片翼の召喚士-Rework-

ユズキ

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奪われしもの編 彼女が遺した空への想い

episode703

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 何度も何度も身体の中で、硬いものが暴れ狂っている。突かれ掻き回される動きに、身体が裂けてしまいそうで、痛くて苦しくて涙が止まらない。

 激しい痛みに耐える中、キュッリッキはマリオンやマーゴットから、性に関することを教えてもらっているときのことを思い出していた。

「初めての時ってぇ、個人差はあるとおもうけどぉ、とぉーっても痛いのよん。アタシぃの時は、思わず「フゴッ」って声出してぇ、パウリと大笑いしちゃったわあ~」

「それって、ど、どんだけ痛いの??」

「ん~、ナイフで切り裂かれた時みたい?」

「私はそこまで酷くなかったケド」

「カーティスってぇ、案外上手かったのねぇ」

「そうなのかな」

「まぁ、初めての時の痛みも、大好きなヒトが相手なら、イイ思い出になるなるぅ」

「そ、そうなんだ…」

 マリオンの言う通りなら、メルヴィンとじゃないから、イイ思い出になんて、なりそうもない。

 こんなにも辛くて苦しくて、今すぐ止めてほしいくらい酷い痛み。

 涙に滲む目を薄らと開けると、必死な形相のベルトルドの顔が飛び込んできて、再び恐怖を感じた。快感に咽び荒い息をつきながら、何度も何度も無遠慮に身体の中へ入ってくる。

 優しさの欠片もないベルトルドが、身体の中を蹂躙していく。

 先ほどの意に沿わぬ甘美な快感は、もうどこにもなかった。

 こんなに酷い苦痛でしかないことに、なんの悦びがあるのだろうか。でも、もしかしたらキスと同じで、愛する人となら、もっと違う感覚がしたのかもしれない。

 メルヴィンとなら、激しい痛みも、なんともないかもしれなかった。

(メルヴィン……メルヴィン……)

「いい? 不可抗力のキスの大盤振る舞いはしょうがないとしても。初めてのだけは、本当に好きな相手のために、大事に取っておきなさいよ」

 以前、親友のファニーに、そう言われたことがある。

 メルヴィンと迎える筈だった初めては、もう叶わなくなった。

 メルヴィンに捧げるはずの処女は、もう失ってしまった。ベルトルドに奪われてしまったから。

 裏切り、という言葉がふいに心に浮かぶ。

(メルヴィンを裏切ったんだ、アタシ…)

 自ら望んでされているわけではない。でも、いくら言い訳をしても、事実は変わらない。

 身体が受ける痛み以上に、心も苦しく、痛かった。

 いつ終わるのかも判らない、拷問のような行為に耐えながら、キュッリッキは心の中で何度も繰り返し謝った。

(ごめんねメルヴィン、ごめんなさい、ごめんなさい…)
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