも仏頂面しやがって」
「ハイルデンさん」
「オヒョッ」
ずい、と僕に顔を近付けて治安の悪い態度で睨みつけて来ていたハイルデンさんの肩が猫のように跳ねた。そのまま機械仕掛けの人形のように首を僅かに後ろに回すと喉がひゅっと鳴る音がした。
「今日もお仕事頑張りましょうね」
「わわわわわかってラァ! おら書類持ってこい!」
「あちらに」
「こんなにあるのかよぉ……」
肩を盛大に落としてとぼとぼと歩いていく背中を見送った後、ちらりとヤードを見た。有無を言わせない笑顔をしていた。怒った時にしか出ないと思っていた笑顔だが、どうやら昨日の今日で習得したらしい。
ヤードは仕事が出来る奴だと思った。
「……」
だけど書類を分けている手が震えているのを見て、あ、無理しているんだなと思った。
そこを含めてこいつは仕事が出来るやつだなと思った。
ハイルデンさんは最初こそ良い勢いで書類を捌いていたけれど、時間が進むに連れて勢いが失われ最終的には本当に怒ったヤードによって追い込まれていた。ギャンギャン喚きながらも書類を処理していく姿はとてもシュールだったし、上司ってどっちだったかなと思いながら僕もハイルデンさんを追い込む一助として働いた。
「…なんかスタク朝から疲れてる…?」
「ああ、馬鹿が少しな…」
疲労が滲む声で呟いた僕にヤードは苦笑した。
今日、というか昨日の夜から僕の疲労は続いている。就寝時間になり寝る準備をしていたら問答無用でシリウスに抱えられベッドに突っ込まれたからだ。一回だけと思っていた添い寝がまさか二日連続で起きるなんて予想していなくて僕はそれはもう抗議した。抗議したのだが、頑として譲らないシリウスに折れてまた一緒のベッドで夜を明かしてしまったのだ。
僕以外とも円滑なコミュニケーションをと言ったそばからこれだ。
その後の食堂でも雛鳥と言わんばかりに僕の後をついて周り、午後になって仕事が別れるまでそれが続いたのだ。疲労もする。
「…どうしてあいつはこう…」
「まあルーヴは昔からそうだから」
苦笑混じりに呟かれた言葉に書類を整理していた手が止まる。
「…そうだったか?」
「え、もしかして自覚無い?」
「いや、そういう訳じゃない。あいつはずっと僕にくっ付いてる。ただ最近は悪化しているような気がして」
「ああ」
ぺら、ぺら、とヤードが書類を分別する音がする。
「最近というか昨日からかな、悪化したの」
ある程度束になった書類の角を合わせる為に持ち上げてテーブルに数回落とす。
「大怪我して意識がなかったのが数日、そこからなんでか二人が喧嘩して約一週間。やっと仲直りしたと思ったら昨日のあれだもん。ルーヴのくっつき虫加減が加速するのはしょうがないと思うけどな」
「…僕は間違ったことは言ってない」
「うん、そうだね。スタクはいつだって正しいよ」
一つの書類の束が完成して、また次の束を作るために書類の山に手を伸ばす。
ハイルデンさんはまだ来ていない。
「ねえ、スタクはどうして昨日あんなこと言ったの」
「あんなことって?」
「ルーヴと班を分けろってやつ」
ああ、と僕は頷いた。
「ハイルデンさんに言われたんだ。僕たちがセット扱いされるのはここまでだって」
紙の音が止んでヤードが僕を見た。
「それを聞いて確かにそうだと思った。あいつは天才で、騎士団長の息子だ。ここは通過点でしかないだろうし、いずれは王都に戻るんだろう。でもそうなった時、僕はあいつの隣にはいない。王都にいられるような優秀な人材じゃないからな、僕は」
この八年間、多分誰よりも近い距離で一等星のことを見てきた。だからこそわかるのだ、自分の才覚がここまでだと、ここで頭打ちなのだと。
いつか一度くらいシリウスに土をつけてやりたかったが、きっと難しい。
魔力というものは生まれつき器が決まっている。僕の器はそこそこ大きいけれど、せいぜい浴槽くらいのものだ。それに比べてシリウスは湖か、それよりももっと広大な器を持っている。魔力量だけは生まれ持った才能だからどうしようもない。
けれど僕は僕なりに試行錯誤してきた。自分の持っている才能でどうすれば他と渡り合えるのかを学園にいるときも、今だってずっと模索し続けている。
最小限の攻撃で最大のダメージを。これが僕が演習や魔物と戦う時に常に考えて実践しているテーマだ。適当に斬りかかるのではなく、急所を確実に捉えた一突きで倒す。大きな魔法で焼き尽くすのではなく、小さな魔法で酸素の供給を絶って殺す。
そうして上手くやって来た。座学も実技もこなして来た。だから学園では評価されて、田舎者にしては大出世を果たしたと言ってもいい辺境に赴任できた。
でも僕はここに来て、自分の小ささを知ったのだ。
「ここには僕よりも魔法の才能が長けている人なんて沢山いる。そんな人達がいるのに、僕があいつの横に立ち続けるなんて出来るはずがない。それこそ王都なんてシリウスと似たようなお化けがそれなりにいるだろうからな」
輝く一等星の隣にはそれと同じくらいの星がいるべきだ。
「だから本当ならコミュニケーションの練習なんて必要が無いのかもしれない。天才同士ならきっと何も言わなくてもお互いの最大値がわかるだろうから。でも一緒に行動する人がそうじゃない可能性なんていくらでもある。そうなった時、今のままのシリウスだと勿体ないと思ったんだ」
きっとシリウスは十年もしないうちにこの国有数の人材となるだろう。
僕はその未来を信じて疑っていないからこそ、昨日した提案が間違いだなんて全く思っていない。
「…それはスタクがすることじゃないだろ」
思わずといった風に漏れた言葉に手が止まる。横を向くとヤードが髪色と同じ目で僕を見ていた。
「それはスタクがどうにかする問題じゃないだろ。それはルーヴの問題であって、スタクが提言するものじゃない。スタクはあいつの教師でも親でもなんでもないだろ。そうやって甘やかすから、ルーヴはいつまでも…」
「……」
真っ向から言われた言葉に虚を突かれた。
目を丸くしている僕にハッとしたヤードが眉尻を下げるのを見て僕は慌てて首を振る。
「驚いたんだ」
「ぇ」
「僕は今までシリウスの世話係ってフィルター越しからでしか見られてないと思っていたから、僕のことを叱ってくれたのに驚いた。ヤードは良い奴だな」
「いや、えっと、そんなことは」
「…八年だからなぁ」
ある程度束になった紙を整えて、ハイルデンさんが見やすいように整理する。
「十歳の頃からシリウスのことばかり考えて来たから、自然と優先順位が上になっているんだ。だからどうしても世話を焼いてしまう。いつまでも僕が世話を焼く訳じゃないのにな」
自嘲気味に笑う。
「──スタク」
「だああ! 来てやったぞゴルァ!」
けたたましく扉の開く音が響いた。
振り返るとそこには明らかに不機嫌なハイルデンさんがいて、その顔に息を吐く。
「おうスタクゴルァ、人様の顔見て溜息吐くなんて随分なご挨拶じゃねえかああん?」
「チンピラみたいな絡み方やめてくださいお疲れ様です」
「おめえはもっと可愛げってもんを身に付けやがれ! いつでも仏頂面しやがって」
「ハイルデンさん」
「オヒョッ」
ずい、と僕に顔を近付けて治安の悪い態度で睨みつけて来ていたハイルデンさんの肩が猫のように跳ねた。そのまま機械仕掛けの人形のように首を僅かに後ろに回すと喉がひゅっと鳴る音がした。
「今日もお仕事頑張りましょうね」
「わわわわわかってラァ! おら書類持ってこい!」
「あちらに」
「こんなにあるのかよぉ……」
肩を盛大に落としてとぼとぼと歩いていく背中を見送った後、ちらりとヤードを見た。有無を言わせない笑顔をしていた。怒った時にしか出ないと思っていた笑顔だが、どうやら昨日の今日で習得したらしい。
ヤードは仕事が出来る奴だと思った。
「……」
だけど書類を分けている手が震えているのを見て、あ、無理しているんだなと思った。
そこを含めてこいつは仕事が出来るやつだなと思った。
ハイルデンさんは最初こそ良い勢いで書類を捌いていたけれど、時間が進むに連れて勢いが失われ最終的には本当に怒ったヤードによって追い込まれていた。ギャンギャン喚きながらも書類を処理していく姿はとてもシュールだったし、上司ってどっちだったかなと思いながら僕もハイルデンさんを追い込む一助として働いた。
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