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モナルダ大陸戦争開戦へ編
episode348
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ベッドはキングサイズで大人3人が余裕で寝られる広さがある。なのに2人に床で寝ろとは言えないし、キュッリッキが床に寝るなどと言い出せば、2人は止めるだろう。
傭兵の仕事では、野宿も普通にあり、男女が同じ場所で寝るのは当たり前。宿で同衾することだってあるのだ。
こんな寝心地の良さそうなベッド、仲良く3人一緒に寝ればいいだけのことだ、が。
キュッリッキは断言できる。
(緊張して寝られるわけないもん! メルヴィンがそばにいるだけで倒れちゃいそうなのにっ!!)
そして、そのことを言うわけにもいかない。
メルヴィンと一緒にいられるのは心底嬉しい。でも、喜ぶ以前に、そばにいるだけで顔もまともに見られないほどなのだ。ルーファスがなにかとかまってくれるので、気も紛れてメルヴィンとも話ができている有様だ。
観念したとして、寝るときのことを考える。
ルーファスを真ん中にして寝れば良いかなと思う反面、変に誤解されるかもしれないという不安もある。守るんだったら、当然真ん中に寝るのはキュッリッキだ。
ならばフェンリルとフローズヴィトニルを狼の姿に戻して、間に置いたら? ベッドが狭くなって邪魔になるので却下だった。
考えれば考えるほど、少しも良い案がまとまらない。今すぐ空に向かって吠えたい気分だ。
全力疾走して心臓が早鐘のような状態が、常に延々続いているキュッリッキは、この上一緒に寝たりしたら、心臓発作で昇天するかもと大真面目に思っていた。
黙りこくって、自分の思考の中で格闘しているキュッリッキをよそに、
「ベルトルド様のお屋敷にあるベッドくらい広いですよ。これなら3人一緒に寝れるので安心ですね」
朗らかなそのメルヴィンの言葉を聞いて、とうとうキュッリッキは限界を迎えてぶっ倒れてしまった。
気が付くとすでに部屋の中は真っ暗で、人の気配を左右から感じ、ベルトルドの屋敷と錯覚して寝返りをうった。
至近距離にあるその顔は、ベルトルドでもアルカネットでもない。
スヤスヤと気持ちよさそうに眠る、その端整な顔は――
「――!!!!」
キュッリッキは盛大な悲鳴をあげて飛び起きた。
その悲鳴にルーファスとメルヴィンもすぐに目を開け、何事かと身を起こす。
すると2人の真ん中で身を屈ませて俯くキュッリッキが、激しく息を吐いていた。
「リッキーさん大丈夫ですか!? 一体どうしたんです」
メルヴィンが咄嗟にキュッリッキの両肩を抱くと、電撃に打たれたようにビクッと激しく反応し、キュッリッキは顔を真っ赤にしたまま失神してしまった。
「あれ? リッキーさん!!?」
驚いたメルヴィンは、必死にキュッリッキを揺すりながら呼ぶ。
そんな2人の様子を見ながら、ルーファスはカシカシと頭をかいた。
(キューリちゃんが同室を嫌がったのは、そういうことね…)
翌朝リュリュへの定期報告を入れるために、メルヴィンが部屋を出ている間、ルーファスはキュッリッキから相談を受けていた。
「アタシこのままじゃ、ホントに心臓発作起こしちゃう」
憔悴しきったような面持ちで、キュッリッキは深々とため息をついた。二度も失神して、気づいたら眩しい朝日がカーテンの隙間から差していた。
「見てるこっちは面白いんだけどネ」
「え?」
「いやっ! まあ、あれだ、いっそキスでもしちゃえば平気になるよ、うん」
「き……」
キス!? と唇だけ動かし、キュッリッキは耳まで真っ赤になって俯く。
「だってアタシ、キ…キスなんて……」
「キスはいいヨ~。好きな相手となら、もう天にも昇る心地よさだ。前にキューリちゃんベルトルド様にキスしてたでしょ」
「………」
思わず憮然となる。あれは、お礼なのだ。
傭兵の仕事では、野宿も普通にあり、男女が同じ場所で寝るのは当たり前。宿で同衾することだってあるのだ。
こんな寝心地の良さそうなベッド、仲良く3人一緒に寝ればいいだけのことだ、が。
キュッリッキは断言できる。
(緊張して寝られるわけないもん! メルヴィンがそばにいるだけで倒れちゃいそうなのにっ!!)
そして、そのことを言うわけにもいかない。
メルヴィンと一緒にいられるのは心底嬉しい。でも、喜ぶ以前に、そばにいるだけで顔もまともに見られないほどなのだ。ルーファスがなにかとかまってくれるので、気も紛れてメルヴィンとも話ができている有様だ。
観念したとして、寝るときのことを考える。
ルーファスを真ん中にして寝れば良いかなと思う反面、変に誤解されるかもしれないという不安もある。守るんだったら、当然真ん中に寝るのはキュッリッキだ。
ならばフェンリルとフローズヴィトニルを狼の姿に戻して、間に置いたら? ベッドが狭くなって邪魔になるので却下だった。
考えれば考えるほど、少しも良い案がまとまらない。今すぐ空に向かって吠えたい気分だ。
全力疾走して心臓が早鐘のような状態が、常に延々続いているキュッリッキは、この上一緒に寝たりしたら、心臓発作で昇天するかもと大真面目に思っていた。
黙りこくって、自分の思考の中で格闘しているキュッリッキをよそに、
「ベルトルド様のお屋敷にあるベッドくらい広いですよ。これなら3人一緒に寝れるので安心ですね」
朗らかなそのメルヴィンの言葉を聞いて、とうとうキュッリッキは限界を迎えてぶっ倒れてしまった。
気が付くとすでに部屋の中は真っ暗で、人の気配を左右から感じ、ベルトルドの屋敷と錯覚して寝返りをうった。
至近距離にあるその顔は、ベルトルドでもアルカネットでもない。
スヤスヤと気持ちよさそうに眠る、その端整な顔は――
「――!!!!」
キュッリッキは盛大な悲鳴をあげて飛び起きた。
その悲鳴にルーファスとメルヴィンもすぐに目を開け、何事かと身を起こす。
すると2人の真ん中で身を屈ませて俯くキュッリッキが、激しく息を吐いていた。
「リッキーさん大丈夫ですか!? 一体どうしたんです」
メルヴィンが咄嗟にキュッリッキの両肩を抱くと、電撃に打たれたようにビクッと激しく反応し、キュッリッキは顔を真っ赤にしたまま失神してしまった。
「あれ? リッキーさん!!?」
驚いたメルヴィンは、必死にキュッリッキを揺すりながら呼ぶ。
そんな2人の様子を見ながら、ルーファスはカシカシと頭をかいた。
(キューリちゃんが同室を嫌がったのは、そういうことね…)
翌朝リュリュへの定期報告を入れるために、メルヴィンが部屋を出ている間、ルーファスはキュッリッキから相談を受けていた。
「アタシこのままじゃ、ホントに心臓発作起こしちゃう」
憔悴しきったような面持ちで、キュッリッキは深々とため息をついた。二度も失神して、気づいたら眩しい朝日がカーテンの隙間から差していた。
「見てるこっちは面白いんだけどネ」
「え?」
「いやっ! まあ、あれだ、いっそキスでもしちゃえば平気になるよ、うん」
「き……」
キス!? と唇だけ動かし、キュッリッキは耳まで真っ赤になって俯く。
「だってアタシ、キ…キスなんて……」
「キスはいいヨ~。好きな相手となら、もう天にも昇る心地よさだ。前にキューリちゃんベルトルド様にキスしてたでしょ」
「………」
思わず憮然となる。あれは、お礼なのだ。
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